6/25クラスを半分に分けての分散HRで、「安心安全な学校」をつくるために、主にいじめ問題に対して「私たちができること」を考えるワークを、アクティブラーニング型授業の流れ「個」→「協働」→「個」で行いました。「子どもたちの意見」を拾うだけではなく、「いじめ問題の専門家はどう問題をとらえているか」「学校はどのような対応をとるか」、すなわち、いじめに対する基礎的な知識・技能も学んで欲しい、という授業です。
「安心安全でない学校」はどんな学校なのだろう?という問をスタートに、いじめとは何か、安心して学校生活を送るためには、具体的にどのような行動をとればいいか考えました。まず、個人の作業で「いじめとは何か」書き出します(個)。その後、グループワークでそれぞれが考える「いじめ」の例を共有し、さらにクラスで共有します(協働)。自分が強く意識しているいじめと、他者が考えていることが違い、そこに気づきが生まれていきます。自分があまり意識していないこと、「自分はされてもいい」と思っていることでも相手はそう思っていないことがある、という他者の視点を学びます。
次に、いじめについての講義。学園の「いじめ防止基本方針」を題材に、「いじめの四層構造論」を学びます。いじめは、加害者と被害者だけではなく、観衆と傍観者を含めた構造の問題であることを教員が解説しました。ここで再び「個」→「協働」。では、私たちは、具体的にどのような行動をとればいいだろう?という問を考えます。
生徒の言葉を拾いながら、再び講義パート。そこでは、「通報者」の役割が大切であること(実際の大人社会でもトラブルの仲裁者になることは難しくても、当事者の代わりに適切な人にSOSを伝える、という方法をとることがありますね)。学校が被害者の立場に寄り添うのは当然として、大人への「通報」は友だちを裏切ることではなく、加害者(たいがいは被害者としての経験あり)を救うことでもある。すべての生徒が安心して過ごせる学校であるために、「私たち」ができることを共有しました。
最後に「①私たちは、他の人をいじめません。②私たちは、いじめられている人を助けます。③私たちは、一人ぼっちの人を仲間に入れます。④私たちは、もし誰かがいじめられていれば、それを学校の大人や家の大人に話します。」宣言をしたあと、ふり返り(個)を行いました。
生徒のふり返りの紹介です。
「今までの自分には、いじめを防ぐ知識が足りなかったことに気づくことができた」
「私の習い事でもいじめがありました。システムになっていました。その時、私は見ているだけでした。その時は悔しかったけど、何人かで止めにかかったら、いじめはなくなりました。今ではその子と一番の親友でいます」
「加害者と被害者を一気に救う方法とは何かを考えることができた」
学校のいじめ問題をはじめ、「ありたい社会」を語るときの主語が、「私」から「私たち」になっていって欲しい、他者と関わり、他者を巻き込んでいく人であって欲しいと願っています。
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