桐蔭横浜大学

桐蔭横浜大学Toin University
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教育・授業実践

対面以上のコミュニケーションと授業クオリティ。オンラインゼミの工夫
Vol.3 蓮沼裕也先生(医用工学部)

掲載日:

ゼミに伺ったときは英語論文を抄読する授業でした。蓮沼先生はちょうど研究室内にあるホワイトボードに向かって説明をしている途中で,学生はノートパソコンのカメラを通じて,そのホワイトボードを見ながら話を聞いています。ここだけを見ると,まるで通常の対面ゼミのようです。蓮沼先生が問いかけをし,学生がモニターの向こう側から答えたことに,画面の横に移っている他学生がさらに質問する,といった双方向性が展開されていました。授業準備も,学生が持ち回りで準備をしているとも伺いました。オンラインで「つながっている感」が増すと同時に,オンラインだからこそ,授業外での学生の自主的な活動も見えてきます。そこに至るまでの工夫をお聞きしました。

先生へのインタビュー

取材班:オンライン授業で大事にしていることはなんですか?
蓮沼先生:研究室のゼミでは,毎週,国家試験対策,英語論文抄読会,企業研究発表会をGoogle Meetを活用して行なっています。大事にしていることは,この状況下でも「最大限できることを模索して,研究室活動の質を落とさない」ことです。普段から,学生が自分で考える力を養うため,両方向性を大事にしてきました。その成果もあってか,遠隔ゼミでもみんなが積極的に発言をしてくれます。また,わざと自分がカメラの前から離れるようにして,学生同士で話し合いを促しています。同じメンバーで色々なテーマのゼミを行なっていますが,教員がMeetを立ち上げて招待するのではなく,それぞれに責任者を決めて,学生自身が能動的に遠隔ゼミをスタートさせるように意識づけをしています。

取材班:それがうまくいくコツがあれば教えてください
蓮沼先生:ゼミに限らず,30名を超えてもGoogle Meetを使って同期型の授業を展開しています。こちらはゼミのようにはなかなか行きませんが「可能な限り両方向性を持たせること」を心がけています。30人超でMeetを用いると,通信速度や質に個人差が出てきてしまい,学生の板書の様子などもこちらから視覚的に捉えることが難しいです。そのため,授業以上に教員が話をするところと板書するところのメリハリをつけ,板書にはたっぷりと時間をとってあげるようにしています。
こちらから,学生に対して質問するときも発言でなくチャット機能を使って答えてもらい,答えるまでの時間をたっぷりとるようにすると,しっかり答えてくれますし,それで両方向性を保っています。

取材班:授業デザインの工夫があれば教えてください
蓮沼先生:授業の最後には,時間をとって,Google Formの「段落」機能を使って,授業の内容を数行でまとめてもらい,感想や不具合が生じた点も書いてもらっています。まとめてきた内容については,言葉の使い方や内容理解度について,個々にフィードバックを行なっておりますが,これは紙ベースのレポートよりも手間が少ない印象です。対面授業になっても,このフィードバック機能の使いやすさから継続して使っていきたいと考えています。

授業の様子


受講生の感想

小林美里さん(4年生)
遠隔授業は対面の授業やゼミとの大きな相違はなく,より質問しやすい雰囲気だと思います。通信状況によって,音声や映像が乱れるのは対面授業と比べ,不便なことがあります。

渡部篤也さん(2年生)
対面で行う英語論文抄読会よりも,遠隔では画面共有することで読んでいるところがわかりやすく,やりやすいと感じることも多いです。みんながわかっているかどうかの雰囲気を掴むのが難しいですが,声をかけ合いながらやれば,十分対応できると思います。


教員プロフィール:蓮沼裕也

 

医用工学部・生命医工学科 専任講師

蓮沼 裕也 HASUNUMA, Yuya – 教員紹介


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