桐蔭横浜大学

桐蔭横浜大学Toin University
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教育・授業実践

入学前キャリア教育プログラム「桐蔭プレアド」第6回・第7回(対面講座)学びの集大成 “なりたい自分”の姿を宣言するポスターセッション
Vol.27 松井 晋作先生・溝口 侑先生(教育研究開発機構)

掲載日:

 3月29日(火)・30日(水)桜の花が咲きそろった本学キャンパスで、プレアド受講生179名が第6回・第7回を対面受講し、全講座を終了しました。

 第6回講座では、大講義室で森 朋子副学長の挨拶に続いてオープンニング・アイスブレイクと一斉講義が行われ、その後は各班に分かれてグループ交流を行いました。そして、翌日のポスターセッションに向けた資料作成をグループワークで行い、これまでに考え、調べ、学んできた自分自身について発表する資料ポスターを、意見交換を交えるなどで工夫を凝らして仕上げていきました。

 講座最終回では全日にわたる活動が行われ、発表会場のアカデミウムでは全員がプレゼンテーター・聴衆となって学び合いました。初めは緊張した表情でのプレゼンテーションには次第に熱が入り、聴き手からは活発な質問が出され、会場は熱気を感じる雰囲気でした。このポスターセッションは公開授業として案内されており、本学の教職員に加えて、出身高校の先生が見学しました。

 2日間ともに学生チューターが精力的な動きで受講生のサポートを丁寧に行い、最終日にはキャンパスツアーも企画されました。休憩時間には桜を見ながら昼食をとったり歓談したりする姿が見られ、入学前の仲間づくりとして絶好の機会となっていました。本学教職員と学生チューターのサポートを得て開催された第6回・第7回の様子を紹介します。

 

先生へのインタビュー


  第6回講座の主な内容と活動を教えてください。
溝口先生:大講義室で受講生全員の顔合わせとこれまでの復習を行った後で、8つのグループに分かれ、これまでの対面での参加者とオンラインでの参加者が混ざり合い、改めて一緒に学んできた仲間たちと絆を深める時間としました。各グループには学生チューターが1名ずつサポート役として参加し、それぞれのチューターが考えた企画で交流をしました。チューターごとに様々な企画を考えていて、1年間での成長を感じます。その後は、一度全体で集まってその活動内容をグループの代表が発表し、全体で共有しました。続いて、翌日に行われるポスターセッションの流れとポイント、その評価基準などを説明し、各グループの部屋に移動してその準備活動に入りました。  発表する内容は、これまでに取り組んできた事前課題をふりかえり、「過去の自分をふりかえり、そして今の自分を他者に説明する。」「10年後の“なりたい自分”を“人生”と“仕事”の観点から思い描く。」「10年後の“なりたい自分“を達成するために、大学4年間でやるべきこと、踏み出すことを宣言する。」の3つのポイントにしぼって発表してもらいます。  これらを聴き手にしっかりと伝えるために、プレゼンテーションの流れを組み立てながら模造紙1枚にまとめます。受講生同士の意見交換だけでなく、学生チューターが自分の経験を活かしてアドバイスするなど、多彩な学びの要素を含む活動です。そして、ポスターが完成したら、翌日(第7回)に向けて発表の練習です。ルーブリックで示された評価基準を参考にして、プレゼンテーションの構成・態度・話し方などを考えました。


  第7回講座の主な内容と活動を教えてください。
溝口先生:プログラム最終回は、受講生が学んできたことの成果発表としてポスターセッションを行いました。また、空き時間を利用して、学生チューター企画のキャンパスツアーも行いました。1日のなかで、自分が発表する時間、他の人の発表を見学する時間(2回)、キャンパスツアーに参加する時間の4部構成のローテーションで実施していきました。前日同様に学生チューターが各グループと共に行動し、昼食・休憩時間には受講生の話し相手になったり相談を受けたりしました。  ポスターセッションの会場はアカデミウム内の2会場とし、それぞれのスペースで一斉にプレゼンテーションを開始するようにしました。8分間の発表と2分間の質疑応答を一人が4回担当し、聴き手側はどんな質問をするかを考えながら聴いていき、相互評価をします。4回の発表をしていく中で、自身で改善点を発見して修正したり、受けた質問から気づきがあったりと、毎回のプレゼンテーションをふりかえりにつなげていくことも学びのポイントの一つでした。本学の教職員や高校の先生方も、間もなく大学生となる受講生の成長ぶりを見学してくださっていました。  全員の発表終了後、受講生は再び大講義室に集まり、桐蔭プレアドの講座のまとめとなるリフレクションを行い、その感想を全体で共有しました。最後に、このプログラムに携わった教職員・学生チューターが受講生に大学生活への励ましの言葉を送り、終了しました。大学生活や入学後の支援などについての説明もあり、入学式を3日後に控えた受講生はきっと心強く感じたと思います。


  プログラム全体を通しての、参加者の学びを教えてください。
溝口先生:1つめとして、本プログラムの到達目標でもある“なりたい自分”を明確にすることができたということです。人によって、具体的に描くことができた人もいれば、「まずは、これを頑張ってみようかな。」という最初の一歩を踏み出すことを決めた人もいました。しかし、全員に共通して言えるのは、大学生活を始める前に、「自分が何に向けて頑張っていくのか。4年間をどう過ごすのか。」ということを一度、しっかりと考えたということです。これによって、1年生のスタートから、“なりたい自分”に向かっていくことができます。最後のポスターセッションで宣言したことを心に留めて、入学後も頑張っていってほしいと思います。  2つめとして、“自分の意見を表現し、他者の話を聞いて質問する“という、話し合いの基本を身につけられたと感じています。第1回の講座をふりかえってみると、グループ活動の時間は、指示されたお題について、少し話すだけで盛り上がりに欠けていました。初対面の人と話す緊張感もあったとは思いますが、学びの場でお互いの意見を交換し発展させていくということに不慣れだったのだと思います。それが、第7回の発表会の場面では、堂々とした態度で発表し、質疑応答の時間もしっかりと話すことができていました。見学に来てくれた学部の教員からは、「入学後には、アクティブラーニングのなかで中心的な役割を担ってくれることを期待しています。」というコメントもいただきました。“学習とは座って話を聞くだけではなく、自ら積極的に学びの場に関与していく“という意識の転換も図れたのではないかと考えています。  最後に、人間関係を構築したことです。本プログラムは、3学部が共通して参加していることから、他の学部・学科に入学予定の参加者とも交流することができます。入学後、学習のみならず、大学生活での悩みを相談できる相手がいるということは大切なことです。ここで見つけた仲間とともに、4年間の大学生活を充実したものにしてほしいと願っています。

授業の様子


教員プロフィール:松井 晋作

松井 晋作

教育研究開発機構 専任講師

 松井 晋作 MATSUI, Shinsaku – 教員紹介



教員プロフィール:溝口 侑

溝口 侑

教育研究開発機構 特任専任講師

 溝口 侑 MIZOGUCHI, Yu – 教員紹介



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