2021年4月、桐蔭学園中等教育学校は探究授業「15歳のグローバルチャレンジ」を始動しました。
生徒は3人~4人のグループで或る国の大使となり、学年末の模擬国連会議に向けて1年間かけて諸問題の解決に取り組みます。
世界大会7年連続出場を誇る模擬国連部での活動をベースとした日本初の試みで、グローバルな視座を獲得する意欲的なプログラムです。
この連載では、1年間にわたって3年1組の「15歳のグローバルチャレンジ」を追い、生徒の取り組みを様々な角度からレポートします。今回は第6回の授業の様子です。
前回授業では、担当国の魅力をPRするプレゼンテーションが行われました。今回はその第2回目です。
授業レポート第5回 世界各国の「いいところ」を たくさん知ろう!
3年1組へ割り当てられている国は以下の10か国です(毎回確認します)。
日本 ミャンマー コートジボワール
チャド 南スーダン ポーランド
サウジアラビア チリ コスタリカ カナダ
第6回 授業テーマ「世界各国の「いいところ」をたくさん知ろう!」
今日のレポートは各国のプレゼンテーションの内容と、大使からのフィードバックを中心にお届けします。
1組に割り当てられた10カ国のうち、今日はコートジボワール、日本、ミャンマー、ポーランド、サウジアラビアの5か国がプレゼンテーションを行いました。
例えばコートジボワール大使たちは「カカオに感謝!カカオ大国」というキャッチコピーを掲げ、カカオの生産量が世界一かつ高品質である点をアピールしました。
また、外国の企業を誘致して経済成長を促し、西アフリカ地域で最も豊かな国であることも強調。さらに西アフリカ最大のコモエ国立公園について説明し、自然の豊かさについてもアピールをしました。。
各国のプレゼンテーションからスライドを数枚ご覧ください。
各国のプレゼンの後には、他国の大使からフィードバックが送られます。生徒は「大使」の視点で「自分の国から見てあなたの国のプレゼンは◯◯でした」というメッセージを書かなくてはなりません。
自国の置かれた状況や国際情勢などを考慮に入れ、適切なメッセージを送る必要があります。
フィードバックの例をご覧ください。○○大使から○○大使へのメッセージと橋本教諭のコメントです。
●チャド大使からコートジボワール大使へ
「観光資源やカカオなど、魅力のあるものが多くうらやましいです。同じフランス語を使う国家として、協力していきましょう!」
⇒公用語という観点で共通項を見出したのがGood!
●コートジボワール大使から日本大使へ
「貴国ではバレンタインにチョコレートを贈る習慣があると聞きました。聞くところではガーナ産をお使いとか。ぜひ、我が国のチョコレートをお試しください」
⇒ものすごく日本に詳しいコートジボワール大使!上手な売り込みです。
●日本大使からミャンマー大使へ
「今、貴国は大変な状況ですよね。私たちはあなたたちとの関係を切りたくないと思っています。困っていることがあれば、なんなりと相談してください」
⇒日本は国連からもミャンマーとの橋渡しを期待されています。迫真のお手紙です。
10ヵ国のプレゼンを聞き終え、担当の橋本教諭は「生徒たちが予想以上に各国の大使に『なりきって』プレゼンしていたことに驚いています。今回のプレゼンでは、国同士の関わりについての理解が深まってきていると感じました」と話しています。
さて次回からは魅力のPRから一転して、担当国の問題点について調査を開始します。ひとつの国を異なる角度から見ることで、より一層理解が深まることが期待されます。
【15歳のグローバルチャレンジ 関連リンク】
mail koho@toin.ac.jp
TEL 045-971-1411(代表)