中学校男女と中等教育学校では、毎週月曜日6校時に道徳の授業が行なわれています。10月24日は、中学男女2年生と中等2年生全員が桐蔭学園シンフォニーホールに集まり、直木賞作家の朝井リョウ氏を招いての合同講演会を実施しました。
朝井氏は、「桐島、部活やめるってよ」で作家デビュー、「何者」で直木賞を最年少受賞された人気作家です。ステージ上には、朝井氏のほか大学時代からの友人である学年国語科の松永教諭、そして各校代表の男女2名ずつが着席し、パネルディスカッション方式で「14歳の君たち、14歳だった私たち」というテーマで語っていただきました。
「いまの自分、大人の自分、どうつながっていくのだろう?」「自分らしさとはなんだろう?」といったことに関して語られる朝井氏の話は自然で、しかも言葉を慎重に選んでいる感じは無いのに極めて適切なわかり易い言葉で話されるところに、「作家」というものの力を感じさせられました。生徒たちに対する事前アンケートの結果なども紹介され、14歳を分析する興味深いプログラムともなっておりました。
ちょうど中2生徒たちの14歳前後は、さまざまな壁にぶつかる時期であり、大人になってその頃が最も大切な時期と感じる一方で、生徒たちにとっては学習や部活動などに追われ、あっという間に過ぎ去る時期でもあります。
大人になってから思えば、中学時代はいろいろなことに反発し、夢が幻になって大きな壁が出来始めたり、勝手にクラス集団の中に序列を作り出し周りを気にするようになったりするなど、小学校時代とは大きく変わる多感な時期です。
今日の生徒たちが14歳の今を考えるきっかけになってくれればと願っております。「言葉は武器だ」という朝井氏のメッセージはしっかり伝わったのではないかと思います。また、学年教員たちからも、こういう多感な時期の生徒を預かっていることをあらためて意識させられたという声が聞かれました。
朝井さん、本当に有難うございました!
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