今回は6月下旬から7月上旬に5日間に分けて行われた各種ピアノの保守点検についてです。
＜2024年6月下旬【スタインウェイ・限定モデルピアノ TP-300 保守点検】＞
このピアノは、スタインウェイ＆サンズ社が2000年に製造した、世界で300台の限定モデルです。
ピアノ誕生から300年にあたる2000年は、特別なグランドピアノをリリースするのに相応しい年であったことから、スタインウェイは、シンプルでありながら独創的なアプローチで知られる著名な家具デザイナー、ダコタ・ジャクソン氏にデサインを依頼しました。
この300年記念限定モデルは、ピアノが本来持つ美しさと数々の技術革新を備え持つ魅力的なピアノとして誕生し、優れたピアニストでもある同氏は、優雅な姿やパーツの細部、印象的なラインにこだわりました。
軽やかさ、そしてエレガントさが感じられ、また、特徴的なデザインが3つのパーツに分かれて扇のように開く天屋根や、モダンなテイストを強調しているS字型にカーブした突上棒などに表されています。
保守点検は2日に分けて行われました。
①先ずピアノ全体の状況を確認。
②アクション部を取り出した状態。
③最後に整音。
＜2024年7月上旬【ヤマハ・アップライトピアノ 保守点検】＞
シンフォニーホールのVIP室に置かれているアップライトピアノの保守点検です。
6/20に行われたハンガリー・ブダペスト交響楽団公演の日には、ピアニストの亀井聖矢氏が本番前にこのピアノで練習していました。
＜2024年7月上旬【スタインウェイ・フルコンサートピアノ D-274 保守点検】＞
1988年に開館された時にホール備品として導入され、36年が経過しました。
今回も2日間の日程で実施されました。
①天屋根の状況を確認し、ビスの緩みを修正、次に鍵盤の確認。
②アクション部を取り出し、鍵盤関係の確認と調整。
③アクションレールに取り付けられているハンマーほか、細かな部品郡と鍵盤。
④最終調整し、整音作業へ。
調律師の皆さま、ありがとうございました。
桐蔭学園・文化センター