中等教育学校の学びの柱の1つである探究(未来への扉)授業、通称「みらとび」。①課題の設定 ②情報の収集 ③整理分析 ④まとめ表現 ⑤ふり返り の流れで行っています。中等教育学校1年生の「みらとび」4月から12月の様子を紹介する3回目は、2学期の「偉人探究」の④まとめ表現 ⑤ふり返り の紹介です。
桐蔭学園でiPadを導入して、今年で6年目。プレゼン指導の経験値もたまってきました。これまで、子どもたちが最初につくるスライドは、文字だらけ!でした。中等1年のみらとび授業の「まとめ表現」では、最初から「脱 文字だらけ」目指します。
偉人について調べたレポートを箇条書きにし、さらにビジュアル化を試みます。中等5年生のみらとび集大成では、だれもが、カッコいいパワーポイントのプレゼンシートがつくれるようになるでしょう!
どうやって、文章情報をビジュアル化していくのか、その技法を体験的に学びます。まずは、その方法をレクチャーします。
知識や技能は、教わっても使わなければ、身につきません。ここでも大切なのは「外化」です。自分の表現したい内容に対して習得した知識や技能を活用していくところに、学びの真骨頂があります。
手に入れた知識や技能を使ってみると、新たな気づきと、「もっと良くしたい」という気持ちが生まれてきます。
「偉人探究」授業の第8回~9回は、教室での発表練習です。発表メモを作成した後、ペアで発表練習を行います。
発表メモを文章でつくるのか? キーワードのメモでつくるのか? 実際にペアワークでプレゼン練習を行うなかで、経験を積んで、両者の利点・不利点を感じとっていきます。
発表メモに修正を加えながら、よりよいプレゼンテーションを目指します。
さあ、いよいよ大勢の前でのプレゼンテーションです。
10/29(木)は、探究「未来への扉」発表会でした。2学期より進めてきた「偉人探究」の集大成です。舞台は、中等教育学校の1年生と2年生が一緒につくりました。舞台に立つ子どもたちは、みな緊張の面持ちでした。コロナ禍対応もあり、各教室に、合わせて16名程度の生徒が集まり、お互いの発表を聴講しあいます。
合同発表会は、心地よい緊張感に包まれていました。学年・クラスをシャッフルしているので、教室にいる参加者は、初対面が多く、開始前の様子は、新入生登校日に近い雰囲気でした。
全員が一人ひとり「舞台に立つ」経験を得られたことが、まず素晴らしいことでした。良い学校には「点から面」、「伸びしろが見える雰囲気」がある(京都大学の石井英真先生)そうです。1年生と2年生が同じ場で交互に発表したことで、1年生は、伸びしろを感じられたのではないかと思います。そういう学校に近づいていきたいです。
2年生の発表では、データを分析する場面がどの生徒にも設定されていたのですが、図表を用いて自分の意見を補足していく手法に、引き込まれていたように感じました。1年生も、本の中から得られた客観的な情報を再解釈して「自分の伝えたい」思いにつなげていくという点で、よく頑張っていたと思います。
みらとび発表会は「点から面へ」の実践であり、それぞれが伸びしろを感じられる、成長につながる「舞台」であったと感じました。
生徒会・広報委員会では、みらとび発表会で素敵な発表をしてくれた先輩や友人に、インタビューを行いました。(生徒担当:M.O M.N M.M H.T)
Q「調べたり、プレゼン準備をする上で何に苦労しましたか?」
A「必要な本を探し出すことでした」(K.Uさん)
A「スライドを作る時に相手がどうやったら見やすいか考えて作ることです」(E.Fさん)
A「スライドを見やすくするため、スライドの文字を減らすのに苦労しました」(A.Nさん)
Q「実際に発表してどうでしたか?」
A「思ったよりしゃべることができなかったけど、みんながしっかりと聴いていてくれたり、質問をしてくれたからよかった」(K.Uさん)
A「先輩や他クラスの人が多く、緊張しました。うまくできているか不安でした」(E.Fさん)
A「言葉選びを失敗したところなどがあり、そこを改善したいと思いました」(A.Nさん)
11月、担当する中等1年のクラスで、みらとび発表会のふり返りを行いました。「すごい」と思った発表について、ポイントを言語化して、来年の自分の「ありたい姿」をイメージしてもらいました。
多くの生徒にのふり返りに「他者」の存在がありました。「1年生の共感を得られる発表ができる」「みんなの興味をひく、自分だけのテーマ」「なるほどと言われる発表会になっている」など。
ふり返りは、慣れないうちは、態度的なもの、さらには、発表する「自分」に視点が行きがちです。本当は、テーマや発表内容に言及してほしいし、発表の言葉が相手に届いて、「おもしろい」を共有したという「学びの場」を追求したいと思っています。うれしいことに、1年生でもクラスの3分の1の生徒に、その気づきが生まれたようです。みらとびは、毎年続きます。「学びが楽しい」「共有したい」という想いがどんどん広がっていく予感がします。
当日の様子はこちらでも紹介しております。https://toin.ac.jp/timeline/gakuen/23407/
他学年の様子はこちらからどうぞ。https://toin.ac.jp/timeline/gakuen/23548/
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