教育・授業実践
「地球と環境」 中野 英之先生(スポーツ健康政策学部)
Vol.29 地球環境の科学について実践を通して学ぶ
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わが国は世界の火山の10%が集中する火山国であり、火山の噴火の仕組みや火山災害について知ることは私たちにとって非常に重要です。今回の授業では、桜島の火山灰を融かして模擬マグマをつくる実験と、水槽とチョークの粉を使った火砕流や噴煙柱の再現実験を通して、火山の仕組みについて学びます。そこでは、塩水と水を二つに分離する方法をグループで検討したり、十分な時間をかけて模擬マグマを作成したりするなど、じっくりと頭を使って体験的な活動に取り組めるようにしました。また、光の屈折、比重、イオン結晶を融解させたときの熱の出入りなど、様々な理科的な視点についても実験を通して一人一人の学生が触れられるように工夫しています。
教室では中野先生がいろいろな話題を投げかけて、学生の興味関心が広がるように対話をしていました。実験は準備段階から学生自身の手で進めていくそうで、この日は先生の計らいにより取材班も仲間に入れてもらえることになりました。手作りの模型、身の回りの材料や器具を使った実験方法、本物の火山灰や金属等を使った実験などはとても興味深く、学生と一緒に楽しみながら知識も得られた取材となりました。
先生へのインタビュー
「この科目の到達目標と主な内容」
本科目では、地球の成り立ちと地球環境について自然科学的な視点から捉えるとともに、地球環境問題については、環境や科学の視点だけでなく、人権問題や教育の視点からも捉えます。広い視野に立って地球環境問題を捉えることができるようにするとともに、世の中にあふれる様々な情報との向き合い方についても考えていきます。
「この科目の特徴」
講義では、地球の誕生から地球温暖化等の地球環境問題、資源開発やそれに付随する人権問題に至るまで、非常に広範な内容を扱います。地球環境問題では様々な対立する学説があることも学びます。対面授業では、フィールドワークで黒須田川の水質調査を行い、地学分野の室内実験を通して地球と環境について体験的に学んでいきます。
「この授業を通して身につく力」
“地球と環境”に関する科学的な理解を通して、“地球と環境”に関する現代的な課題について理解を深めることができます。“地球と環境”に関する現代的な課題について問題意識を持ち、自分の考えを表現する活動を通して、問題解決能力やコミュニケーション能力を身に付けることができます。