桐蔭横浜大学

桐蔭横浜大学Toin University
of Yokohama.

教育・授業実践

入学前キャリア教育プログラム(第3回・オンライン)「桐蔭の“学ぶ”について考える ワーク②(先輩から学ぼう)」に受講生143名が参加 先輩の経験から感じたことをブレイクアウトルームで共有
Vol.10 松井 晋作先生・澤本 敦先生(教育研究開発機構)

掲載日:

2月20日(土)、2021年度入学前キャリア教育プログラム(第3回)が実施され、143名の受講生が2時間のZoomオンライン講座に参加しました。今回は「桐蔭の“学ぶ”について考える(先輩から学ぼう)」というテーマで展開され、受講生は事前課題として本学卒業の先輩(2名)のインタビュー動画を視聴(Googleドライブ)した上で、自己の考え方や印象などを書いた資料を手元に準備して臨みました。また、ブレイクアウトルームでの進行がより良い流れになるようにとの配慮から、初めに松井晋作先生からファシリテーションとメモの取り方・ポイントについての説明がありました。これらはブレイクアウトルームでの活動にプラスとなるものであり、各部屋でのスムーズな展開につながる効果が見られたようです。今回はこの様子について紹介します。

先生へのインタビュー

【第3回プログラムの様子(事前説明・アイスブレイク・桐蔭の“学ぶ”について考える ワーク②)】 まず、松井先生からこれまでの内容についての確認があり、前回参加できなかった受講生にも要点が理解できるような配慮がありました。また、初めてZoom講座に参加する受講者にはチャットにて、自分の名前の頭文字に●印をつけて入場するようにという誘導があり、これまで同様に受講生同士のフォローへの促しがありました。 そして、今回は本時のテーマに入る前に、ブレイクアウトルームで行われるファシリテーションの意味合いについての説明があり、ファシリテーターに必要な6つの要素が次のようにあげられました。 ①ゴール及びルールを設定する   ②場の雰囲気づくりをする ③コミュニケーション促進のために声掛けをする ④タイムキーパーが必要である ⑤話の整頓とまとめをする ⑥合意形成の達成を目指す 続いて、グループ活動中にメモを取ることの意味と、押さえるべきポイントについて次のように示されました。 ①備忘録になる ②要点整理の力がつく ③アイディアを可視化できる ④文字は手書きでインプットしながら(箇条書きや表にしてもよい) ⑤ノートなどのメモは必ず管理する ⑥日付とタイトルは忘れずにつける ⑦自分の思ったことやコメントも書く ⑧丁寧に羅列しながらも余白を残す これらのことを踏まえて、まずはブレイクアウトルーム(数名ずつ)でのアイスブレイクです。「名前・出身地・高校生活最後の1ヶ月間に何をするか(したいか)」という質問に対して一人必ず1分間は話すようにという指示で進められ、全員がファシリテーターになって先ほどの点に注意しながら進行することを大切にさせながら、これを2回行いました。終了後には松井先生が4名の受講生から話を聞きながら、それを全員で共有する時間を設けました。「自動車の免許を取りに行く」「卒業旅行の計画をしているがどうなるか分からない」「一人暮らしの準備をする」「大学の部活に向けてトレーニングする」「コロナで1年間学校行事がなかったので何かしらの思い出を作りたい」などの声が聞かれました。 この後は、いよいよ本時の内容「桐蔭の“学ぶ”について考える ワーク②(先輩から学ぼう)」に入ります。事前課題として、前回同様に受講生が入ることができるSlackのチャンネルにて動画(Googleドライブ)を視聴しておくことが提示されており、今回のそれは本学を卒業した2名(男女各1名)の方のインタビュー内容で、視聴する時のポイント(以下①~⑤)も事前に示されていました。 ① 先輩は大学卒業までにどんな活動や経験をしたのか。 ② 先輩は大学までの経験で何を学び、どう考えたのか。 ③ 先輩の経験のうち、共感した点、感心した点の把握。 ④ 先輩の経験のうち、自分とは違う点、別の考え方をした点の把握。 ⑤ ③と④について、なぜ自分はそう思ったのか。 これらの説明確認後、受講生各自がA4判白紙に手書きで作成した資料をもってブレイクアウトルーム(25部屋:各7~8名程度)に分かれ、30分間で「先輩の経験に対する自己の考え」を共有しました。ここでは全員がファシリテーターを順番に行う形式をとりながら、発表者に対しては前の発表者が質問をする流れを導入しており、この間、チューターは各部屋を回って必要に応じたフォローを行う役割となっていました。終了後は、受講生同士の話の中で印象に残った先輩の経験と、それへの共感・異なる点などについて2名からの発表がありました。 続いて、前回・前々回と同様に小グループ(4~5人)に分かれて自分と他者の内容共有の時間(各9分間・2回)が設けられましたが、受講生のファシリテーションは回を重ねることによって“慣れ”と“理解”が進んできているように感じられるものでした。 この時間が終わったところで、松井先生は4名を指名して内容共有の発表を進めていきながら、さらに参加者全員の共有へと展開しました。(以下、意見の要点) ・入学前から将来の就きたい仕事を意識している点を参考にしたいと思った。 ・大学での生活をイメージすることが社会に出ていくのと同様に重要と感じた。 ・「大学の時に資格を取っておけばよかった」という先輩の言葉から、自分が大学の時には取れる資格は取りたいと思った。 ・「高校時代の部活動で培ったチームワークが大学や職場でも重要」という点が印象に残ったので、自分も意識して取り組んでいきたい。 ・人それぞれに得意・不得意がある中でお互いがカバーしたり協力したりするなど、他の人との関係性を良い形にしていきたいと考えた。 ・小学校から高校までと、大学時代とで異なった部活動をした経験から、教員になるという元々の夢の実現ではなく別の職種に就いたにも関わらず、しっかりと勉強することによって挫けずに社会で活躍できている点に関心を持った。 ・自分は将来のキャリアに対するイメージを持っているが、大学生活を通じて違った道に移るという場合でも、変化に対応するためには最後までやり遂げる必要があると感じた。 ・高校時代に部活動を辞めてクラブチームに移籍した話に関しては共感できなかった。精神的に良くない状態になった時などは、メンバー同士で乗り越えて続ける道もあったのではないかと思った。 ・人の役に立つという仕事に関しては責任感の大切さを痛感するので、大学時代にしっかりとこの点は意識したいと思った。 ・「自分から行動して進むことが苦手」という意見は自分とは違うが、そのような考えを持つ人とも話し合ってお互いに協力体制が築けるようにしなくてはいけないと感じた。 ・いろいろな選択肢を持つこと、考えておくことが社会に進む前に必要だと思った。 プログラムの時間がそろそろ終わりに近づいてきたところで、本日のまとめとして松井先生から“ロールモデル”についての説明がありました。(写真資料参照) それはロールモデルの心理的な定義に基づき、「青年期の職業観・人生観に影響を与えるロールモデルを設定することが、自分自身のキャリアや人生観を左右するだけでなく、将来にわたっての生き方そのものに影響する」「大学での過ごし方が今後の自分自身の生き方に直結する」という内容であり、さらにロールモデルの選定から実践についても説明されていました。 これらは前回、前々回と同様に、このフェーズで本時のプログラムを大学の学びの水準に上げることを意識した上で、学術的に活動の意義を理解させるものでした。松井先生がわかりやすく話してくださったので、「将来の自分」へのイメージが見えてきた受講生もあったことと思います。 最後に、次回プログラム(第4回:3月6日)の説明と事前課題『未来の自分を考える ワーク③』の提示が行われて第3回プログラムが終了しました。(事前課題:動画視聴した上での資料事前作成) 今回もチューターの方々にご協力をいただきました。ありがとうございました。

授業の様子


教員プロフィール:澤本 敦

教育研究開発機構 客員教授


Clip to Evernote このエントリーをはてなブックマークに追加 Check

新型コロナウイルスに関する本学の対応について オンライン授業実践 奨学生制度・奨学金制度