日別アーカイブ: 2020年6月11日

先生インタビュー⑤

 今日は1年生担任の熱海先生がインタビューに答えてくれました。たくさんの本が紹介されています。大人向けの本もたくさん紹介してくれているので、ぜひおうちの人にも教えてあげてくださいね。難しめの本も多いので、低学年の人でも読めそうな本には(低)とついています。参考にしてみてくださいね。

<先生へインタビュー>
Q1 名前、担当教科や学年を教えてください。

熱海康太、1年1組担任

Q2 先生のマイブーム、趣味は何ですか?

ランニング…マラソンの大会に出る時の雰囲気、また多くの人の支えの中で自分と向き合う体験ができることが好きです。
山登り…丹沢という山々を登ることが多いので、その近くに住んでいます。
文を書くこと…文を書くことで、自分の考えが整理され、思考が豊かに色づくような感覚を楽しんでいます。
家族と過ごす…一緒にいると、何より幸せな気持ちになります。

Q3 小学生のころに読んで好きだった本は?

『学習まんが 日本の歴史』
 父に毎月1冊ずつ買ってもらっていました。次の巻が楽しみで仕方がなかったです。当時、私は保土ヶ谷という場所に住んでいたのですが、その本に保土ヶ谷宿という宿場が登場したことで、友だちと自転車で史跡巡りをしたことは良い思い出です。

Q4 最近読んだ本で面白かった本は?

『逆ソクラテス』伊坂幸太郎
 「久留米先生の先入観を壊してやろう」「決めつけて偉そうにする奴に負けない方法があるんだ」「僕はそうは思わない」「敵は、先入観だ」小学校が舞台の疾走感溢れる痛快な一冊で、勇気とモチベーションが充電されました。

Q5 各テーマのおススメの本は?

 読んだら元気が出る本
『神様のカルテ』夏川草介
 信州の美しい自然の描写が素晴らしく、文を読むほどに心が澄み切っていくようでした。内科医、栗原一止と奥さんのハルや、仲間たちとのやりとりも心が温まります。

 知識をたくさん得られる本(知識を有効に活用できる本)
『「論理的に考える」って何から始めればいいの?』深沢真太郎
 知識をたくさん得るというよりは、得た知識をより有効に使うことを分かりやすく学ぶことのできる本です。これからの時代は、知識があることが基本になり、活用力が求められるそうです。

 友達を大事にしたくなる本
『夜のピクニック』恩田陸
 80kmを歩く「鍛錬歩行祭」。友情と言葉や行動にすることの大切さを知ることのできる1冊です。私が一番好きな本は迷わず、この「夜のピクニック」です。多部未華子さん主演の映画も気に入っています。

 おいしそうな食べ物が出てくる本
(低)『きょうのおやつは』わたなべちなつ
 この絵本の仕掛けに驚きました。おやつが立体的に浮かび上がる工夫があるのですが、今まであった発想とは全く違います。紙だけでそれを実現する発想力が素敵です。

 気になる本
『反乱のボヤージュ』 野沢尚
 最近は私が生まれた昭和という時代が気になります。色々な部分で令和の現代は優れていて、とても良い時代だと感じています。それ故に、不完全で危うい雰囲気もありますが、どこか人間味のある昭和 時代の空気感を持つこの物語に惹かれます。

 体を動かしたくなる本
『風が強く吹いている』三浦しをん
 私の実家は国道1号線の近くで、正月は箱根駅伝を見に行っていました。「リアル感」と「エンタメ感」のちょうど 真ん中くらいで描かれているので、駅伝ファンも、そうでない人も楽しめる作品です。

 絵や音楽に触れたくなる本
『蜜蜂と遠雷』恩田陸
 トップの中のトップを決めるピアノコンクールが舞台の物語です。私は「生活者の音楽」を標榜する 高島明石に強く感情移入しました。環境や才能が伴わないとしても、その人だけが持つ価値観が人生を豊かにしてくれるのだと学びました。

 ちょっと怖い本
『ブラックジャック』手塚治虫
 『鉄腕アトム』や『リボンの騎士』が持つパブリックイメージとは違い、私は手塚治虫の漫画に少しの怖さを感じていました。人が隠しておきたい感情を圧倒的な描写で白日のものにさらしてしまう表現力は、日本のアニメ漫画文化の父の名にふさわしいです。

 文字が少ない本
(低)『マイブック』
 ほぼ白紙の本です。人間の良さの一つとして、どんなことにも意味づけをして幸せになることのできる、が挙げられますが、この本は正にその力を楽しく試すことができるのではないでしょうか。私は日記に似た使い方をしています。

 考えさせられるテーマの本
『せかいいち うつくしい ぼくの村』小林豊
 こんなにもラスト1ページで世界が一変する物語はあるでしょうか。初めて読んだ時の衝撃を忘れることができません。世界のどこにでもある美しい日常の描写が、平和の尊さと壊れやすさを表しているかのようです。

Q6 みんなに向けて一言をお願いします。
よく「本を読むと○○に良い」(○○には様々なものが入ると思います)と言われますが、私は、本はただ楽しむためだけに読んでいます。ですので、上の本も皆さんにお勧めというよりは、本当に自分が好きな本を選びました。ただ、後から思えば、本から多くの学びを得ましたし、希望や救いを見出すこともありました。皆さんにも、自由に本に触れてほしいと思っています。あえて難しく考えず、思いのままに本を選び (私は、本の真ん中くらいのページをパラパラ見て「自分に合う!」と思ったら買うようにしています。最初やラストは面白いはずなので、クライマックスの場面に向かう 真ん中の辺りの雰囲気が合えば、楽しく読むことができると思っています。)好きなように読むことで、結果として主体的な読書体験にすることができると考えています。