2017年4月、桐蔭学園中学校・高等学校・中等教育学校の第4代校長に岡田直哉が就任しました。就任にあたり、桐蔭学園の教育方針や創立50周年の「次の50年」に向けての取り組みなど、3回にわたるインタビュー、最終回のVol.3をお届けします。
―生徒に期待したいことは
入学式で生徒に対して3つの約束をしてくださいとお願いしました。1つ目は他人を敬うこと、認めること。2つ目は常に自分を磨くこと、高めること。3つ目は一番私が伝えたかったことなのですが、夢を追うこと、そして夢を語れる情熱を常に持ちつづけること。
この先6年間ないしは3年間過ごしていく中で、様々な困難や迷いが生じると思いますが、ぜひその時にこの3点を思い出してください。必ず何かのヒントになりますから、という話をしました。このように「他人を敬う、自分を高める、夢を語れる情熱を持つ」ということが私が最も生徒に期待していることです。
―授業中に受ける生徒の印象は昔と変わってきましたか
以前の桐蔭生は、自分自身の頃もそうでしたし、他校の生徒からも言われていたことですが、とかく電車の中で単語の勉強をしている、とか何か暗記をしているというイメージが強くありました。桐蔭生は暇さえあれば勉強していると。
一方で運動をしている子は運動もしっかりやっていたので、自分に対して非常にストイックで真面目な生徒が多かったのではないかと思います。対して最近の桐蔭生は、勉強に関してはとても大事に考える姿勢はあると思いますが、どちらかというと勉強だけ、大学入試だけを考えている生徒は減ってきたように思います。
これは必ずしも悪い傾向ではなく、生徒の興味が多様化してきているということでしょう。我々が新しい感覚を持った生徒にどれだけ新しいアプローチができるか、そして彼らをどういう風に伸ばしていけるか、というところになると思います。
―校長先生の描く、将来の「桐蔭らしい」生徒とは
アクティブラーニング型授業を6年間ないしは3年間経験した生徒たちがどういう風な精鋭として育っていくかということに尽きると思います。アクティブラーニング型授業を軸とした新しい桐蔭の学びを通じてしっかりと社会とつながってほしい、これを理念として始めたものです。
ですから、社会に出たときに力強く、かつしなやかに生きていける生徒こそ将来の「桐蔭らしい生徒」ということになります。
―それは桐蔭学園の教育が「社会につながる」という意味でしょうか
そうですね。アクティブラーニング型授業を軸としたキャリア教育もしっかりやっていこうと思っています。キャリア教育と言っても単なる職業体験や職場訪問ではなく、自分が大人になった時にどういう大人になりたいか、社会人個人としての姿を追ってほしいなと思います。
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