― 担任としてやりがいと悩みは
よく褒めて、よく叱ることを心がけています。叱った生徒にその日のうちに褒めることもあります。すると、叱られたとしても見守られている、という安心感を持ってくれるようになるのではないかとは思います。
一方で、子ども扱いはせず「小さな大人」という感覚で接しています。担任を持つと保護者の存在が大きいので、特に家庭訪問等で家庭環境を知ると、生徒一人ひとりに掛ける言葉も変わってくるように思います。
生徒たちは心身ともに変化の著しい時期なので、彼らの変化を身近にみられるところが自分自身の勉強になります。アドバイスによって、ついてこられる場合、乗ってこれない場合など、自分の言動がすぐに結果に表れるので、自分自身やりがいを感じるところです。
― 担任として2年目。昨年との違いは?
昨年は自分が主動になってクラス運営をやっていました。が、自転車の補助輪を外していくように、生徒が主動で行えるようにしていきたいです。クラス会議では学級委員を中心にしてコラボベートのように議論の中でクラスで納得度の高い話し合いができるクラスになってもらいたいと思います。
また、アクティブラーニングにも関係することですが、話す時間と聞く時間の切り替えの頻度が増えたので、けじめをつけるという点で生徒たちは成長していると思います。
自分のクラスを授業でも担当しているのですが、1年生の時は生活指導も必要なので、少し厳しくする面もあったので、授業の形としてはうまくいっていても、発表の声が小さかったり、相手に伝えようという気持ちが不足していたりして盛り上がりに欠ける面もありました。
2年目になって、どの子も自分の考えを発信することへの躊躇がなくなってきて、活発な意見交換が行われるようになってきました。そこに生徒の変化を一番感じます。
― 松永先生の中学時代はどんな生徒でしたか?
明るい文学おたく(笑)。名古屋の私立中高一貫男子校でした。その経験があるので、今の生徒の振る舞いには慣れていると思います。図書館で本を読んだり、小説を書いてみんなに読んでもらったりしていました。
― 印象的な行事は?
夏にふんどしで伊勢湾で2キロの遠泳を行う行事です。終わった後に赤福をもらえて、甘いものが好きになりました。
― クラブ活動は
卓球部でした。中高一緒に同じ体育館で。高3までやってました。(卓球部の顧問である)現在につながるとは、当時は全く思っていなかったです。
― 自身の国語の授業に対する取り組みは
国語は好きだったのですが、「100マスコメントシート」というのがあって、小説の続きを書いてみたり、要約を書いてみたりして、次の授業の冒頭で紹介されて、それに載るのが嬉しかったです。今教員という立場になり、生徒の書いた作品や素材を中心に授業に展開していこうという姿勢もその当時の自分の経験から来ています。
― 今と自分の頃の中学生が変わらないなあ、と思うところは
ゲームが好きなことや、中学生がしがちな失敗などは生徒たちと変わりませんね(笑)
2回に分けてインタビュー「フロントランナー」Vol.2をお届けしました。松永教諭のアクティブラーニングに対する強い思い、生徒について語る時の優しい表情が印象的でした。
今後も「フロントランナー」では、桐蔭学園の「旬の人」をテーマにインタビュー記事をお届けします。
※このインタビュー記事は平成28年3月と7月に2回に分けて行ったものを編集したものです。
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