2017年4月、桐蔭学園中学校・高等学校・中等教育学校の第4代校長に岡田直哉が就任しました。就任にあたり、桐蔭学園の教育方針や創立50周年の「次の50年」に向けての取り組みなど、3回にわたってインタビューをお届けします。
―まずは校長自身についてお聞かせください
桐蔭学園中学校・高等学校を経て、1984年に中央大学文学部に入学しました。卒業後、1988年より桐蔭学園の国語科教員として勤め、現在に至ります。2017年4月より桐蔭学園の新しい校長に就任しました。
―なぜ桐蔭学園に戻って教員になったのですか
桐蔭学園で6年間過ごしたので、桐蔭学園に何か恩返しをしたいと常々考えておりました。自分自身教員志望でもあり、桐蔭学園の先生を見てきたのでそれに対するあこがれと、桐蔭学園に貢献したいという気持ちがあったことが一番大きな理由です。
―桐蔭学園の基本的な教育方針についてお聞かせください
桐蔭学園は2014年に創立50周年を迎えました。最初の50年とこれからの50年は大きく変わっていくべきだと考えています。たとえば最初の50年は「生徒を鍛えていく、頑張らせようとする」というのがキーワードだったと思います。
これらはもちろん重要なことではありますが、次の50年を見据えたときに世界がどう変わっていくのか?ということを考えることが大事になります。そうなるとキーワードは「グローバル化」「多様性といった中でどう生きていくか」となります。
このような時代になった時に、果たして今まで桐蔭が培ってきたものだけで対応できるかどうか、という課題に現在は直面しています。
次の50年は「多様性」が求められる中、生徒が自分自身でその世界とどう折り合いをつけながら生きていけるか、ということが求められていると思います。そのような中でしっかりと生きていく力を身に付けてほしい、ということが私の願いです。今回発表した学校再編成も、ますます多様化する社会で生きていくために必要な、主体性を持って人々と協働して学ぶ能力を醸成する、という理念を実現するための教育力を強化するべく、より多様性を備えた学校を目指したものなのです。
―次の50年を任された校長として、力を入れて取り組みたいことは
学びの核となっているのがアクティブラーニング(AL)型授業ですが、それ以前からも自ら考え、そして判断し行動できる子どもたちの育成というビジョンを掲げています。そのような生徒を育成するのがAL型授業ですが、これを中心とした新しい学びを積極的に推進していくことが私の責務だと思っています。
―教員生活を通して、自身が変わった点は
新任の若いころは無我夢中で、生徒に近い存在でありたいということが自分の望みでした。生徒の良き理解者であり生徒目線で物事を見ていたいと思っていました。
しかしだんだんと生徒にとって兄弟的な年回りから、少し上の先輩的な存在になり、生徒の父親ぐらいの年齢になってきました。そうなると常に生徒目線でいたいと思っても無理が生じてきます。
そこで自分がどういう父親でありたいか、あるいは生徒に対して父親目線でどういう風に語りかけることができるかというように考え始めたのが現在の私だと思います。ですから私の教師としての経験と年齢によって生徒とのスタンスの取り方も変わってきたかなという実感があります。
―座右の銘、教員生活で大切にしてきたことは
「闊達」(かったつ)という言葉が大好きです。自由闊達の「闊達」です。小さいことにあまりこだわらす、大局を見据えて行動しようというふうに解釈しています。常に意識しています。でも、そうありたいと願っているということは、そうなっていない自分がいるのかもしれませんね。
(vol.2へと続きます)
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