中等教育学校2年生でのキャリア教育の取り組み、「次世代郊外まちづくり」ワークショップについて、2回に分けて紹介する第2回。今回は、10月に行われたオンライン講演会と体育館での対面ワークショップについて紹介いたします。
10/16(土)、オンラインにて、横浜市から「横浜市のまちづくり」、東急から「多摩田園都市のまちづくりの歴史と次世代郊外まちづくりの取り組み」、そして、「次世代郊外まちづくり」において市民との橋渡し役を担っている石塚計画デザイン事務所から「中学生が共感できるまちづくりの事例」について、紹介いただきました。
それぞれの講演の後、1~2分のペアワークで情報共有をすることを3度繰り返し、最後にワークシートを使用して大きくふり返りを行いました。
「国がどんな街づくりをするか決めると思っていたけれど、住んでいる人が考えていることが分かった」、「地域の人も一緒になって企画に参加して街を盛り上げようとしていることに対して、すごく驚いた」、「形としてだけではなく、目に見えないものでも、街づくりになる」、「青葉区は高齢化が進んでいて、危機を感じていることが想像と違いました」、「街を豊かにするために物で解決するのではなく、人の気持ちを考えているのが想像と違った」といった気づきが生まれました。
10/18(月)には、学年全体290名が体育館に集まり、対面でのワークショップを実施しました。
まず、個人ワークで、「居心地の良い居場所」の特徴をあげ、次に、居場所づくりをしたい場所の特徴を書き出しました。これをもとに、「選んだ場所の特徴を活かして自分たちの居場所を考えよう」、「自分たちの居場所とまちの接点をつくるアイデアを考えよう」というテーマでグループワークを行いました。
生徒のふり返りの紹介です。「居場所について、人が集まるだけでなく、人を集めるための手段でもあることが分かった。地域の人と(何かを)進めることを考える機会がなかったので、とても楽しめた」、「『自分がその場所にいて、楽しい、安らぐ場所』が居場所なのだと思いました。自分たちは、割と、居場所について考えているのだなとグループワークを通して思いました」、「みんなで話し合って、街づくりについて、市の方々も、こういう風にやっているのかなと、すごく楽しく考えた」
「次世代郊外まちづくり」では「コミュニティ・リビング」という概念が提唱されており、いわば、「持続可能な住宅地モデル」なのですが、最も重要な鍵が「まちを支える人」に、どう出てきてもらうか、どうやってつなぐかです。「ゴミ拾いの先にある地域貢献って何だろう?」という問いへの答えの一つが、今回の「居場所づくり」でした。例えば、子育て中の母親が一時的に子どもを預けておしゃべりを楽しむことができるカフェの運営などが紹介され、子どもたちは、自分たちにとって居心地の良い空間をイメージしたのち、現実の青葉台駅周辺の公園や階段、レンタルスペースなどの写真をみながら、その場所の特徴を活かした居場所づくりを考えていきました。
「このゆびとまれ」でつくる居場所で、まちの人(=公共圏にある他者)にも喜んでもらえる可能性があることを認識できたことが大きな収穫でした。この発想は、学校づくり、例えば委員会の企画立案にもそのまま転用できます。まさに、学校と地域を結びつけるキャリア教育プログラムになりました。
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