5月11日~12日にかけてアメリカ・ニューヨークの国連本部で行われた高校模擬国連世界大会に、中等教育学校6年の永見大智くんと渡邊玲央くんが出場しました。
中等教育学校の模擬国連部は、創部以来11年間で8回国内予選を勝ち抜き、世界大会に出場しています。今年も日本代表として永見くんと渡邊くんがニューヨークへ。学園Facebookで連日お伝えした様子を奮闘記にまとめました。
◆5月8日 日本時間
高校模擬国連世界大会(ニューヨークで開催)に向かう中等教育学校6年の永見くんと渡邊くんがは羽田空港からニューヨークへ向かいました。今回彼らが担当するのは南米ウルグアイ。
大会に先立ち、中満国連事務次長、国連日本政府代表部、UNICEF、UN Women、JETROなどへの表敬訪問も予定されており、2人にとって貴重な経験になると思います。
大きな期待と少しの不安を抱えて、いざニューヨークへ!
◆5月8日 現地時間
日本時間の8日(火)11時に羽田空港を離陸し、12時間の飛行を経て、現地時間の8日(火)10時(日本時間同23時)にニューヨークに無事到着しました。
ニューヨーク到着後、そのまま最初の表敬訪問先であるUN Womenを訪ねました。UN Womenの担当者の方々からは、「女性の経済的な可能性を広げること」・「女性の活躍を推進する上でのSNSの役割」・「He for Sheキャンペーン(ジェンダー平等のためのキャンペーン)」等について全て英語でプレゼンテーションがありました。
永見くん・渡邊くんは長旅の疲れもある中で大変真剣にプレゼンテーションを聞き、質問も行っていました。明日も引き続き表敬訪問が予定されており、UNICEF本部と国連日本政府代表部を訪問する予定です。
◆5月9日 現地時間
渡米2日目の表敬訪問先はUnicef(国連児童基金)New York本部と国連日本政府代表部の2ヶ所でした。
Unicef(国連児童基金)表敬訪問では、日本人3名の職員の方々が「Unicefの概要について」・「Unicef国事務所の仕事について」・「Unicefが求める人材について」についてお話しして下さいました。
3名の方々全てが自分自身の仕事に「誇りと情熱」を持っていらっしゃることが痛いほど伝わり、永見くん・渡邊くんにとっても人生観・職業観をも考えるきっかけになったことでしょう。
国連日本政府代表部表敬訪問では、模擬国連OBでもある星野大使(次席常駐代表)にお話しして頂きました。
星野大使は、模擬国連とリアルな国連とのつながりを中心に、「模擬国連のおもしろいところは、他の国の大使になりきることで『相手には相手の立場がある』ということを知れるところ」というお話をはじめ、大変熱心に様々なお話をして下さいました。
明日は表敬訪問最終日となり、日本人国連職員最高位であり、日本模擬国連の創設者でもある中満泉事務次長(軍縮担当上級代表)を訪ねた後、JETRO(日本貿易振興機構)New York事務所を訪れる予定です。
◆5月10日 現地時間
渡米3日目の表敬訪問先は中満泉国連事務次長(軍縮担当上級代表)とJETRO(日本貿易振興機構)New York事務所の2ヶ所でした。
中満国連事務次長は日本模擬国連の創設者にして、昨年5月に日本人女性で初めて国連事務次長に就任され、現在の日本人国連職員の最上位の方となります。
なお、この訪問は当日朝9時からのNHKニュース(地上波)で放送されました。(こちらのNHKニュースのURLでご覧になれます。冒頭に両名の姿も映っています)
中満氏は大変熱心に生徒達に語りかけて下さり、予定されていた45分間を1時間も延長して下さいました。
現在担当されている「軍縮」については「今一番困難な問題であり、だからこそやりがいがあり、誰かがやらなければいけないこと」であり、「これまでの仕事で『辛い』と思ったことは一度もない」と仰っていたことが印象的でした。
中満氏はご自身が現在抱えている緊急の課題として、「シリアの化学兵器」・「イランの核合意(アメリカが離脱)」・「北朝鮮の非核化」の三点について大変詳しく、国連が粘り強く取り組むべき道筋について語って下さいました。
まさに「現在進行形」の世界的危機ばかりであり、永見くん・渡邊くんはじめ参加生徒達は真剣な眼差しで聞いていました。
これまで3日間の表敬訪問を終え、いよいよ明日・明後日は国際大会となります。彼らはウルグアイ大使として安全保障理事会の「選挙監視」という議題に臨みます。ぜひ応援して頂ければと思います。
◆5月10日 現地時間
いよいよ国際大会(世界大会)1日目の会議を迎えました。
永見くん・渡邊くんが参加する会議は安全保障理事会で、議題は「選挙監視」です。参加国は11ヶ国20名で、他の日本派遣団の各校が参加している会議に比べ国数・人数が少なく、度々スピーチの機会がありました(午前だけで7回、もちろん全て英語です)。
また、日本の大会と比べて会議手続きの運用がやや異なる中で、瞬時に柔軟な対応ができるなど、まさに「集大成」としての大会に臨む姿勢を随所に感じることができました。
彼らは昼食も会議で知り合った友人達と一緒にとり、その間も今後の会議の流れについてすり合わせを行っていました。
午後からはアンモデレーテッドコーカス(席を立って自由討議)が多くなり、ネイティブのまくし立てるような英語やとにかく自分自身の論点・主張にこだわるといった国際大会(世界大会)ならではの「壁」もあったかと思いますが、それでも2人とも最後まで諦めずに議論を交わしていました。
2人は明日の会議2日目も自分自身のベストを尽くし、「更なる成長の種」を手に入れてくれるはずです。
◆5月11日 現地時間
国際大会2日目が終了しました。
永見くん・渡邊くんの両名は最後までやり抜き、頑張り抜き、投票行動前の渡邊君のスピーチは安全保障理事会のあるべき姿について力強く語る素晴らしいものでした。
Closing Ceremony(閉会式)では、なかなか入ることはできないであろう実際の国連総会議場の席に座り、各国の首脳が演説を行う舞台を目にすることができました。
総会議場には表敬訪問でお世話になった国連日本政府代表部の星野俊也大使(次席常駐代表)がお越し下さり、その後宿舎ロビーにて派遣団の生徒たちへ「人間としての魅力が大切」「この経験をもとに更に自分を豊かにしてほしい」というメッセージ(と一本締め)を頂きました。
永見くん・渡邊くんは「今回の渡米の経験を今後の人生に必ず活かします!」という強い決意を持ってくれており、必ずや次の成長のステップに進んでくれることでしょう。皆様のご声援、ありがとうございました。
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