選択科目に選んだ労働法以外にも、
知財法、倒産法など多くの科目を学んだことが業務を行うための糧となり、
桐蔭法科大学院で学んだことの多くは現在に非常に役立っています。
小口 央 さん O社(一部上場・人材ビジネス会社) |
私が法科大学院を志した時期は、現行の新たな司法試験制度に切り替わり、法科大学院への志願者が激増した時期でした。その中で合格し、自宅からも通える範囲で選んだのが、桐蔭法科大学院でした。
桐蔭法科大学院では在学生の多くが社会人でした。社会人になることを経ずに、法科大学院に入学した私にとっては、どこか「大人」の人間関係を作ることができましたし、講義においても、実際に企業の法務担当や法律に関連する業務に携わられている方がどのような考え方をされているのかが垣間見え、非常に興味深くもありました。
私は司法試験の受験は30歳までと決めておりましたので、2回受験をしたところで、就職活動に移りました。その後、ある会社への就職と退職、起業準備等を経て、現在の会社の法務部に就職しました。
現在、法務担当として、和文及び英文の契約書のレビューや作成、M&Aに伴うデューディリジェンス、その他、国内外の新しいビジネススキームの検討や、知的財産に関する紛争対応等も行っています。弊社は、国内外数十社のグループ企業の法務問題も本社の法務で対応しており、業務範囲は多岐に亘ります。
つまり、非常に広範な法的な知識・素養が要求されますし、法務以外にも会計や税制、その他様々な事柄にまで知識や学びの意欲を持っていなければ、業務を行うことはできません。
この点、桐蔭法科大学院で学んだことの多くは現在に非常に役立っています。選択科目に選んだ労働法以外にも、知財法、倒産法など多くの科目を学んだことが業務を行うための糧となっていますし、集中講義で学んだドイツ会社法や調停と仲裁なども、確かに業務に役立っているのです。
今、私が法科大学院を志した時代とは異なり、法科大学院は苦難の時代を迎えています。しかし、法曹になるためのみならず、起業の法務担当の養成という意味においても、法科大学院教育にはなお大きな意味があると考えます。