桐蔭横浜大学

桐蔭横浜大学Toin University
of Yokohama.

教育・授業実践

3密回避の実験授業。コロナ禍でも豊かな学び環境を整える
Vol.5 徳岡由一先生・蓮沼裕也先生・清水智美先生(医用工学部)

掲載日:

オンライン授業と並行して9月から実施している対面授業の一つで,健康と安全への十分な配慮のもとで行われています。40名までの換気設備基準をクリアしている広い実習室内では,感染予防対策を整えた学生31名が数名ずつのグループに分かれて,時には必要なコミュニケーションをとりながら真剣な表情で実験を進めていました。フェイスシールドとマスク,手袋を着用して取り組んでいる学生には先生から随時の声掛けがあり,手作業でしか経験することができない大切な学びが展開されていることを感じる実験授業です。また、実験結果の共有は横並びに着席して行われていました。その内容と3密回避の工夫などについてお聞きしました。

先生へのインタビュー

取材班:授業の目的と主な内容を教えてください。
徳岡先生:本授業は,臨床検査学の学問領域の一つである臨床化学に関する実習授業です。臨床化学とは,物理,化学,生化学,免疫化学的手法を用いた分析技術を土台にして,血液などの生体試料(生体に由来するサンプル)からヒトの健康や病態の評価を行う学問です。また,実践的な学問でもあり,臨床現場での疾患に対する化学的な診断や経過観察にも関連しています。本実習では,血液を検体として臨床化学における一連の分析技術を習得し,その分析結果の取扱と解釈について学びます。情報共有や意見交換の機会が必要不可欠なので,フェイスシールド,マスク,手袋,横並び着席が必須です。

取材班:コロナ禍において実験授業を行う上での工夫点はどんなことですか?
蓮沼先生:学生たちは実習開始2週間前から不要な外出を控え,毎日の検温を行い,体調管理をしています。実習当日は,実習室入室前に検温を実施し,手指消毒を徹底することで,ウイルスの持ち込み防止に努めています。特に,学生の感染対策に対する意識の向上を目的として,後期からの入室時の検温は防護具着用の上,学生(当番制)が行うようにしています。実習中は,必然的に近距離での作業やディスカッションが多くなるので,必ず,手袋,マスクおよびフェイスシールドを着用させています。

取材班:授業全体(授業デザイン等)での工夫点について教えてください。
蓮沼先生:実習に伴う登校回数を少なくするため,通常,2コマ/日の実習を,4コマ/日(午前2コマおよび午後2コマ)になるように,学科全体の時間割を編成し直しています。また,実習で得られた視覚的情報を,個人所有のPCやスマートホンで写真を撮らせる替わりに,新たに実習室専用(持出厳禁)のタブレットタイプのPCを導入することで,手袋をしたままでも写真による結果の記録やデータの解析をできるようにし,ウイルスの汚染や流出防止に努めています。さらに,撮影した写真は,適宜,クラウドにアップさせることで,感染対策とICT化とを同時に進めています。扱いに慣れてくると,そのタブレットを用いて,ディスカッションなどを積極的に行う班も見受けられます。

授業の様子


受講生の感想

加藤望愛さん(3年生)
世間が3密対策を取り上げている中,授業や実験では会話が必要となるので「大丈夫かな?」という不安もありましたが,先生方の徹底した予防対策のお陰で,今のところ何も問題はありません。実際にフェイスシールドを装着すると,視界が悪くなったり手などが当たってしまったりすることがありますが、実験ができる環境であることは恵まれていると思います。コロナの影響があってもいろいろな形で授業を行なっていただいているので,「きちんと学んでいこう。もっと頑張ろう!」という気持ちでいます。

船嵜光秀さん(3年生)
実験は、実際に手を動かしてみることで学ぶことが多いと思うので,対面で授業を受けられるのはとても嬉しいです。学校が早々にフェイスシールド,マスク,消毒アルコールを個人に用意してくれて,実験が始まって長い期間が経つのに感染者がいないのは,しっかりとした感染防止対策がとれている証拠だと思います。最初こそ,室内に複数人が集まることに不安はありましたが,今は安心して楽しく授業を受けられます。
モチベーションもコロナ以前と変わりはないと思います。オンライン授業が始まったときは,ネットツールを利用しないといけないので戸惑った部分もありましたが,今は問題なく受けられます。授業に関してすぐ質問ができる場を先生方も作ってくださっていますし,オンラインでもコロナ以前と差がでないように工夫して授業をしてくださるので,進み具合にも不安はないです。課題などもグループ通話を利用して友達と話し合いながらできますし,自身の工夫次第で学習意欲は上げられると思います。


教員プロフィール:徳岡 由一 

 

医用工学部・生命医工学科 教授

徳岡 由一 TOKUOKA, Yoshikazu – 教員紹介


Clip to Evernote このエントリーをはてなブックマークに追加 Check

新型コロナウイルスに関する本学の対応について オンライン授業実践 奨学生制度・奨学金制度