2020年3月、新型コロナウイルスにより私たちの生活は一変しました。
この未曽有の危機下において、桐蔭学園は私学としてどうあるべきか、岡田直哉校長の言葉で皆様にお届けします。
今回は、「コロナ後」に桐蔭学園が目指すものについて語ります。3回連続掲載の第3回(最終回)です。
―これからの桐蔭学園の進む道については
次の時代は予測不可能な社会になることを見据えて、桐蔭学園ではそれに対応できる人物を育てることを目標に掲げてきました。そして、今回のコロナウイルスの件はまさに予測不可能な事態であり、今後こういったことはますます起こり得るはずです。
この背景にあるものはグローバル化と高度情報化があるわけですが、これは避けて通れませんし、むしろますます加速していきます。
コロナウイルスの危機がこれらを背景に起こったことならば、これからも似たようなことはいくらでもあることが予測できます。
桐蔭学園が掲げているのは、「自ら考え判断し、行動する」という理念に基づいた「新しい学び」です。
今桐蔭で進めている「アクティブラーニング型授業、探究(未来への扉)、キャリア教育」という教育の三本柱は、これからの時代を生き抜くためには絶対に必要な柱であると再認識しました。
―授業、ひいては学校のあり方も変わっていく
今回この状況の中で、多くの企業は会社に行かなくてもオンラインでできること、逆に会社に行かなければできないことがあることに気がつきました。
学校でも同じで、オンラインでやった方がむしろいいよね、と思えることをたくさん発見しました。一方でこれは学校に来なければできないことだよね、ということもはっきりしました。
そこを色分けし、最も適した形で教育を創りあげていくことが大事だと思います。具体的には、オンライン授業と対面授業とのブレンドがこれから大事になってくると思います。
今回の経緯をふまえ、今年の高校3年・中等6年の夏期講習では、オンライン講習という新しい試みを行なってみようと思っています。そこから得られたフィードバックが、また次の新しい取り組みの足がかりになるはずです。
これも担当教員みずから「オンラインで講習をやってみたい」と手を挙げてくれました。新しいことにチャレンジする気持ちは、大変嬉しいことです。
7月から授業が再開しますが、オンライン授業はこれで終わりというわけではありません。今回のコロナ禍において、オンライン授業を積極的にチャンスととらえるか、ピンチを乗り切るためだけのものととらえるかで、次の新しい学びへの繋がり方が違ってくると思います。
―アクティブラーニング型授業も次の段階が視野に入る
アクティブラーニングという言葉も世間に浸透してきているのですが、今後はその質が問われてきます。「アクティブラーニングって何?」という問いに答えられない学校も意外と多いのではと思います。
その学校におけるアクティブラーニングの定義があるとして、ではどのような人物を育成するためにやっているアクティブラーニングなのか、が語れるか。そしてそれが実践できるようにカリキュラムに落とし込まれているか、が今後大事になってくると思います。
桐蔭学園のアクティブラーニング型授業は外化していくことをメインとして、「個⇒協働⇒個」という授業の流れがしっかりできています。「新しい進学校のカタチ」を目指す中で、さらに進化させていきたいですね。
―先行き不透明な中、受験生へのメッセージは
これからの社会を生きる若者は、未知なるものに対して挑み、いわば地図のない土地を歩んでいかねばなりません。
そのために必要なものは何か。それは「好奇心」に他なりません。
今までのように地図のある場所を歩くだけではなく、地図のない場所を歩いていける力をつけてほしいですね。未知なる場所を歩けるか、もっと言えば、どう歩いていこうと思うか、ということです。
未知なものに対しての好奇心を持っている子が桐蔭学園に入学してほしいと願っています。
インタビュー第3回では「コロナ後」に桐蔭学園が目指すものについてお届けしました。
この未曽有の危機下において、桐蔭学園は私学としてどうあるべきかが改めてと問われたと思います。
「新しい進学校のカタチ」を目指す中で、このコロノウイルス危機が桐蔭学園がさらなる進化を遂げるきっかけになる、と感じさせるインタビューとなりました。
mail koho@toin.ac.jp
TEL 045-971-1411(代表)