11月7日(水)、本校にて「アクティブラーニング公開研究会2018」が行われました。
これは、桐蔭学園におけるアクティブラーニングへの取り組みを発表し、全国から集まる教育関係者とその成果や課題について議論を深める会です。2015年に第1回を開催し、今年で4回目となります。
今回のテーマは『「習得」から始まるAL型授業━学習指導要領・大学入試改革のなかで考える授業改革━』でした。
当日は、シンフォニーホールでのオープニングの後に3教科の公開授業が行われ、多くの見学者が訪れました。公開授業は50分間で、その後に授業担当者による授業のねらいと説明および生徒も交えたワークショップを行いました。
公開授業は以下の3つで、参観者多数のため、今回はそれぞれの校舎の体育館での授業となりました。
・数学「1次方程式の利用~食塩水問題に焦点を当てて~」中学1年(男子部)
・探究「国連で販売するグローバル定食を提案する」中等3年
・英語「リスニング教材を活用した言語活動」中等5年
どの教室においても、桐蔭学園のアクティブラーニング型授業でポイントとしている「個⇒協働⇒個」のサイクルと「知識の外化」がなされていました。
この「個⇒協働⇒個」のサイクルとは以下の通りです。
1 授業の冒頭に「本時の目標」を確認し、「今日の授業では何を学ぶのか」を明確にします。また、小テストなどを用いて基礎知識などの習得を確認します。この一連の学習は「個」を中心とした動きです。
2 授業の中盤では、知識を活用してペアワークやグループワークを行う時間帯があります。他者の意見や考え方に触れることにより、自分の意見との共通点や相違点などに気付くことができるほか、グループ内の生徒たちの力でより高次な学びに達することもあります。この一連の学習は「協働」を中心とした学習です。
3 授業の最後には「ふり返り」を行います。授業の冒頭に掲げられた「本時の目標」が、授業を通して定着したかどうかを自分でふり返ります。また、他者の意見などで自分の考えがどのように変化したのかを記録します。この「ふり返り」により「個」を中心とした学びに落とし込みます。
授業後のワークショップでは、生徒と参観者が1つのテーブルでディスカッションをする光景が見られました。参加者からの質問に対して、生徒が授業中や普段感じていることを自分の言葉で表現していた姿が印象的でした。
思考の末に言葉を選び出して答える生徒の姿勢に、アクティブラーニング型授業で培われた「思考の外化=言語化しての表現」の成果が感じられます。
公開授業終了後、会場を再びシンフォニーホールへと移し、国立教育政策研究所の福本徹先生による基調講演「新学習指導要領と授業づくり━アクティブラーニングを成功させるために━」が行われました。
講演の中で福本先生は、新学習指導要領の要点やなぜアクティブラーニングが必要なのかについて丁寧に解説をしてくださいました。
また、「桐蔭学園の取り組み」と題して本校の川妻篤史教育企画室長から本校でのアクティブラーニング型授業への取り組みを報告し、今後の展望と課題について全員で共有をしました。
さらにその後、教室に場所を移しての懇親会が行われ、参加者の方々と桐蔭学園の教員がアクティブラーニングについて様々な話をして交流を深めました。このような機会を通じて本校の取り組みが全国に伝わっていくことは大変嬉しいことです。
「アクティブラーニング公開研究会2018」には、大変多くの教育関係者の方にお越しいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
桐蔭学園でアクティブラーニング型授業を導入して4年目となりました。桐蔭学園の教員・生徒が一体となって「新しい進学校」を目指して授業の改革に取り組んでいます。この公開研究会が参加者の皆様の研究の一助となれば幸いです。
当日の様子をミニフォトギャラリーでご覧ください。
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