毎日新聞横浜支局の開局から110周年を記念して、シンポジウム「新時代の教育とアクティブラーニング -これからの中学入試と大学入試」が桐蔭学園シンフォニーホールを会場にして行われました。
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はじめに、溝上慎一教授(桐蔭学園教育顧問、京都大学高等教育研究開発推進センター教授)によって基調講演「なぜ今アクティブラーニングなのか」が行なわれました。
この中で溝上教授はアクティブラーニング型授業とは「従来の講義形式の授業に加えて、議論や発表を重視し能動的な学習姿勢を促す教育」であると説明しました。また、京都大学での自身の研究成果から、高校と大学そして社会を結びつける学習形態の必要性を強調しました。
次に、安田賢治氏(大学通信常務取締役)による講演「高大接続と大学入試」が行なわれました。安田氏は、2020年を機に大きく変わっていく大学入試の概要と、新しい大学入試で問われる力について説明しました。これは、現中学2年生以降の子どもを持つ保護者にとっては非常に関心の高い話題であり、話の途中に真剣な表情でメモを取る保護者の姿も見られました。
また、安田理氏(安田教育研究所所長)が「近年の中学入試の状況と新たな入試問題の傾向」と題した講演を行ない、変化しつつある中学入試について実例を多く示しながら説明しました。中学入試段階でも単に知識を問うのではなく、「思考力」に重点を置いた出題が数多くなされていること、また従来の4科目ではなく合科型、総合型といった新しい形の入試が取り入れられつつある現状が紹介されました。
最後に、3人によるパネルディスカッションが行われ、アクティブラーニングで培われる学びの力やその意義について活発な議論が行われました。会の終わりには「知識レベルに差がある集団の中でのアクティブラーニングの有用性は」といった質問もあり、溝上教授は「教える立場、教わる立場に身を置くことによって学習活動に幅が出て、様々な力の伸長に貢献する」と述べました。
社会が大きく変わりゆく中で、必要とされる学力の形態も大きく変わってきています。新しい時代を生きる力を身につけるためのアクティブラーニングの必要性については、今後ますます社会の関心が高まっていくことでしょう。
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