桐蔭横浜大学

桐蔭横浜大学Toin University
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教育・授業実践

前期オンライン授業での学生の悲鳴を教員の連携やカリキュラム設計で解決 学生の立場で学びをデザイン、FD(※1)効果も 後期はブレンド型(オンライン&対面)授業を実践中
Vol.7 吉田薫先生(医用工学部)

掲載日:

【沖縄タイムス+プラス2020年5月28日掲載記事より】
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

本学では4月21日からオンラインで前期授業をスタートし、緊急事態宣言が解除された後も学生たちはオンライン授業の利点を生かして順調に学修を進めることができました。その秘訣については、学部ごとに教員同士が連携して学生の立場からオンライン授業におけるカリキュラムを設計し、ICTを活用しながら学生の1日の学習と課題の管理を行うことと考えています。今後も教員同士の連携や学生とのコミュニケーションの流れを止めないよう、ポストコロナではオンラインと対面授業のブレンド型を模索していきます。
各大学でオンライン授業が導入されている中、相互連携なく個々の教員から課題が提示されると、その量の多さに疲労を見せる学生も少なくありません。それらは学業のドロップアウトにもつながりかねない深刻な問題ですが、多くの大学では「学生が1日にどのような課題を何時間行っているか」などを把握しきれていないという状況がありました。
そこで、本学では新型コロナウイルスの影響により通常の対面授業が叶わない中、このオンライン授業実施をきっかけに、これまでお互いの授業にあまり関与することがなかった教員同士が連携をとっていくようにしました。

医用工学部では、吉田 薫教授を中心に、選択科目など学生の履修登録の状況と教員のオンライン授業の方法の双方をすべて調査し、その結果を教員間で共有して調整を行いました。さらに、学生からの「課題提出管理が難しい」という声にすぐに応え、LMS(学習管理システム)上で課題を調整し、学生は各自のカレンダーで課題の数や提出期限をたやすく管理できるようにも配慮しました(※2)。学生からは感謝の声が聞かれました。
また、学生の生活リズムとメンタル面を支えるために、1日1回は同期型(学生と教員、または学生同士のコミュニケーションがリアルタイムで行われる)の授業を行い、学生たちと画面上でコミュニケーションを取ることも組織的に組み入れました。
今後も教員同士の連携や学生とのコミュニケーションの流れを止めないようにするとともに、後期からはブレンド型(オンライン&対面)授業を実践してALの学びを継続しています。
 本学ではオンライン授業による学修が順調に進んでいることについて、これらの取り組みに加え、学生のICTスキルの向上を図るとともに細やかな個別サポートを行ったことも成功の一因であると考察しています。今後もこうした教員同士の連携や学生とのコミュニケーションの流れを止めないように継続し、ポストコロナではオンラインと対面授業のブレンド型を模索していきます。

(※1)FD(Faculty Development):授業改善や教員の資質向上のための取り組み
(※2)桐蔭学園では幼・小、中高・中等教育、大学までの全学校種で4月よりオンライン授業を実施。5,319名の回答を得て、その結果を教育に活かしています。
【関連記事】
「在宅中の生活・学習状況調査」を教育に活用。学園内の幼稚園から大学までの大規模調査の結果、94.2%が「オンライン授業を受講・学習できる」と回答~学校法人桐蔭学園(2020.05.20)https://www.u-presscenter.jp/2020/05/post-43697.html

先生へのインタビュー

〔米坂 智昭 学部長〕 卒業式や入学式が中止となり学生、教員共に不安定な精神状態のまま非常事態宣言で、更に先の見えないトンネルに入りました。4月21日から授業開始を決定し、学生の健康状態やシステム環境、教員の授業準備など不安材料は山積しておりましたが、オンライン授業がスタートしました。1ヶ月が経過しまだまだ改善すべき点はありますが、授業を通じ学生の顔を直に見ながら会話できることが、心の支えとして最も大切であると思われました。 〔吉田 薫 先生〕 コロナ禍に至る以前にもICTの活用については検討されてきたのですが、既存のシラバスシステムであっても、全ての教員・学生が十分に活用できているとは言い難い状態であり、これを期に使いこなせるようになったことは収穫でした。 コロナ後も元の状態に戻るわけではなく、日々進化するICT技術を取り入れ活用し続けることが必要であると考えております。

授業の様子


受講生の感想

〔学生のコメント1〕三浦拓朗さん(3年生) 対面授業と同様に、教員の''顔''と''声''を視覚・聴覚的に情報化することができて、理解が進みます。オンライン授業では通学にかかる時間が節約できるので、学業へ専念することができます。履修科目によっては大量の課題が提示されることもありますが、私は「To-Doリスト」を作成し、可視化しています。 〔学生のコメント2〕(3年生) 普段の授業と同じような感覚でオンライン授業を受けられるので良いと思います。今の課題の量は適切だと思います。しかし、実習が開始すれば通学に時間がかかり、課題に取り組める時間が削られるため、このままの量を継続するのは厳しいかもしれません。


教員プロフィール:吉田 薫

吉田 薫

医用工学部 生命医工学科 ・ 工学研究科 医用工学専攻 教授

 吉田 薫 YOSHIDA, Kaoru – 教員紹介



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