月別アーカイブ: 2022年3月

花冷え

今日は3/29(火)、桐蔭学園の桜はちょうど見ごろ。ただ、昨日までの暖かさとは打って変わって花冷えとなっています。

春の陽光のもとでの桜はもちろん美しいのですが、今日のような曇天の下での桜も、その淡い色合いが控えめな風景を生み出し、また趣深いものです。

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「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」──この世に桜というものがなかったならば、春における人の心はどれだけ落ち着いたものであったろうに──桜の美しさ、素晴らしさを逆説的に詠んだ在原業平の有名な歌です。

私はこの季節になるとこの歌を思い出します。「平安期の古代人も私たちと同じ心境になったのだな」と思うと、千年の時を越えて強い共感を抱くのです。

「春は桜のせいでどうもソワソワして仕様がない」──この歌をくだけて解釈すればこのようになるのでしょう。私のここ何年かの「ソワソワ」感はもっぱら「この桜、入学式までもつかな」というものです。以前と比べて桜の見ごろは確実に早まっているようで、例年4/6前後に行われる桐蔭学園の入学式のころには残念ながらすでに半分葉桜となっているのが近年の状況です。

近年の見ごろは──そう、ちょうど生徒たちが春休みの期間なのです。「もっとたくさんの生徒や保護者の方にこの桜を見てほしいな」と少々苦々しい思いを抱きつつ満開の桜を愛でることを、ここ数年くり返しています。

 

卒業式(高校共学)

3/17(木)、高校共学の卒業式が行われました。3年前の入学式と同じ、シンフォニーホールが会場です。

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9:30よりアドバンス、12:30よりスタンダード、15:00よりプログレスと、3コースごとに開催しました。アドバンス348名、スタンダード203名、プログレス200名が晴れて卒業の日を迎えました。

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卒業証書の授与。各クラスの担任の先生の呼名に、その場で起立していきます。感染防止のため、返事をすることはありませんが、卒業生たち、大変立派な態度でした。

最後に各クラスの代表が全員分の証書を受け取ります。

【アドバンス】

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【スタンダード】

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【プログレス】

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私(岡田)からの告辞。

「『夢を語れる情熱を』──私が皆さんにずっと伝えてきたことです。夢というものは、決してはじめからあるものではありません。感動を積み重ねていくことで、やがてそれが夢へと成長するのです。そして夢は、語ることで一歩ずつ近づいていけるものなのです」

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続いて溝上理事長からの祝辞です。

「『自分の考えを聴いてくれる学びの友を見つけよう』──自分の考えを他者に伝えることによって、それまで散らばっていた自分の思考がまとまっていきます。『人を誉めよう』──人を誉めることで、自分も他者から認められることになります。この2つをぜひ覚えておいてください」

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最後は卒業生代表による謝辞です。

アドバンスコース代表は、中島潤一郎さん。

「この世の中に『絶対』などということはありません。感染症の流行や戦争の勃発、今まで当たり前だった人との交流や平和というものが実は『絶対』ではなかったのです。しかし大切なことは、『絶対』を目指すことなのではないでしょうか。実りある将来に向けて、私たちは今日からそれぞれの道を歩みはじめます」

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スタンダードコース代表・藤田紅葉さんです。

「高1次に経験した数多くの楽しい行事。コロナ禍の今ではそれも叶いません。当たり前だと思っていた日常生活が、実は脆いものであったことを私たちは痛感しました。しかし、それを乗り越えた私たちは、強くなれたような気がします。桐蔭学園で培った自ら考え判断し行動する力で、これから先の人生を歩んでいきます」

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プログレスコース代表は、久松海人さん。

「私たちは、何気ない日常というものは、周囲の多くの方々の支えによって成り立っていたのだということを学びました。ますます複雑多様化していく中、たとえ社会がどのように変容しようとも、人と人とのつながりを重んじ、人間らしくふるまうその先に、自らの夢を実現し、社会に貢献できる人となるよう努力する所存です」

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卒業生の皆さん。

桐蔭学園での3年間は、人生100年と言われる時代にあって、ごく短い時間だったかもしれません。しかし、その人生の基盤を作る、大切な3年間でもあったはずです。変化の激しい社会を生き抜くため、桐蔭学園で培った「しなやかさ」をもって、新しいステージへと羽ばたいていってください。

今や6万人に迫る桐蔭学園卒業生の仲間入りをする皆さん。社会で活躍する多くの卒業生たちが、皆さんを歓迎してくれるはずです。

あらためて、卒業おめでとう。

 

卒業式(高校女子部)

3/12(土)、高校女子部の卒業式が行われました。心躍らせながら臨んだ中学入学式と同じシンフォニーホールが会場です。あれから6年、時の経つのは早いものです。

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卒業証書の授与。担任の先生が一人ひとりの氏名を丁寧に読み上げ、その場で起立、最後にクラス代表が全員分の証書を受け取ります。

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続いて皆勤賞・精勤賞の授与です。桐蔭学園小学部から12年間皆勤の3名(倉増怜さん、伊藤里紗さん、髙本英恵さん)。本当に立派です。

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中学校からの6年間皆勤(代表・坂井結さん)、高校での3年間皆勤(代表・菅原もえさん)、3年間精勤(代表・亀田真優さん)の表彰です。皆さんよく頑張りました。

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私(岡田)からの告辞です。

「この世界には、君以外に、誰も歩むことのできない道があります。その道は君の夢へとつながる、たった一つの道です。行き着く先を見失わないよう、君の夢を語り続けよう。夢を語れる情熱を持ち続けよう。桐蔭学園はいつまでも皆さんを応援しています」

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溝上理事長からの祝辞です。

「皆さんが大学に進み、さらに社会に出た時に大切なものは『言葉』に他なりません。自身の思考を言葉によってアウトプットすることによって、それが相手にしっかりと伝わって相互理解につながりますし、何よりも自身の思考を強化することにつながるのです」

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在校生送辞は、三須萌花さん(2年)が務めてくれました。

中学校入学以来、さまざまな場面において先輩方の背中を見て成長してきたこと、そして今後は自分たちがその役目を果たしていく決意であることが語られました。

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最後は卒業生謝辞です。代表は鈴木理紗子さん。

6年間をふり返りながら、思い出とともにそれぞれの場面で学んだことが語られました。6年間を1冊の本に譬え、途中苦しいことや落ち込むことはあっても、「終わりよければすべて良し」というハッピーエンドの人生でありたい、との言葉が印象的でした。

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卒業生の皆さん、人生は日の当たる場所ばかりではありません。日の当たらない場所にいる時こそ、その人の真価が問われます。そんな時には、どうか桐蔭学園での日々を思い出してください。いっぱい笑い合った39期生の仲間を思い出してください。きっと皆さんの心の炎を燃やす燃料となってくれるはず。

皆さんの人生が素晴らしいものになることを願っています。

 

忘れない

本日は3/11、あの震災から11年が経ちました。

昨年は10年という節目の年だったこともあり、各報道機関も大きく取り上げました。しかし、今年はそれほどでもなく、また東京で実施されてきた政府主催の追悼式も行われないようです。

あの震災での犠牲者1万5千人以上の方々、行方不明者2千5百人以上の方々の「想い」というものは、もはや私たちには知るよしもありません。だからこそ、その方々が私たちに伝えたいはずの「想い」というものを想像しなければならないのだと思います。「絶対に油断してはいけない。自分だけは大丈夫などと考えてはいけない」という「想い」を私たちが汲み取って、肝に銘じること。これが、震災で犠牲になった方々に報いる道だと信じています。

衝撃をもって目に焼きつけたはずの光景も、時間とともに確実に薄れていきます。だからこそ記念日を設けて、忘れない努力をすることが必要なのです。

忘れない──この一心で14:46に黙とうを捧げます。犠牲になられた方々の「想い」を想像し、噛みしめながら。

 

新入学予定者登校日(高校)──生徒会による歓迎イベント

3/5(土)は、高校の新入学予定者登校日です。集合会場となったシンフォニーホールでは、高校生徒会による歓迎イベントが行われました。

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開始に先立ち、高校紹介のPVが上映されていました。

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13:30、いよいよスタートです。進行を担当してくれた2人。

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生徒会長による挨拶。

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歓迎イベントは、左右前後に座っている人と3~4人のグループを作るところからスタート。次に、ステージ上で巨大サイコロを転がし、出た面に書かれている内容について、グループ内で自己紹介をしていきます。

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サイコロの面には、たとえばこんな言葉が。これ以外には「今年の抱負」「自分を動物にたとえると?」などがありました。

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これは大変盛り上がり、グループごとにすぐに打ち解けていました。

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次はクイズ大会です。桐蔭学園に関するさまざまなクイズが、事前に撮影した動画から出題されます。「桐蔭学園に入学するための最終試験」(?)だそうです(笑)。

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最後は高校生徒会と学園祭実行委員会が制作した動画を上映し、桐蔭学園での1日やイベントの様子を紹介しました。上質な出来栄えに、新入学予定者の皆さんは画面にくぎ付けになっていました。

今回のイベントを企画・運営してくれた生徒会メンバー。大きな拍手をいただきました。

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この日の登校日で、新入学予定者の皆さんは新しい生活への期待に胸が膨らんだことでしょう。4月から始まる桐蔭学園での生活を楽しみにしていてください。在校生ともども、皆さんを歓迎します。

【大活躍してくれた高校生徒会メンバーと(シンフォニーホール楽屋にて)】

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卒業式(中等教育学校、高校男子部)

2/28(月)、中等教育学校と高校男子部の卒業式が行われました。中等131名、高校183名の門出をシンフォニーホールで祝福しました。

まずは10:00より始まった中等の様子です。感染防止のため、座席は1つ空けにし、保護者の方のご列席は各家庭1名様までとさせていただきました。

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担任の先生が一人ひとりの氏名を丁寧に読み上げ、最後にクラス代表が卒業証書を受け取ります。

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皆勤賞・精勤賞の授与。小学部からの12年間皆勤2名、6年間皆勤12名、3年間皆勤8名、3年間精勤9名です。よくかんばりました(写真は12年間皆勤の岩淵一輝さんと廣瀬春希さん)。

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私(岡田)からの校長告辞。

「この2年間、コロナに翻弄された皆さん。どうか自分たちを不運な被害者と思い込まないでください。コロナ後の新しい時代に向かって羽ばたいていくために」

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溝上理事長からの祝辞です。

「桐蔭学園の2つの校訓。これをもってすれば皆さんは力強く歩んでいくことができます。どうかこの6年間で培った力を社会で存分に発揮してください」

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最後は卒業生謝辞。代表の泉諒さんです。今まで自分たちを見守ってくれた方々への感謝の気持ちが溢れ出た、素晴らしいことばを紡いでくれました。

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午後1:30からは高校です。

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卒業証書の授与。感染防止のため、担任の先生からの呼名に返事をすることはありませんが、卒業生たちは立派な態度で応えてくれました。

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続いて皆勤賞・精勤賞の授与です。小学部からの12年間皆勤2名、中学校からの6年間皆勤22名、高校での3年間皆勤27名、3年間精勤14名、おめでとうございます。代表は12年間皆勤の青木智熙さんです。

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私からの校長告辞です。

「桐蔭学園での生活をふり返ったとき、皆さんの脳裏に真っ先に浮かんだ光景は何でしたか。その光景こそが、皆さんが苦しいときに心の炎を燃やす燃料となってくれるはずです」

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溝上理事長からの祝辞です。

「皆さんは今日から桐蔭学園卒業生の一員となります。学園を巣立っていっても、どうか何らかの形で学園との関りを持ち続けてください。心の拠り所として、皆さんをサポートしていきます」

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在校生からの送辞。代表は計良崇弘さん(2年)です。何もわからない中1入学時から現在にいたるまで、さまざまな場面で多くのありがたい指南を受けてきたことを回想してくれました。

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最後は卒業生代表・小堀蓮太郎さんによる謝辞です。6年間の思い出を時にユーモアを交えてふり返り、それをふまえて次の時代へと羽ばたいていく決意を述べてくれました。

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中等教育学校16期生、高等学校男子部56期生の皆さん、あらためてご卒業おめでとうございます。

卒業という節目において、自分の成長を確認・実感することは本当に大切なことです。その実感こそが、次の成長へとつながるからです。

卒業生の皆さん、節目節目において自分の成長を実感することは面白いことでもあります。どうか次のステージでも自分の夢に向かって成長し続けてください。桐蔭学園は、すっと皆さんを応援しています。