桐蔭横浜大学

桐蔭横浜大学Toin University
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教育・授業実践

入学前キャリア教育プログラム「桐蔭プレアド」第3回講座(ハイブリッド型)時間軸と空間軸で豊かなキャリアデザイン
Vol.24 松井 晋作先生・溝口 侑先生(教育研究開発機構)

掲載日:

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 2月19日(土)入学前キャリア教育プログラム「桐蔭プレアド」第3回講座(対面受講45名・オンライン受講136名)が行われました。松井先生から受講生全員に挨拶を呼びかけてスタートし、アイスブレイクとして行われたグループワーク(自己紹介)では互いに興味を感じるテーマがあり、その情報はZoomのチャット機能を活用して共有していました。続いて、グループワークの意味と大切さについて具体的な説明が行われ、この日のプログラムのレベルアップにつなげていきました。その後、受講生3名一人ずつと松井先生がオンラインで事前課題について対話をして全員で共有し、次のグループワークに入りました。この日もチューターがグループワークを支援し、溝口先生がシステム機材・機器を駆使してハイフレックス型の講座を円滑かつ有意義に進める役割を担っていました。

 「過去に出合った出来事、影響された人との出会い、その時思ったこと」に焦点を当てた第3回講座の様子について、先生方にお聞きしながら紹介します。

 

先生へのインタビュー


  第3回講座の主な内容を教えてください。
松井先生:最初にアイスブレイク(自己紹介)としてのグループワークを行い、「自分の在籍する高校の特徴・印象の紹介」をテーマに加えました。受講生同士がお互いに興味関心を持てるようにしたので、そこで関心をもった話題をZoomのチャット機能で書き込んで共有しました。次いで、前回までの復習に加えて、グループワークのレベルアップを目指して「良いチームの条件」を具体的に挙げて説明しました。 その後、提出済の事前課題からピックアップした「モチベーショングラフ」を基に、それぞれの受講生との対話を全員で共有し、次のグループワークに入りました。ここでは「聞きながら、メモしながら、話しながら」という目標を示すことで、さらなるコミュニケーション能力の向上を図りました。このグループワークを2回行い、その都度、対面受講生とオンライン受講生に発表してもらいながら対話を行いました。 まとめとして、次回に向けた課題(OB・OGのインタビュー動画を見て感想を書く)について説明し、桐蔭の“学ぶ”について考えることを提示しました。さらに、「桐蔭プレアド」の最終的な目標(①自己理解と他者理解を深める ②自分の学びを他者に向けて発表する)について説明して終了しました。


  第3回講座での学びのポイントを教えてください。
松井先生:桐蔭プレアドのプログラムでは、「仲間との協働活動」を通じて大学での学びを身につけることを目標の一つとしています。より良いグループワークができるようになり、コミュニケーション能力を高めていくことがポイントなので、今回はそのスキルアップを図るために「グループワークではチーム感を出そう!」と呼びかけました。学びの場面において、多くの部分をチームによる共同作業で進めることを認識し、そのメンバーは相互に強く依存し、作業を行うために互いを必要としていることを理解してグループワークを進めていきます。参考資料として【Google「効果的なチームとは何か」を知る】を提示し、効果的なチームの第一条件が「サイコロジカル・セーフティー(心理的安全性)」であることを学び、「相手を批判・否定しないこと」「共通認識を持つこと」が大切であることを理解できたと思います。  また、受講生が自分のキャリアを考えていく上で、今回は時間的な連続性(時間軸)に社会的なつながり(空間軸)を加えました。「社会の出来事・影響された人との出会い・その時の心情」を思い出して作成したキャリアデザインシートを基に、グループワークを行って仲間と意見を共有することで、物事の捉え方や考えの幅が豊かになったと思います。

参考:Google「効果的なチームとは何か」を知る(一部改題)


  桐蔭プレアド講座の特長や工夫されている点を教えてください。
溝口先生: オンラインでも、対面と同じように学ぶことができるように「ハイフレックス型」で授業を行っています。「ハイフレックス型授業」とは、同じ授業で、参加者がオンラインでも対面でも参加できる形態の授業のことをいいます。本プログラムの受講者のうち約4分の1は、東京都・神奈川県以外からの参加者です。また、現在、まん延防止等重点措置が実施されていることから、通学することに不安を覚える受講生や保護者もいます。そんな様々な受講生たちが入学する前から交流し、共に学ぶために、桐蔭プレアドでは「ハイフレックス型」を採用しています。  桐蔭プレアドでは、松井先生が対面教室で授業を行い、受講生たちは自分自身の状況に応じて対面で参加するかオンラインで参加するかを選びます。オンラインであっても、対面でも講義が教室の様子が十分に届くように、溝口が配信のサポートを行っています。また、職員や学生チューターが、対面とオンラインどちらにも配置されていて、適宜サポートをしています。  対面教室での様子をオンラインへ配信するために工夫している点を一つご紹介します。教室で参加している受講生たちは、机の上に広げた模造紙に、グループワークで気になったことや重要な点についてメモをしています。回を追うごとに、メモの量も増えてきていると感じています。今回は、教室の受講生が発表するときに、iPadを活用して、事前課題を共有すると同時に、書き留めたメモも画面上に投映するためのシステムを試験的に導入しました。他の人の成果物を共有するだけではなく、学びのプロセス(メモ書き)も共有することで、発表を聞く人たちにもこれまで以上に気づきがあったのではないかと思います。

授業の様子


受講生の感想

*( )内は入学予定の学科 [対面受講生] S.J.さん(スポーツ教育学科)  今日の講座では、自分の幼稚園の頃から今までのモチベーションについての発表をしました。そのモチベーションの上がり下がりが凄い人や一直線の人もいて、自分のモチベーションを一定にできている人がいました。自分はモチベーションの上がり下がりが激しいので、一定に保てていることは素晴らしいなと思いました。そして、他の人の意見を聞く事で共感することや学ぶことがとても多いなと感じました。メモを取ることを癖にできるようにしたいと思いました。 I.R.さん(スポーツテクノロジー学科)  第3回の授業ではなかなかみんな打ち解けてきて、第1・2回の時よりも深い話が出来ていたので、話し合いがスムーズに出来ている印象が強かった。授業で行われる座席のシャッフルでは毎回違う人と話せるので友達を作るいいチャンスだと思い、積極的に話しかけるようにしている。話しかける中で私が重点を置いているのが、相手が話していることに対してまず耳で聞き、そして心で聞き、さらに体でも聞くというのを実践することだ。こうすることによって相手の話に関心を持っているように感じてもらえるので、相手から多くの話が引き出せるようになったと思う。こういったお互いが初見の場というのはこれから生きていく上で数多く現れてくると思うので、円滑に人間関係が進む方法を模索していこうと思う。 W.T.さん(スポーツ健康政策学科)  今回の講座を終えて、他の人のモチベーションや、何を通して今があるのかを知ることが出来ました。また、自分に足りないものを知る機会にもなりました。そして、全体の前での発表をすることにより、自分の発表の仕方、また発表する際の構成などを考える良い機会となったと思います。次も今回同様に全体の前での発表も頭に入れながら講義に望みたいと思います。 Y.A.さん(生命医工学科)  自分の過去を振り返る良い機会になりました。あと、自分がボケーっと過ごしている間にみんなは結構、壮大な人生を送っていることを知ってビックリしました。また、モチベーションの上げ方が人によって違っていて面白かったし、自分はモチベーションを上げるのがあまり得意ではないので参考にしてみようと思いました。 H.Kさん(臨床工学科)  第3回プレアドで自分達のキャリアデザインシートについて話し合う中、オリンピックによってモチベーションが変化していた人が三人いました。私はニュースと自分のモチベーションがあまり関わり合っていなかったので、驚きました。また、他の人と比較してみると、私は友人の影響でモチベーションが変化していることに気がつきました。 H.K.さん(法律学科)  今回の授業では、今までの自分の人生で自分や社会に振り起こった出来事とモチベーションを照らし合わせて、自分がなぜこの時にモチベーションが上下したのかを振り返ることができた。また、グループのメンバーの中には、人生でほとんどモチベーションをずっと高く、とにかく維持することだけを考えて生きてきた人もいました。大きな悪い出来事が起こると勢いよくモチベーションが下がる自分とは違うと感じました。 [オンライン受講生] S.R.さん(スポーツ教育学科)  第3回講座を振り返って、だんだんこのリモートの講義にも慣れてきたと思います。わかりやすく成長を感じたのが、メモをしっかり残せているというところです。聞いたことを全て写すのは難しいので、自分なりに省略して残すことができました。自分のモチベーションの高低を矢印で表したり、後で振り返りやすいメモを取ったりしました。最後の発表に向けて、講義で得た知識をしっかり残して良い発表ができればいいなと思っています。 M.D.さん(スポーツ教育学科)  緊張がほぐれ、講義を楽しく受けられています。グループワークではスポーツをやっていた人が多く、コロナの影響を受けてモチベーションが下がっている人が多数いると思いきや、逆にモチベーションが上がっている人がいて驚いています。学びを深くするためにもっとメモをして、振り返りを自主的にしていきたいです。 M.M.さん(スポーツテクノロジー学科)  第3回目の講座ではオンラインで画面越しですが、だんだんと慣れてグループの仲間とも打ち解けていくことができました。自分の過去を振り返りながら自分のことを見つめ直したり、今後に活かす方法を考えたりしながら、仲間の過去についても知っていくにつれて、また少しずつ仲間との距離が縮まってきたように感じます。第4回も楽しみです! N.I.さん(スポーツ健康政策学科)  今回は事前課題のやり方も少し理解できたように感じていて、しっかりと取り組めたので、他の人とのグループワーク(ブレイクアウトルーム)にしっかりと参加出来たと思います。やはり、事前の課題はすごく大事だと思いました。グループにはスポーツ関係の人が多く共感する部分もあり、また、自分とはモチベーションの上がり下がりが違う人もいて、その人の特徴を掴めたりしたのですごく楽しかったです。 M.R.さん(スポーツ健康政策学科)  今回の授業を通して今までの過去の出来事などを振り返り、社会との繋がりを考えることができた。対面授業の時には今までの授業のメモが大事になると思うので、メモを分かりやすくしっかりと取っていきたい。そして、グループワークになった時にちゃんとコミュニケーションが取れるように頑張っていきたい。 K.N.さん(生命医工学科)  グループワークでモチベーションが下がった時期を発表する際、「部活で足などを怪我した時にモチベーションが下がる」という発表がありました。私は中・高と文化部だったので、部活中に足を怪我することは無かったため、私とは違う意見ばかりで聞いていて興味深かったです。また、今回の課題は過去を振り返る課題だったので難しかったです。 T.H.さん(臨床工学科)  主なモチベーションの低下の理由として、社会的な大きな出来事が自分とも関わっていることが多かった。また、自分が意見交換をしたグループでは、部活の顧問の先生などといった「先生やコーチ」が影響していることが多く、教える立場の人が与えるモチベーションや精神的な影響力があるような気がした。 T.N.さん(法律学科)  多くの人と関わりを深められたなと思いました。今日、一緒にグループワークをやった人は全員スポーツ部活をやっていたので、すごく一生懸命やってきていたり、挫折した話や上手くいった話を聞けたりして、「私もなにか一つのことに集中してやればよかったなぁ」と思いました。大学での4年間は法学部の人達だけでなく、たくさんの人と関わりたいと思いました。


教員プロフィール:松井 晋作

松井 晋作

教育研究開発機構 専任講師

 松井 晋作 MATSUI, Shinsaku – 教員紹介



教員プロフィール:溝口 侑

溝口 侑

教育研究開発機構 特任専任講師

 溝口 侑 MIZOGUCHI, Yu – 教員紹介



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