世界中のコンクリート欠陥検査の常識が変わる!? 最新 非接触音響探査法のすべて
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コンクリート欠陥検査
超音波工学
非接触音響探査法
音響工学
我が国の高度成長期以降を通じて、数多くのコンクリート構造物(トンネル、橋梁等)が構築されてきた。しかしながら、構築されて30~40年以上の年数が経過し検査が必要となっている構造物も少なくないというのが実情であると思われる。特に、平成24年12月に発生した笹子トンネル天井板崩落事故はまだ記憶に新しいが、これは5m先のアンカーボルトの先端をたたき点検で検査することが困難なために目視点検のみで済ませていたことが原因となっている。
そこで、本研究室では、空中放射音波により遠距離から非接触でコンクリート内部の欠陥探査を実施することのできる非接触音響探査法の検討を行っている。模擬欠陥を内蔵したコンクリート供試体を用いた実験および実際のコンクリート構造物(トンネル、橋梁)等での実験から、本手法では5m~10mといった離隔からでも叩き点検とほぼ同等な欠陥検出が可能であることが判明した。
従来のコンクリート欠陥検査の常識を覆す本手法の概要についてわかりやすく説明する。
当日の様子
受講生の感想
私は将来建築の仕事に就きたいということもあり、今回の講義は貴重な体験になりました。特に、先生もおっしゃられていたようにトンネルの事故があったり、最近はインフラの老朽化が問題になっていると聞きます。
これから大型の建築物の老朽化対策はますます需要が高まると思います。早期に対策をするためにも、先生の研究が必要になってくると思います。
そんなお話が聞けてとてもありがたく思います。
講師プロフィール:杉本 恒美
【学歴】東京工業大学・大学院総合理工学研究科・博士課程修了(博士(工学))<br /> 【現在】桐蔭横浜大学・大学院工学研究科・教授<br /> 【専門】超音波工学、音響工学、生体医用工学<br /> 【資格】第1種情報処理技術者、超音波工学Fellow(日本超音波医学会)<br /> 【受賞】Scilab Toolbox Japan Contest 2009, 一般部門 最優秀賞<br /> 【著書】新超音波医学 第1巻 医用超音波の基礎<br /> 【研究】コンクリート構造物の非破壊検査のための非接触音響探査 葉・茎の振動計測による植物の健康状態評価 血圧計測時のコロトコフ音波形による循環機能検査