2019年4月、桐蔭学園中等教育学校は、男女共学として新たな一歩を踏み出しました。
共学化した中等教育学校の学校生活や桐蔭学園の学びについて、岡田直哉校長自身の言葉で皆様にお届けします。3回連続掲載の第1回目です。
―4月に中等教育学校が共学化し、新たなスタートを切りました。まずはその第一印象は
大変シンプルな言い方ですが、「明るくて元気がある」―これが4月の第一印象です。そして、その印象は9月になった今も全く変わっていません。
半年も経つと生徒もいろいろ変わっているはずなのですが、この印象は一貫して変わりませんね。先ほども廊下を歩いて生徒と話をしましたが、元気いっぱいでした(笑)
―男女共学化の経緯について、改めて
本校はもともと男女別学の教育を行ってきました。これはこれで当時の社会的状況に合っていた部分もありましたし、教育的な職責を果たしてきたと思っています。
たしかに男子校においては男子の良さを引き出すことができていましたが、やはり男子だけの環境におけるマイナス面を助長してしまうところもありました。これは女子についても同じことが言えます。
2015年にアクティブラーニング型授業を本格的に導入し、男女分け隔てなくコミュニケーションを取ることの必要性が今まで以上に増してきました。この4月から共学化したことによって、男子の良さと女子の良さがほどよくミックスしていると感じています。
逆に言えば、男子だけの環境や女子だけの環境で出ていたマイナスの部分は消え、お互いを意識してきちんと尊重する方向に向いていると感じます。
―校長は毎月カレーランチ会を開いて生徒と対話をしています。生徒個々の印象はどうですか
カレーランチ会でも、生徒は異口同音に「学校が楽しい」と言っています。なぜ楽しいのかと聞くと、まず「授業がよくわかる」と言います。「わかる」というのはアクティブラーニング型授業や教員のスキルの髙さによるところがあると思います。
そして一人ひとりの生徒と話をしてみても、やはり「明るく元気」という印象が強いです。
この明るさがどこから来るのかと考えると、「入学前から新しい桐蔭学園の学びについてよく知っていた生徒が多いのではないか」という考えに行きつきました。そして、実際に入学してみて、期待通りもしくは期待を上回る学校生活を送れていることに、多くの生徒が満足感を味わっているのだと思います。
また、先ほど休み時間に教室を歩いて回りましたが、生徒と先生たちの様子を見て「お互いが強い信頼関係で結ばれているな」という印象を強く受けました。
生徒と先生の意識がしっかりとマッチングしていること、これは長年の教員経験からすると非常に重要なのですが、これがうまくいっていないと生徒たちは学校生活を面白いと感じることができないのです。
その点、中等教育学校の生徒、教員双方にとって、毎日非常に充実した時間が流れているように思います。
―では、教育の三本柱の1つである「アクティブラーニング型授業」について、生徒の授業の様子も含めて
先ほども言いましたが、2015年にアクティブラーニング型授業を本格的に導入して今年で5年目になります。今まで出てきた問題点や課題をクリアしながら、着実に前に進んでいるという実感を得ています。
本校のアクティブラーニング型授業では、「認知プロセスの外化」つまり「アウトプット」を重視しています。生徒の活動に置きかえると「自分の考えを発信していく」ということです。
この「発信する」「外化する」という点では、生徒たちの積極性は以前にも増して発揮されているように思います。授業中の発表ひとつをとっても、堂々と自分の考えを述べている生徒が非常に多いです。
本校のアクティブラーニング型授業においては、この「アウトプット」がキーワードで、今後はこの部分をさらに深めていくことによって、「深い学び」を展開していきたいと思います。
インタビュー第1回では、男女共学化した中等教育学校の様子や、アクティブラーニング型授業についてお届けしました。
第2回では、教育の3本柱である「未来への扉(探究)」「キャリア教育」についてお届けします。
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