2/1(火)、いよいよ中等教育学校の入試が始まりました。本日は午前、午後両方の入試が実施されました。
〇中学受験の意味?
毎年、桐蔭学園では中等5年生・高校2年生を対象とした、5人の著名な卒業生によるパネルディスカッションを開催しています(コロナ禍の中では開催できていませんが)。
その中のお1人は、桐蔭に在籍していた6年間、周囲の森林に入っては虫を採集し、その名前を覚えたそうです。また他の方は、3年間で相撲関係の本を400冊読破したそうです。
そして、このお2人は口をそろえて「中高時代の経験に無駄なものなど一切ありません」と断言されます。
教員としての経験の中で、次のようなことを口にする生徒にしばしば出会います。
「今やっていることに何の意味があるのかわからない。無駄だ」
先のお2人は、虫の採集をしているとき、相撲の本を読んでいるとき、果たして「意味がある」と思っていたのでしょうか。「将来役に立つ」と信じていたのでしょうか。
たとえば修学旅行や合宿などの学校行事。それが現在進行形で行われている間は、その意味などわからないでしょう。
現役の小学生に「小学校生活の意味は何か?」などと尋ねてもわかるはずがありません。
今やっていることの意味は、今はわからない。すべてが終わったとき、初めてその意味がわかるものなのだと思います。
ただ、意味がわかるようになるためには、そのことについてふり返ることが必要。あることを「体験」したら、それをそのままにすることなく、しっかりとふり返る。
こうすることでその「体験」が「経験」となり、自分の中に蓄積されます。「体験」をそのまま放っておくと、蓄積されずに消え去ってしまいます。体験が、それこそ「意味のない」ものになってしまうのです。
中学入試の真っただ中にいる受験生には、なかなかその意味はわからないもの。それでよいのです。大切なことは、すべてが終わったときに、しっかりとふり返りをすることです。
中学受験を「体験」したことで自分はどう変わったのか。これを自覚することで、中学受験の「体験」が「経験」となって蓄積されます。
それが成長です。
本日受験してくださった受験生の皆さん、保護者の皆さま、ありがとうございました。
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