本校では、高校2年生・中等5年生を対象とした「研究室シャドウイング」というキャリア教育企画が行われています。この企画は、大学の研究室やゼミ活動の場に訪問して「大学での学び」を実際に体験するという企画です。2017年度から始まったこの企画も、昨年度は新型コロナウイルス感染症の感染状況を鑑みて中止にせざるを得ませんでした。しかし、今年度は例年よりも受け入れ大学数は減ったものの、7つの大学で生徒を受け入れていただくことができました。今回はその中でも、12月2日(木)に実施された東京農業大学での研究室シャドウイングの様子をご紹介します。
今回お伺いしたのは、東京農業大学 生命科学部 分子微生物学科の内野昌孝教授の研究室です。「微生物」と聞くと細菌やカビ、あるいはウイルスなどを想像するかもしれませんが、内野教授が主に研究されているのは「食品製造」に関わる微生物。例えば、ヨーグルトやチョコレートの製造に欠かせない「乳酸菌」や納豆の製造に欠かせない「納豆菌」、お酒やパンの製造に欠かせない「酵母菌」などがその一例です。内野教授はカカオの研究を通してチョコレートの製造にも関わっていらっしゃり、研究室には立派なカカオが保管されています。
微生物の観察実験をするにあたり、最初は各微生物の特徴について講義をしていただきました。この特徴を踏まえた上で、実体顕微鏡・顕微鏡・携帯型顕微鏡を用いて糸状菌や納豆菌、乳酸菌などの微生物の観察実験を行いました。ヨーグルトや納豆は口にしているものの、その製造に欠かせない様々な微生物の実体を目の当たりにしたことで新鮮な感動を得たようです。
参加した生徒が顕微鏡で観察した微生物を写真に撮り、ロイロノート・スクールで提出してくれました。
プログラムの後半では、生化学実験や酵素実験を行います。そのために必要な知識を学ぶために講義を受け、実験に臨みます。現在学んでいる知識が、大学での研究に繋がっていること、またその研究が私たちの生活に密接に繋がっていることに驚く場面もありました。
酵素実験では「ナタデココ」を使用しました。
進路を選択するにあたって、大学でどのような学びが行われているのかを調べることは必要不可欠なことです。実際に講義を受け、観察実験を行ったことによって「微生物研究」の面白さや奥深さを感じることができたのではないでしょうか。この経験が進路を選択の一助となることを願っています。
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