今年は、7/31に中等教育学校1年生の1学期が終了します。4月からの1年生の生活をふり返ります。
4/7(火)入学式がオンラインで行われました。直前まで、新入生と保護者が安全に列席できる方法を探っていたのですが、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、オンライン中継での入学式になりました。
新入生オリエンテーションなどもすべて中止になる中、式に合わせ、担任・副担任で新入生一人ひとりに電話をかけて、簡単な挨拶とクラス発表を行いました。入学式の日の午後には、政府から緊急事態宣言が発令…。記憶に残る入学式になりました。
全国一斉の臨時休校という社会状況の中、「学びを止めない」こと。アクティブラーニング型授業を全国に先駆けて進めてきた桐蔭学園だからこそできるオンライン授業・オンラインHRの模索が始まりました。
しかし、新入生は、まだ一度も登校していない状態。連絡手段は、保護者のメールアドレスと電話番号だけの状態から、いかに早く中学生の学びを立ち上げるか。そして、子どもたちをどのように導いていくか。「ありたい姿」と「そのために何ができるか」を学年スタッフで共有しました。
まず、私たち教員自身が「どうありたい」かを共有しました。「笑顔でいられる状況を作り出したい」「安心できる空間づくりをしたい」「人の話を親身になって聞ける人でありたい」など、それぞれの思いを言葉にしました。
次に、このコロナ禍の中で、新1年生4~5月の「ありたい姿」を共有しました。
「規則正しい生活をしている。朝起きている」「中学生として一歩踏み出す。走り出している」「期待をもっている」「自信を持っている」「計画を立てられる」などがあげられ、そのために、何をしていくか考えました。「ねらいの先の願い」を一緒に考えることで、力が沸いてきた気がしました。
まずは、学園が導入しているアプリケーション「Classi」の開通を目指しました。しかし、全国的にオンライン需要が急増する中、システム障害が相次ぎました。
思うようにコミュニケーションが取れない状況が1週間続き、学校はさながらサポートセンターのようでした。並行して、学校貸与iPadの送付作業を急ぎます。精
密機器運送用の段ボールをすぐに手配し、iPadがNTTドコモから届いたその日に、学年教員で梱包、送付しました(4/24(金))。
4/13(月)から、学園公式ウェブサイトでバーチャル登校企画をスタートさせました。生徒との通信がままならない中、すこしでも学校の雰囲気を伝えようと、学年教員で始めた情報発信企画です。
学習に関しては、Classiとメール配信を併用して、1日1時間程度の学習指示を出し、並行して、今後の活用が見込まれる「ロイロノート・スクール」や「すらら」などのアプリケーションの設定を、順次行っていきました。
リンク https://toin.ac.jp/timeline/gakuen/21197/
リンク https://toin.ac.jp/timeline/gakuen/21248/
リンク https://toin.ac.jp/timeline/gakuen/21215/
リンク https://toin.ac.jp/timeline/gakuen/21342/
生徒自宅PCを利用したオンラインHR・授業が4/24まで続きました。この間、1日2時間程度の学習指示と、「ロイロノート・スクール」を利用した双方向コミュニケーションが始まりました。
4/27(月)生徒の手元にiPadが届きました。iPadアプリケーション「ロイロノート・スクール」を利用した朝HRの様子です。毎朝、教員のオンラインミーティングの後、生徒に「朝のHR」を配信しました。
毎朝8:20、担任の先生に「出席カード」を送ります。在宅でも学校生活が始まりました。「子どもの生活リズム」がオンライン期間の重要な課題でしたが、ほとんどの生徒が毎朝のHRに参加できていました。
朝のHRでは、まだお互い顔を知らないクラスメイトに、毎朝の「お題」を通して、少しずつ自己開示をしていきます。画面のようにクラスメイトが提出したカードが共有され、みんなが見ることができます。
この日は、もし「どこでもドアがあったら?」でした。「ハワイ」など観光地をあげるクラスメイトに混じって「学校」「友達のところ」「外国にいる父」「2次元」などの言葉が共有されます。
自分がカードを提出すると、友達がどう書いているのか気になります。友達がどう書いているのか見るようになると、「自分がどのように見られているのか」と他者を意識することにもつながっていきます。
毎朝、学習に取り組む前のウォーミングアップになるのと、アクティブラーニングの一番大切な要素「外化」につなげていく意図がありました。
1年生の4月・5月、多くの人数がリアルタイムで参加するテレビ会議のような場でのコミュニケーションは、導入するとしても、対面でのコミュニケーションを学んだあとのほうが良いと考えました。
まずは、情報を受け取る。次に、自分の意見を発信する。というコミュニケーションの基礎を大切にする形をとりました。
生徒の声の紹介です。
「まだ一度も登校していないけれど、同じクラスの自己紹介を通してどんな子なのか想像したり、先生方が作ってくださったバーチャル映像を通して学校生活を想像し登校できる日がとても楽しみになりました」
その②へつづく・・・
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