中学校女子部1・2年生は、11月21日(月)に桐蔭学園シンフォニーホールにて、劇団銅鑼の公演「ハンナのかばん」を鑑賞する予定です。
この舞台は、チェコ生まれの少女ハンナ・ブレイディに実際におきた出来事を通して、今の自分にとって大切な物は何か?ということと、違いを受け入れる寛容さを生徒たちに考えてもらおうとするものです。
その事前学習として、10月31日(月)6校時の道徳の時間は、NPO法人ホロコースト教育資料センター代表の石岡史子さんの訪問授業を、桐蔭学園アカデミウム内のポロニアホールで受講しました。多様性を認め合うということは日頃のアクティブラーニング型授業でも重要な要素ですが、今日のお話は、ずっしりと重みのあるテーマでした。
「ホロコースト」という言葉は聞いたことがあっても、詳しくは知らない生徒たち。ヨーロッパに暮らしていた多くの「ユダヤ人」(ユダヤ教を信仰する人々やその子孫) が殺され、その数は600万人。そのうち150 万人は子どもであったというナチス・ドイツによる虐殺の実態は、生徒たちには大きな衝撃でした。
同年代の主人公13 才のハンナもその一人であったという事実。ハンナの何気ない日常生活が紹介されればされるほど、突然忍び寄る悲劇を予感して苦しさすらおぼえているようで、目頭を押さえる者、すすり泣く者もあちこちにいました。
選挙という正当な手段を巧みに用いながら権力のモンスターへとのし上がっていったヒトラー、そしてそれを許す結果となってしまった国民・・・。張りつめた緊張感を宿しながらも静かに淡々と語りかける石岡さんの情熱的なお話に、生徒たちは引き込まれていきました。
今日の生徒たちの心には、未来を担う国民としての強い意識が芽生えたようでした。
訪問授業終了後も、石岡さんにもっと話を聞きたいという生徒たちが列を作りました。涙ながらに今日の感想を語り、石岡さんももらい泣きされているようでした。会場が閉場となっても話を聞きたい生徒はまだまだおり、ポロニアホール前のロビーでも熱い時間は続きました。
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