【連載・まなびの窓】
2022.06.29 (水)

【中等】アフタースクールでたまプラーザ・フィールドワーク

桐蔭学園中等教育学校では、地域連携企画の一環として、横浜市・東急株式会社が取り組む「次世代郊外まちづくり」と連携して、6/11(土)「たまプラーザ・フィールドワーク」を実施しました。
たまプラフィールドワーク20220611

恋の富士見階段から街を望むと、爽やかな風が吹き抜け、映画のワンシーンのよう

中等教育学校のキャリア教育では、「地域の人々・地域を支える企業と出会い、地域の課題解決を通して触れることができる人との関係や世界を広げてほしい。他者と親和し、協働する力を高めてほしい」と考え、地域連携企画を展開しています。今回は、横浜市・東急株式会社が取り組む「次世代郊外まちづくり」と連携して行った、アフタースクール活動(希望者が参加する放課後の活動)としての「たまプラーザ・フィールドワーク」について紹介いたします。学年全員参加型のこれまでの実践はこちら2021年度ワークショップ①
2021年度ワークショップ②をご覧ください。

たまプラフィールドワーク東急、横浜市、石塚計画デザイン事務所

横浜市・東急・石塚計画デザイン事務所からなる「次世代郊外まちづくり」チームのみなさま

6/11(土)放課後、「街づくり」に興味をもつ、中等1年生~3年生の男女16名(3年生4名、2年生8名、1年生4名。男女8名ずつ)で、学校の最寄り駅(東急田園都市線あざみ野駅)の隣駅、たまプラーザを訪れました。「たまプラーザ」は横浜市北部、東急田園都市線を代表する郊外住宅地であり、住民の高齢化や若い世代の減少、住宅やインフラの老朽化、コミュニティーの希薄化などといった、日本全国の郊外住宅地が抱える問題解決にいち早く取り組んでいるモデル地区でもあります。今回は、横浜市・東急・石塚計画デザイン事務所の「次世代郊外まちづくり」チームに加え、実際の街づくりプロジェクトに関わっている地域住民代表の皆様にも案内をお願いして、フィールドワークを行うことになりました。

たまプラフィールドワーク東急、横浜市よりプレゼン

東急・藤本様、横浜市・橋口様より「たまプラーザ街づくりと課題」のレクチャー

まずは、これから街歩きをする「たまプラーザ」の特徴や課題について、東急と横浜市より紹介いただきます。「先生」ではない社会人から「教室ではない場所」で聞く話は、それだけで新鮮です!

たまプラフィールドワークまちの話プロジェクトの紹介

伊藤様による「聴く街のはなし」プロジェクトの紹介 ICTを活用した住民参加型の街の遺産づくり

開発から半世紀以上たち、「街の記憶」を次世代に語り継いでいくプロジェクトも立ち上がっています。ICTを活用した、地域コミュニティの未来をつくる次世代を巻き込んでいく、未来構想プロジェクトでもあるとのこと。

たまプラフィールドワーク100段階段20220611

「100段階段」整備にむけ、どのような活動を行ったのか。伊藤様、谷様、相澤様より当時の話を伺います

実際のプロジェクトがどのように立ち上がったのか、現場で経験談を伺うのは、他では代えがたい学びです。「夜一人では歩いてはダメ」だった小学校に向かう階段が、「卒業式で記念撮影をしたくなるような階段になっていった」物語が、2018年というごく最近に起きた出来事であること。伊藤様、谷様、相澤様の話を伺いながら、地域の人々が、どのように行政と交渉し、人々を巻き込んでいったか、ワクワクを追体験させてもらいました。

たまプラフィールドワーク100段階段標高の意味づけ

「坂の多い街」をプラスイメージに転じさせる工夫

たまプラーザは、坂が多い街ですが、この「100段階段」をはじめ、あちこちに街の代表的な地点と、標高を比較できるようなプレートが埋め込まれています。「ふつう坂が多くて大変だと考える高低差について、ポジティブな意味に転換している」と生徒が「ふり返り」で発言していました。

たまプラフィールドワーク100段階段遠景

100段階段 「怖い場所」から「街のシンボル」へ

着色の段階で、プロのデザイナーと地域の小学生を巻き込むことで、「夜は怖かった階段」が、「卒業式で花を飾り付けて写真を撮りたくなる階段」に変化していった物語は、次世代を巻き込むコミュニティづくりが大成功した例だと参加者全員で感動しました。

たまプラフィールドワーククルドサックにて

美しが丘のクルドサック。街を実際に歩き、歩車分離の街づくりの工夫を体感します。

実際に街を歩くことで、街の雰囲気を感じながら、歩車分離を体感していきます。「ここが地図でみた渦巻か…」との声があがります。

たまぷらフィールドワーク階段が多い街

街は高低差が大きく、坂と階段があちこちにあるが、歩車分離がなされている。

美しが丘の住宅地内では、実際にクルマとすれ違うことは全くありませんでした。

たまプラフィールドワーク歩車分離の街

クルマ止め。住宅地内の歩行者専用道路の幅は、想像以上に広い。

クルマが入ってこないから、安心して道で遊ぶこともできるなぁと生徒たちはつぶやいていました。想像以上に歩行者専用道路が広く、街全体が広々とした印象です。

たまプラフィールドワーク緑が多い街

たまプラーザ駅から徒歩10分程度で緑に囲まれた遊歩道。ここを進むと百段階段から美しが丘小学校へ。

駅から歩いて10分程度の場所にありながら、たくさんの緑に囲まれた広い歩行者専用道路を歩いていると、動物園内の遊歩道を歩いているような気がしてきました。住環境の良さを感じます。

たまプラフィールドワーク気づきの共有グループワーク

街歩き後のワークショップ。まずはグループで気づきを共有。1~3年生合同グループですが、活発な意見交換。

「細かいところに工夫がされている」「街のいろいろな箇所で高低差をあえて表現しているところがおもしろい」「地域の人同士のつながりから問題点を整理しているところがすごい」「クルドサックがおもしろい」など、生徒たちは、ふり返りでも活発に意見交換をしていました。

たまぷらふり返り20220611

街歩きの後のふり返り。司会の3年生を中心に、1・2年生も活発に意見を述べています

生徒16名に対して、12人もの立場の異なる大人に関わっていただくという大変贅沢な企画で、街歩きでも、6名程度の小さいグループゆえに、ちょっとした質問や立ち話、意見交換がしやすかったのが、ふり返りの意見の豊かさにあらわれていました。

たまぷらフィールドワーク気づきの共有ワーク

石塚計画デザイン事務所・相澤様をファシリテーターに、街歩き後のワークショップ グループの意見を全体共有

イベントを通して、たまプラーザをモデルケースに、住民の高齢化や若い世代の減少、住宅やインフラの老朽化、コミュニティの希薄化など、郊外住宅地が抱える課題に、どのように取り組み、地域を持続可能にしていくか、その知恵を出し合っている大人の姿と生の声を聴きながら、行政、企業、市民団体が同じ方向を向いて取り組んでいる例を、具体的に体験することができました。

たまぷらフィールドワーク気づきの共有

街歩き後のワークショップのまとめ

「夜一人では歩いてはダメ」だった小学校に向かう階段が、「卒業式で記念撮影をしたくなるような階段になっていった」物語、坂が多い街の標高差をポジティブな意味に転換している点など、登り切った景色とともに、私たちに素晴らしい印象を残してくれました。開発されて半世紀。「坂道が多い街」を「遺産」として魅力的に輝かせるのは、そこに関わる人が創り出す「地域のつながりがある物語」と「デザイン」なのだと気づかせてくれました。発想の転換を図る方法や、デザインの発想など、学校づくりにも生かしていけるアイデアをたくさんいただきました。ありがとうございました。

###Posted at 2022-06-29 19:00:03. Edited at 2022-07-06 17:15:37.###

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