受精の生物学と生殖医療
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ノーベル医学生理学賞
不妊治療
体外受精
生殖医療
2010年ノーベル医学生理学賞はロバート・G・エドワード教授が「体外受精技術の開発」で受賞されました。少子化が大きな問題となっている我が国においても年間約2万人が体外受精により出生しています。10組に1組の割合で「不妊」に悩む患者さんにとって光明となっている一方、非配偶者間の生殖医療(卵子精子提供、代理出産)、着床前診断、体外受精児の長期予後、再生医学の不妊治療への応用等十分な議論が必要かつ避けて通れない問題が山積しています。
本セミナーでは、これらの問題を理解する基礎として「受精」の生物学の最先端をわかりやすく説明し、その上で生殖医療の現状を紹介します。生命の根幹、多様性を支える「受精」システムに自ら手を加えだした「ヒト」という生物はどのような未来を選択するのか、自らの問題として考え始めるきっかけとしていただければ幸いです。
当日の様子
受講生の感想
私は受精について、放精されてから生体反応を経て受精としか知らなかったので、こんなに深く受精までに色々な物質が関わっていることに驚きました。また、もしかしたら自分が強く関わるかもしれない不妊症について、保険がきかないこと、そして不妊治療をしても少ない確率でしか子供を産むまでに至らないことを初めて知りました。もっと社会が女性にとって働きやすく子供を産みやすい社会になってほしいです。
私は子供が欲しいので、早めに子供を産みます!楽しかったです!もっと生物が好きになりました!ありがとうございました!
講師プロフィール:吉田 薫
(略歴)奈良県出身、県立奈良高校卒、奈良女子大学理学部生物学科卒、東京大学大学院理学系研究科動物学専攻修士課程、生物科学専攻博士課程修了。1999年博士論文「ニシン精子活性化タンパク質による精子活性化機構の生理生化学的研究」により博士(理学)取得。聖マリアンナ医科大学泌尿器科研究室にてポスドクとして厚生労働省研究「日本人男性の生殖機能に関する疫学的調査研究」に従事、引き続き科学技術振興事業団 戦略的創造研究推進事業「内分泌かく乱物質」研究員を経て、2004年より桐蔭横浜大学先端医用工学センター勤務。専任講師。専門はタンパク質科学、生殖生物学。日本動物学会男女共同参画委員および日本発生生物学会男女共同参画担当運営委員を務め、理系女子学生のキャリアパス形成支援を行っている。