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判例ベースのディベートによる実践型法学教育

2024年12月16日

中野邦保教授の「民事法特別講義ⅠⅡ」では、主として、ビジネスキャリアコースの学生を対象に、通常の座学講義では得られない各種能力を涵養すべく、民事判例をベースとしたディベートが行われています。この2コマ続きの授業では、まず、「調査編」として、チームごとにディベートするための前提知識・理解を共有するための報告がなされ、次に、「実践編」として、実際にディベートが行われます。そして、ディベート後は、互いの健闘をたたえつつ、それぞれの立論や議論の展開、今後の対応等を含めたディベート全体の振り返りが行われ、教員によって、さらなる知識・理解の提供と議論上の問題点・改善点等が指摘されます。
この授業の特徴は、受講者が3~5名からなるチームに分かれ、それぞれのチームが原告、被告、裁判官の役割を行い、モチベーションをあげるため、リーグ式にして、優勝チームやMVPを決めるほか、学生自身が各チームの勝敗と個人評価を行う点です。そのため、学生は遠慮や忖度等をすることなく、自身の評価の正当性をきちんと責任をもって説明する必要が生じます。また、まず身近な法的問題をテーマにディベートを行って議論のやり方と流れなどを体感し、次にディベートの技法やロジカル・シンキングについての書籍等を輪読して対話・議論の技法と論理的思考方法を学んでから、学生が選んだ判例のディベートを行うといったように、授業自体が段階的に設計されている点も特徴的です。
授業を受けた学生からは、「チームでまとめるのが大変だった」、「事実と法律論を結びつけて立論するのが難しかった」、「議論を展開する面白さを感じた」、「チーム一丸で勝てたときに達成感を感じられた」、「社会人になるのに必要な力を楽しく学ぶことができた」等のさまざまな感想があった。
中野教授によると、「これまで更新料条項の有効性が問題となった事案や、監督義務者の範囲が問題となったJR東海事件等を扱ったが、法的紛争の実際を知り、原告・被告の事情等にまで思いを馳せつつ、考え方の相異はもとより、法制度の趣旨や問題の背後にある社会的事情・歴史的背景にまで遡り、実践的に法律学を深く学びつつも、チームで学生同士が楽しく学び合うことを通じて、表現力・思考力等とともに社会人基礎力などを育んでもらえればと考えており、今後もディベートを通じた法学教育の可能性を模索していきたい」、とのことでした。

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