10月28日(土)に「アクティブラーニング公開研究会2017」が行われました。
これは、桐蔭学園におけるアクティブラーニングへの取り組みを発表し、全国から集まる教育関係者とその成果や課題について議論を深める会です。2015年に第1回を開催し、今回で3回目となります。
今年はアクティブラーニング型授業を導入して3年目を迎え、全学年がアクティブラーニング型授業を実践する体制へと移行しました。桐蔭学園の改革の中心となるアクティブラーニング型授業の実践と、探究授業、キャリア教育を合わせた今後の展開について活発な議論がなされました。
公開授業では、6教科11講座の授業が行われ、各教室には多くの見学者が訪れました。公開授業は75分間の中で「1.授業担当者による授業のねらいと説明」「2.授業(50分)」「3.生徒と参観者の質疑応答」を行います。
生徒と参観者の質疑応答では、参加者からの質問に対して、生徒が自身の経験を踏まえながら、言葉を尽くして答えている光景が印象的でした。アクティブラーニング型授業の中では「思考の外化=言葉にして表現すること」が重視されますが、普段の授業の成果を如何なく発揮していると言える場面でした。
本校のアクティブラーニング型授業では、「個⇒協働⇒個」のサイクルをひとつの「型」として授業を構成します。
1 授業の冒頭に「本時の目標」を確認し、「今日の授業では何を学ぶのか」を明確にします。また、小テストなどを用いて基礎知識などの習得を確認します。この一連の学習は「個」を中心とした動きです。
2 授業の中盤では、知識を活用してペアワークやグループワークを行う時間帯があります。他者の意見や考え方に触れることにより、自分の意見との共通点や相違点などに気付くことができるほか、グループ内の生徒たちの力でより高次な学びに達することもあります。この一連の学習は「協働」を中心とした学習です。
3 授業の最後には「ふり返り」を行います。授業の冒頭に掲げられた「本時の目標」が、授業を通して定着したかどうかを自分でふり返ります。また、他者の意見などで自分の考えがどのように変化したのかを記録します。この「ふり返り」により「個」を中心とした学びに落とし込みます。
公開授業の後には、ワークショップ(授業後の研究協議)を行いました。これは、参加者が「いいね!(公開授業でよいと思ったところ)」「深い学びについて」「授業担当者への質問」「ふり返り」を色の異なる付箋に書き出し、グループごとに共有します。グループ内で共有したら、次は全体に対して発表し、授業担当者が回答を付け加えます。
このワークショップにおいても、参加者「個」人の感想をグループごとの「協働」作業を通じて全員で共有し、参加者ひとりひとりが「個」別の捉え方で自分自身に落とし込んで持ち帰っていただくことができました。
公開授業終了後、シンフォニーホールに会場を移し、児美川孝一郎法政大学キャリアデザイン学部教授による講演「キャリア教育は、どこでアクティブラーニングと出会うか?-これまでの点検から、新たな創造へ-」が行われました。
講演の中で児美川教授は、学校におけるキャリア教育の役割とその進め方について、アクティブラーニングとの関係性に触れながら解説をしてくださいました。
また、「アクティブラーニング推進3年目の目標とこれまでの歩み」と題して本校の福田周作教諭から本校でのアクティブラーニング型授業への取り組みを報告し、今後の展望と課題について全員で共有をしました。
その後、場所を食堂に移して懇親会が行われ、参加者の方々と桐蔭学園の教員がアクティブラーニングについて様々な話をして交流を深めました。このような機会を通じて本校の取り組みが全国に伝わっていくことは大変嬉しいことです。
「アクティブラーニング公開研究会2017」には、大変多くの教育関係者の方にお越しいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
桐蔭学園でアクティブラーニング型授業を導入して3年目。溝上慎一教育顧問と桐蔭学園の教員・生徒が一体となって授業の改革に取り組んでいます。この公開研究会が参加者の皆様の研究の一助となれば幸いです。
mail koho@toin.ac.jp
TEL 045-971-1411(代表)