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高校共学1年生登校日

桐蔭学園では、6月中はオンライン授業を継続しながら分散登校を実施しています。4日(木)、5日(金)、8日(月)は、高校共学1年の3つのコースがそれぞれ登校しました。

4月に入学式を行い、そのまま自宅学習(オンライン授業)に入りましたので、今回が2度目の登校となります。

前後左右の間隔を十分にとり、全員がマスクを着用してのホームルームです。入学式の日には慌ただしくてできなかった「自己紹介」。

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その後はやはり十分に間隔をとった上でペアワーク、グループワークを行いました。桐蔭に入学してから実質的に初めてクラスメートを話をすることになります。

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自宅学習期間中、ほとんど外出もせず、友だちとも話をしていなかった生徒がほとんどです。みんな、友だちと話したくてウズウズしていたんでしょうね。

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「クラスの雰囲気がすごく良かった」「久しぶりに人と話して楽しかった」「話しやすそうな人ばかりで安心した」「みんなと話ができるのが学校の醍醐味だと思った」「次回の登校日が楽しみになった」━あるクラスのふり返りから。

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クラスメートとワークをし、やっと高校生になった実感を得たという生徒も多かったようです。 コロナ問題が1日も早く終息し、彼ら彼女らに桐蔭学園での高校生活を思い切り楽しんでほしいと心から願っています。

 

オンライン父母会・保護者会

桐蔭学園では毎年この時期、第1回の父母会・保護者会を行っています。例年は保護者の皆さまに学校までお越しいただき、シンフォニーホールでの説明やクラス懇談会を行うのですが、今年は新型コロナウイルス感染予防の観点からオンラインで実施することにしました。

6/6(土)は、高校共学2年生の保護者会です。YouTubeの「限定公開」によるライブ配信という形で行いました。司会の香川高校部長。

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私(岡田)からのご挨拶の後、末包学年主任による説明へと進みます。実際にシンフォニーホールからのライブ中継です。

本来はこの客席に保護者の皆さまにお越しいただくはずなのですが…。

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スクリーンにスライドを映し出しながらの説明です。学年の指導方針やこの自宅学習期間の過ごし方について詳しくお話ししました。

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配信画面ではホールスクリーンが映し出され、説明の音声が流れます。

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この後、各クラスごとに担任による説明動画が配信されました。

桐蔭学園では、たとえコロナ問題の中であっても、生徒の学びや保護者の皆さまとのコミュニケーションを決して途切らしてはいけないとの思いから、さまざまに工夫を凝らしながらチャレンジを続けています。これらのチャレンジによって、コロナ問題が終息した後、ひょっとすると「新しい何か」が産み出せるかもしれません。

そう考えると、少しワクワクしてきます。

 

中等1年生初登校

6/3(水)は中等1年生の登校日。4月の入学式は新型コロナウイルス感染防止のためオンラインで実施、その後もオンライン授業が続いていましたので、入学後初めての登校となりました。

エントランスが「密」にならないよう、時間差で入ります。並ぶ際もご覧のように間隔を空けて。

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下足場にはマスク着用を呼びかける掲示と手指消毒液。

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また、靴底を消毒するための消毒用マットも設置してあります。この写真は別の校舎のものですが、このようにジョウロで消毒液を染み込ませて使います。

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家を出る前に検温してくることになっていますが、できなかった生徒のために、サーモメーターを持った先生が廊下に控えています。

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教室ではまず最初に「健康管理フローシート」を記入。その日の体調をチェックします。今後、毎日これを記入し、登校日のたびに提出します。

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いよいよ初めてのホームルームです。ただし、こちらも「密」を避けるため、1クラスを2グループに分けての実施となります。

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ご覧のように、先生はフェースシールド&マスクを着用。

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初めてのホームルーム、生徒たちはさすがに緊張気味です。本来であれば、この日はさまざまなワークを通じてクラスメート同士で積極的にコミュニケーションをとってもらうはずなのですが…。この状況下では仕方ありませんね。

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桐蔭学園では、授業の始まりと終わりに「黙想」をします。これは創立以来の伝統となっているもので、休み時間との気持ちの切り換えを目的としています。その練習もちょっとしてみました。

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まだまだ通常の学校生活からはほど遠い活動量ですが、少しずつ「日常」に近づいています。新型ウイルス対策を万全にしながら、生徒たちのためにいかに充実した学校生活を提供することができるか。私たちの工夫と頑張りが試されます。

 

2か月遅れの入学式

新型コロナウイルス感染症の拡大により、当初4/8(水)に行う予定であった高校男子部・高校女子部の入学式が、6/2(火)、約2か月遅れで挙行されました。女子部は9:30、男子部は11:00の開式です。

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感染防止のため、新入生と教職員のみが参列、保護者の皆様にはオンラインによるライブ中継をお届けしました(男子部の後半、中継が途絶してしまい、申し訳ありませんでした)。

ご覧のように、新入生同士の間隔を広く取り、全員がマスクを着用、シンフォニーホールの扉を開放して換気に努めています。

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私(岡田)からの告示です。

「今回のコロナ問題は、確実に歴史的な転換期になります。この時期に高校生になるということ、高校生として生きるということの意味を考えてください。どんな未来を作りたいか。それを一緒に考えていきましょう」

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続いて、溝上理事長からの祝辞です。

「皆さんは、将来予想不可能な世界を生きることになります。そしてまさに今、予想のつかない問題に直面しています。桐蔭学園の5つの建学の精神、そして新しい学びを通じて、これらに立ち向かえる力を養ってください」

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最後は新入学者代表による「誓いのことば」。女子部代表は伊藤華那さんです。コロナ禍の中、決して悲観することなく、前向きに高校生活を送る意志を語ってくれました。

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男子部代表は藤井直人君。桐蔭学園中学校での3年間にひと区切りをつけ、新たな気持ちで高校生活をスタートさせる決意を語ってくれました。

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今回の入学式は生徒の登校が再開する初日に行われました。6月中は分散登校となる桐蔭学園で、この日登校したのはこの新入生たちだけです。中学校からの進学者(内進生)である彼ら彼女らが登校するのは、実に3か月ぶりとなります。

本当に久しぶりに生徒が学校に戻ってきました。やはり生徒のいる学校は素晴らしいものです。そして、久しぶりに見る生徒たち、随分大人っぽく成長していました。式の最中は何度も胸に込み上げるものを感じました。

今回の入学式は私自身にとって、生徒たちにしっかりと寄り添っていく覚悟を新たにする機会となりました。「当たり前の日常」が一歩近づいたこの日のことを、決して忘れることはないでしょう。

 

この時期、考えて抜いて~卒業生・早見和真さんの新聞への寄稿から

5/22(金)付の朝日新聞朝刊に、小説家・早見和真さんの寄稿が掲載されています。早見さんは桐蔭学園の卒業生で、高校時代は硬式野球部に所属していました。

デビュー作である『ひゃくはち』は名門高校野球部の補欠部員を主人公としたもので、のちに映画化されました。また、2015年に日本推理作家協会賞を受賞した『イノセント・デイズ』(岡田注:これは本当に面白い! 引き込まれます)はWOWOWでドラマ化されています。

今回の寄稿は、夏の甲子園大会が中止になったことを受け、ご自身の経験をふまえての高校球児、特に三年生へのメッセージとなっています。

早見さんが高校三年生の春、桐蔭学園はセンバツ大会に出場しました。しかし、そのわずか二か月ほど前、阪神淡路大震災が起きていました。甲子園での開催が危ぶまれ、代替地での開催がウワサされるようになると、「そのときになってはじめて僕は自分が『高校野球の全国大会』を目指していたわけじゃないのだと知った」━━甲子園に憧れていたことに気づいたのです。

結果、その年のセンバツ大会は甲子園で開催され、「(甲子園は)補欠の僕にも多くの景色を

見せてくれた」といいます。「だから、球児の甲子園に憧れる気持ちには寄り添えたとしても、それを奪われた人間の思いは代弁できない」「誰も答えめいたものさえ導き出せない出来事にいまの高校三年生は直面しているのだ」。

そして、早見さんは「最後の甲子園に憧れて」いた球児の立場や思いは一人ずつ違うとした上で、「この夏の正解」を「自分の頭でひねり出し、甲子園を失った最後の夏と折り合いをつけてもらいたい」と訴えます。

最後は、野球部に限った話ではなく、「この年に高校三年生だったことの意味を考えて、考えて、考えて、考えて……」「そうして考え抜いた末に導き出す、僕たちには想像もできない新しい言葉をいつか聞かせてほしいと願っています」と結んでいます。

我が意を得たりの心境です。早見さんの引用ばかりになってしまったのはそのためです。

最後の大会を失ってしまった高校三年生たち。彼ら彼女らにどんな言葉をかければよいのか。このような経験をしたことのない私たち現代の大人が、どんな慰めじみた言葉をかけたところで空虚に響くだけでしょう。

以前、桐蔭生へのメッセージ動画でもお話ししましたが、新型ウイルス問題の渦中にいるまさにこの時、自分は何を思ってどう感じているのかを、のちの自分のために胸に焼き付けておくことが大切だと思っています。そして、まさに、皆さんが考えていること感じていることを、未来の自分のために、そして未来の世界のために活かしてほしいと願っています。

早見さんの寄稿の中で、私にとって最も印象的だった部分━━「どの大人も経験したことのない三年生の夏を過ごすすべての高校生が、十年後、二十年後の社会の真ん中に立ち、新しい言葉と考えを武器に次々と何かを打ち出しているべきだと思っている」━━桐蔭生の皆さんは先輩のこの言葉、どのように受け取りますか。

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※早見さんの最新刊『ザ・ロイヤルファミリー』。この時期の読書にいかがですか。

 

新緑から深緑へ

3月2日から生徒たちが自宅学習となり、早2ヶ月半が経ちました。季節は、まだまだ肌寒い早春からうららかな春を経て、新緑へと移り変わりました。

今週に入ってからは急激に気温が上昇し、一気に初夏を思わせる陽気になっています。校長室から見える木々も、新緑から深緑へと模様替えをはじめました。

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「生徒たちが登校していたら、『熱中症にならないように水分補給を』と呼びかけていたのだろうな」などと想像しています。また、「この素晴らしい晴天の下で、学園生活を楽しんでほしかったな」という想いも。

新たな感染者数は減少傾向にありますが、まだまだ油断はできません。生徒の皆さんには、「登校したら〇〇したい!」という想いを巡らせつつ、オンライン授業に取り組んでほしいと願っています。