今年も学園内の桜が美しく咲いています。
「世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」という在原業平が詠んだ歌を思い出さずにはいられない日々です。特に昨日のように一日中雨が降り続き、風も強く吹いていたりするとなおさらです。
いわゆる「桜の名所」の桜もたしかに美しいのですが、私は普段見慣れているところに咲く桜にこそ魅力を感じます。その桜が他の季節に見せる別の「顔」を知っているからです。
美しい花をつけているのはわずかな間、その後花は散り、葉桜となります。やがて葉が枯れ落ち、冬にはごつごつした枝だけの姿となります。この周期を見ているからこそ、満開の桜がひときわ美しく感じられるのです。
生徒も同じです。クラブ活動の大会や課外活動で成果をあげた生徒たち、あるいは大学受験で希望を叶えた生徒たちは本当に輝いています。私たち教員は、彼ら彼女らがそこに至るまでにどれだけ努力を重ねてきたかを知っています。だからこそ感じることのできる輝きなのだと思います。