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新入学予定者登校日(中等教育学校)──在校生による歓迎イベント

2/12(土)は中等教育学校の新入学予定者登校日です。晴れて桐蔭学園に合格した小学校6年生の皆さんがシンフォニーホールに集合しました。ホールでの歓迎会イベントは、在校生(1・2年生)の有志が企画・立案してくれたものです。

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去年の12月、1年生10名、2年生17名が中心メンバーとなって企画がスタート。1月の半ばまでは教室で「ティーパーティー」を行うつもりで計画を進めてきました。

ところがその後、コロナの感染拡大により、教室での実施は断念せざるをえなくなりました。オンラインでの実施も考えましたが、最終的には感染対策を万全にしてシンフォニーホールで実施する運びとなったものです。

歓迎会は、生徒会長とキリリンとの掛け合いでスタート。息の合った(?)ところを見せてくれました。

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司会進行はすべて在校生の手によるものです。

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途中、桐蔭学園に関するクイズも。

「中等前期生が生活する校舎は何と呼ばれている?」「桐蔭学園の学園歌は何番まである?」「桐蔭中等1年生は週時間の授業がある?」などなど。正解と思う選択肢の色のカードを掲げて回答します。

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大変楽しく、温かな歓迎会となりました。

「実質2週間で、子どもたちが教室での企画案をホールでの案に手直ししていくさまは、先の見えない不確定な時代に対応していく、リアルな学びとなりました」──企画をサポートした教員の言です。

【最後はメンバー全員でご挨拶】

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不確定な時代に対応できる力、そして多様性を身につけた人物への成長を願って男女共学化した中等教育学校も3年目が過ぎようとしています。今回の歓迎会を通じて、すでにそのような力を備え始めた在校生たちの姿を見たような気がして、誇らしい思いです。今後の成長を心から楽しみにしています。

本日参加してくださった6年生の皆さん。そんな私自慢の桐蔭生たちが、皆さんのご入学を心待ちにしています。どうか4月を楽しみにしていてください。

【歓迎会終了後、ステージ裏でメンバー全員と】

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高校入試を実施しました

2/11(祝)、高校入試を実施しました。前日から当日にかけての降雪予報により、念のため試験開始時刻を4時間繰り下げての実施です。受験生の皆さんには余裕をもって登校していただけたかと思います。

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朝7時ごろの桐蔭学園の様子。グラウンドの一部にはうっすらと雪が積もっていましたが、試験への影響はありません。

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受験生の皆さんの通り道には融雪剤をまいておきました。

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急遽、E棟食堂を昼食がとれる場所として用意しました。暖かくして受験生の皆さんをお迎えします。

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〇桐蔭を受験してくださった中学生の皆さんへ

今から20年後、どのような社会になっているでしょうか。今以上にグローバル化が進み、人工知能(AI)の技術も進歩することでしょう。しかし、将来どのような社会になるか、正確には誰にもわかりません。ただ、唯一はっきりとわかっていること──それは「今とは違う社会」になるということです。

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中学生の皆さんは「今とは違う社会」を生きるのですから、現在の価値観やそのもとで形成されたスキルばかりに頼っていてもあまり意味はありません。どんな変化にも対応できる力を手に入れることが大切なのです。私はこの力は「しなやかさ」だと思っています。次の時代を生き抜くために必要な力(「強さ」と言ってもよいかもしれません)は、「鋼のような強さ」ではなく、「しなやかさ」だと思うのです。

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自分の中の「しなやかさ」を育てるためには、多様性を理解すること。そのためには、多くのことを経験し、多くの人と接することが大切。多くの人の話をよく聴いて、その人に自分の考えを伝える──これが自分の世界を広げ、多様性を理解することにつながります。そう、間もなく中学校を卒業する皆さんが、コロナ禍によって今まであまりできなかったことです。

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どうか高校では多くのことを経験し、多くの人と接してください。そして、自分の「しなやかさ」を育てていってください。小さな金魚鉢に入れられた金魚は小さいまま、大きな金魚鉢に入れてあげると大きく成長するそうです。高校では、ぜひ自分の世界を広げていってください。

公立高校の受験を控えている皆さん、体調を万全に整えて頑張ってください!

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高校を受験する皆さんへ

2/11は桐蔭学園高校の入学試験です。高校受験生の皆さん、今どのような心境ですか。

私(岡田)が桐蔭生によく話すエピソードを紹介しましょう。高校3年生を担任していたときのことです。

毎年1月の土日に行われる大学入試センター試験(現在の大学入学共通テスト)の当日、私は桐蔭生の試験場となったある大学の正門前で、次々にやってくる生徒たちを激励していました。すると、よく見知ったA君がこちらに向かってくるのが見えました。いつも友人たちと賑やかにやりつつも、学習に対しては人一倍集中力をもって取り組んできた生徒です。いつも通り、仲間と一緒にワイワイやってくるのだろうと思いきや、この日はひとり。

【下の写真は12月に行われた学園祭の様子】

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私の前に立ったA君は、口を真一文字に結び、顔はこわばり、握手する手はぎこちない。緊張しきっているのが痛いほどわかります。たしかにセンター試験の出来が合否に大きく関係するといわれる国公立大医学部志望のA君が緊張するのは無理もありません。ただ、この緊張度合は尋常ではない。結果は…惨敗でした。

本番では、練習で出来なかったことが出来るなどという奇跡は起きません。今までに培ってきた力を100%発揮できるかどうかにかかっているのです。そのためには、試験場という「非日常」に、いかに「日常」を持ち込めるかがカギになります。A君が失敗してしまった原因として、受験を特別視してしまったあまり、完全に「非日常」モードで突入してしまったことがあります(後日、見事第2志望の国立大医学部に合格したA君もそのように自己分析していました)。

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いつも仲間と賑やかに過ごすタイプなら試験当日もそうすればよいし、逆にひとりで行動することが多いタイプならやはりそうすればよいのです。受験に向けて気持ちを持ち上げることはもちろん大切です。しかし、試験場に「日常」を持ち込み、普段の力を100%発揮するためには、受験をあまりにも特別視することは禁物です。

いよいよ高校入試が始まります。皆さんの「日常」を胸に秘めて、がんばってください。

※入試の前日(10日)から当日にかけて、降雪の予報が出ています。状況次第では試験時程に大きな変更が生じる可能性もあります。前日10日に学園公式ウェブサイトの「TOIN HEADLINE NEWS」および桐蔭タイムラインにてお知らせする最新情報を、必ずご確認ください。

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中等教育学校入試(第3回)

2/5(土)、中等教育学校の第3回入試が行われました。中等教育学校の入試はこれが最終回となります。

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〇なぜ勉強するの?

「何で勉強するの?」──お子様にこう尋ねられたことはありませんか。尋ねられたとき、信念をもって答えることができましたか。

なぜ勉強するのか。これは教員である私たちが、生徒たちからしばしば受ける問いの一つです。

私が教員になりたてのころ、やはり生徒にこう尋ねられて、それなりに自分の考えを伝えるものの、どこか奥歯にものが挟まったような言い方になっていることが気になっていました。自信がなかったのでしょう。

このことを当時担任していたクラスの保護者会でお話ししたところ、ずっと後になってある保護者の方から手紙をいただきました。そこには「先生が以前おっしゃっていたこと、私もずっと考えてきましたが、ようやくその答えが見つかりました。『感動するため』ではないでしょうか」という趣旨のことが記されていました。

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ストンと腑に落ちました。私たちは新しい物事を知ったり、今までわからなかったことがわかるようになると、「ああ、そうだったのか!」という感動を得ることになります。大げさではなく、この感動とは自分を新しい世界へと導いてくれるものです。新しい世界を知るということ、これが学ぶことの意義なのです。そして、感動を積み重ねていくことが「夢」へとつながるのです。

受験勉強を通じて、お子様は「ああ、そうだったのか!」という感動を重ねてきたはずです。それだけでも中学受験には大きな意味があったのではないでしょうか。

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そんなお子様の中学受験も終盤を迎えています。

受験をすると決めたその日から、お子様は本当に努力を重ねてきたことでしょう。好きなスポーツや習い事を封印したり、思うように成績が上がらずに落ち込んだり。遅くまで塾で勉強し、家族と一緒に夕食を囲む機会も減ったり。人知れず涙した日があったかもしれません。

どうかお子様を誉めてあげてください。お子様のがんばりを最も近くで見てきたお父さんお母さんでなければ響かない言葉がきっとあるはずです。その言葉こそがお子様の自己肯定感を醸成するのです。結果はどうであれ、中学受験を大切なお子様の成長の大きなステップにしてください。

中学受験を通じてお子様が成長すること──私たち桐蔭学園の願いです。

桐蔭学園中等教育学校を受験してくださった皆さま、本当にありがとうございました。これから始まる新しい生活が素晴らしいものとなることを願っております。

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中等教育学校入試(第2回)

2/2(水)、中等教育学校の第2回入試が行われました。本日は午後実施、穏やかな天候に恵まれました。

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〇受験生としての「顔」

桐蔭学園の入試では、保護者の方が付き添うことができるのはシンフォニーホールの前まで。そこから先は受験生が1人で受付、そして試験場へと進むことになります。試験が終了するまで、保護者の方と会うことはできません。

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お子様の肩を抱いて励ますお母さん、グータッチをして送り出すお父さん、そして顔を紅潮させて少し足早に受付へと向かうお子様──毎年、このシンフォニーホール前での光景には大きく心を揺さぶられます。

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子どもが補助輪なしで自転車に乗れるようになった日──半べそをかきながら何度もトライし、ついにこちらが荷台から手を放したタイミングで自力でしっかりとペダルを踏みこんだ瞬間の、胸が熱くなる思い──これを思い出すのです。

保護者の皆さん。1人で試験場へと向かうお子様、さぞかしご心配でしょう。でも大丈夫。お子様はしっかりやっていますよ。私たち教員が見ています。

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お子様の行動範囲が広がるにつれて、「場」の数が多くなっていきます。幼いころはそれこそ家庭が「場」のすべてであったものが、保育園・幼稚園という「場」、小学校という「場」、友人関係、習い事や塾…といったように次第に多彩になっていくのです。そしてお子様は、それぞれの「場」におけるそれぞれの「顔」を持つようになります(これは決して悪い意味ではありません)。お子様の人格は、この「顔」の集合体から形成されています。

今回、お子様には中学受験生としての「顔」が加わりました。保護者の方が知りえないお子様の「顔」です。これは、半べそをかきながら自転車の練習をしていたころとは違う、凛々しく逞しい「顔」です。成長とは、多くの「顔」を持つようになることなのかもしれません。それだけ多くの「場」(=世界)を知るということ。

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保護者の皆さん。新たに受験生としての「顔」を得たお子様に対してできること──それはお子様が帰ってきたときに温かく迎えてあげることです。自分の力でペダルをこいで新しい世界を見てきたお子様を、両手を挙げて、笑顔で、迎えてあげてください。「よくがんばったね。頼もしいよ!」──この一言で十分。生まれたときから持っている、家庭での「顔」に戻れる瞬間です。

これがお子様の自己肯定感につながります。

本日受験してくださった受験生の皆さん、保護者の皆さま、ありがとうございました。

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中等教育学校入試(第1回)

2/1(火)、いよいよ中等教育学校の入試が始まりました。本日は午前、午後両方の入試が実施されました。

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〇中学受験の意味?

毎年、桐蔭学園では中等5年生・高校2年生を対象とした、5人の著名な卒業生によるパネルディスカッションを開催しています(コロナ禍の中では開催できていませんが)。その中のお1人は、桐蔭に在籍していた6年間、周囲の森林に入っては虫を採集し、その名前を覚えたそうです。また他の方は、3年間で相撲関係の本を400冊読破したそうです。そして、このお2人は口をそろえて「中高時代の経験に無駄なものなど一切ありません」と断言されます。

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教員としての経験の中で、次のようなことを口にする生徒にしばしば出会います。

「今やっていることに何の意味があるのかわからない。無駄だ」

先のお2人は、虫の採集をしているとき、相撲の本を読んでいるとき、果たして「意味がある」と思っていたのでしょうか。「将来役に立つ」と信じていたのでしょうか。

たとえば修学旅行や合宿などの学校行事。それが現在進行形で行われている間は、その意味などわからないでしょう。現役の小学生に「小学校生活の意味は何か?」などと尋ねてもわかるはずがありません。今やっていることの意味は、今はわからない。すべてが終わったとき、初めてその意味がわかるものなのだと思います。

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ただ、意味がわかるようになるためには、そのことについてふり返ることが必要。あることを「体験」したら、それをそのままにすることなく、しっかりとふり返る。こうすることでその「体験」が「経験」となり、自分の中に蓄積されます。「体験」をそのまま放っておくと、蓄積されずに消え去ってしまいます。体験が、それこそ「意味のない」ものになってしまうのです。

中学入試の真っただ中にいる受験生には、なかなかその意味はわからないもの。それでよいのです。大切なことは、すべてが終わったときに、しっかりとふり返りをすることです。中学受験を「体験」したことで自分はどう変わったのか。これを自覚することで、中学受験の「体験」が「経験」となって蓄積されます。

それが成長です。

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本日受験してくださった受験生の皆さん、保護者の皆さま、ありがとうございました。

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