2019年4月に男女共学化した桐蔭学園中等教育学校。さまざまな教育活動を展開する中、2021年4月に日本初のプロジェクト「15歳のグローバルチャレンジ」が始動します。
今回はこのプロジェクトを担当する橋本雄介主幹教諭に、「15歳のグローバルチャレンジ」の狙いについて聞きました。2回連続掲載の第2回です。
※この記事は2018年7月に掲載した記事を再構成したものです
―6年一貫校である中等教育学校の、3年次に行うことに意味がある、と
「3年生」が一番大切な学年だと思っています。6年一貫校ですから、高校受験に特化した反復学習をする必要がありません。
この時期に、生涯学び続ける姿勢に必要なジェネリック・スキル、つまり変化する社会においてどんな時にも発揮できる能力・スキルを身につけることが必要なのです。
今まで学んできたことがどのようなことなのか、それが自分の将来や世界とどのようにつながっていくのか、ということを3年次に考えるということなのです。
そして、会議の議事進行などではできるだけ英語を使っていきたいと思っています。
15歳までに学んだことが、この「15歳のグローバルチャレンジ」でいったん集約される。そして、4年以降の学習へと広がりを持っていく。
そういった意味でこの3年生が「まなびの交差点」になるようにしたいと思っています。
「15歳のグローバルチャレンジ」には「探究」はもちろん、本校の教育の3本柱である「アクティブラーニング型授業」「キャリア教育」の両方の要素も含まれているので、桐蔭学園の教育を体現する活動になると信じています。
―後期課程(4年~6年)への接続という点では
先ほども話したように、4年、5年の探究の授業で「自分で問いを立てる」という点に大きく影響を与えると思っています。
もう1点は、世界をより深く知る、という中で、「世界の中での日本」あるいは「日本の中で暮らす自分」というものがより客観的に見えてくる、という点です。
それによって、「自分」という存在を、どのように意味づけしていくかということを多くの生徒が考える機会になると思います。
「自分」の命の意味を自分のことばで、期待を込めて話せる大人がどれだけいるでしょうか。
桐蔭学園中等教育学校は、先の見えない複雑な未来を受け入れて、それに対して明るいまなざしで立ち向かえる18歳が巣立つ学校でありたいと思います。
―「15歳のグローバルチャレンジ」、もともとは生徒自身の企画から生まれたと聞いています
このプログラムの大元になっている模擬国連部の活動も、もともとは生徒自身が課題研究という探究的な学習の中から自発的に生まれたものです。
発端はその1年ほど前に行われた宿泊行事での総合学習行事「なろう☆国連大使」という企画でした。
国際理解とプレゼンテーション力を向上させるための学習企画だったのですが、その小さな種が十数年の時を経て大きな木に育ってきたのです。
―桐蔭学園を志望する受験生への期待もお願いします
新たに中等教育学校に入学してくる生徒には、ぜひ自分に大きく期待してほしいと思います。
この「15歳のグローバルチャレンジ」という授業に興味を持って桐蔭学園を受験してくださる方もいると聞いています。
桐蔭学園で学ぶことの楽しさを味わい、学ぶことで自分が更新され、成長していく実感を得てほしいと思っています。
(完)
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