法学者サヴィニーとは?
法学者サヴィニーとは?
フリードリヒ・カール・フォン・サヴィニー(1779~1861)
身分の差異に由来する具体的・個人的は義務の羅列を克服して、万人に通用する「権利の体系」を組み立てる試みをしたドイツの法学者。
カント哲学の影響の下で、古代ローマ法を手がかりとする様々な法概念を組み立て、ドイツ近代法の体系を樹立。自由平等な個人から出発するその法体系は、19世紀後半のドイツ私法学から法学の全分野、さらにそれをモデルとした日本の近代法と近代法学にまで影響を及ぼしている。
なぜ、今サヴァニーを学ぶのか・・・
社会と法とは、古代ローマ時代から繰り返し変革を経てきました。
19世紀前半、身分制社会から自由平等社会へと向かう大きな変化のただ中で”社会と時代に即した法思考”を提示したのがサヴィニーです。サヴィニーの「法思考」は、複雑な社会構造や人間関係を調整するための”法”を万人に共通する言語によって体系化するものでした。
国境を越えた情報化が地球を取り巻く21世紀、様々な価値観と慣習が入り混じり複雑に変化するこのボーダレス社会では「個人の権利」と「社会の秩序」を両立させることが危ぶまれています。
このような社会だからこそ、万人の権利と倫理自由を守るための、時代に即した「法思考」が必要なのです。
「法思考」を実現させるのが裁判という制度です。
伝統的な裁判から国民が参加する裁判へと移りつつある今、サヴァニーの「法思考」や日本がかつて行っていた「陪審裁判」を手がかりとして、新しい法思考・新しい裁判への興味関心を高めてください。
サヴィニーミュージアムのご案内
サヴィニーミュージアムのご案内
年譜・交流ボード
大きな時代の変革の時代に、サヴィニーは どのような思考の交流をしたのでしょうか。
ボードに登場する項目や人物たちのエピソードをデータベースで検索することで、その関係を深く知ることができます。
愛弟子であったグリムの回想録からサヴィニーの横顔を探ることができます。
知のテーブル
サヴィニーの功績である法思考の展開とはどういうものだった法体系の変化モデルと3人のキーパーソンとの対話からサヴィニーの“知”を探ることができます。
サヴィニー文庫
ここに納められた図書は、サヴィニー自身が手元に保管していたものです。
サヴィニーが法思考をめぐらす上で、どのような文献から影響をうけていたのでしょうか。
文庫のふるさとを訪ねながら、蔵書の概要を知ることができます。
プロローグ
サヴィニーは何を成した人物なのでしょうか。私たちの身近にも流れている、サヴィニーの法思考の一端を見ることができます。
キーパーソン
サヴィニーの法思考を知る上で鍵となる人物たちです。ここに登場する人物たちを追うことで、サヴィニーの功績をうかがうことができます。
サヴィニーの人間性
学問に生涯を捧げ、大きな仕事を成し遂げたサヴィニーとはどのような人物だったのでしょうか。
サヴィニー文庫
ドイツ民法の父と呼ばれるフリードリヒ・カール・フォン・サヴィニーの個人蔵書から、特に法学に関するものを譲り受けてここに収納しました。
この文庫には、サヴィニー自身の著作をはじめ、法学史上の重要な著作が数多く含まれています。
中にはサヴィニー自身の書き込みも残されており、それらは、法学を学ぶ者にとって貴重な研究資料です。
※蔵書リストは、サヴィニーミュージアム内で検索できます。
所蔵点数262点、約480冊
フランクフルト近郊にあるサヴィニー家の農場「トラーゲス館」
休暇中の研究、家族との語らい、そして、ロマン派詩人たちとの交遊・・生涯を通じてこの館をこよなく愛したサヴィニー。
死後もここで眠ることを選んだサヴィニーゆかりの館です。
1998年までここに秘蔵されていた蔵書の主要部分を桐蔭学園が譲り受け「サヴィニー文庫」として保存・利用することとなりました。
サヴィニー文庫のふるさと「Hofgut Trages」