桐蔭横浜大学

桐蔭横浜大学Toin University
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教育・授業実践

ハイフレックス型授業で医療従事者を育てる
Vol.14 吉田 薫 先生(医用工学部)

掲載日:

 「臨床免疫学」は医用工学部 臨床工学科3年次に履修する専門科目です。昨年度はブレンド型授業(オンライン&対面)で実施され、その教育実践経験を踏まえて今年度はハイフレックス型(対面+オンライン+オンデマンド)で授業を行っています。この授業を担当する吉田 薫先生は、生命医工学科 ICT委員としてハイフレックス型授業の積極的な導入を提案されています。
 このような先進的な教育実践に取り組まれているだけでなく、学生中心の考えを日々の教育活動に反映されています。例えば、新型コロナウィルス感染状況により対面授業実施が困難になることを学生に予め伝えた上で、ハイフレックス型授業の進め方を初回授業で丁寧に説明されていました。また、Google Formによるアンケートや小テストの実施により、学生の学びの進捗状況を詳らかに把握されていました。
 取材にあたった第3回講義では、「細菌感染に対する防御反応における抗体産生」というテーマで授業が行われました。東京都の緊急事態宣言発出と神奈川県のまん延防止等重点措置を受けて対面授業からオンライン授業に切り替えたため、吉田先生は学生が授業についてきているかをパソコンの画面越しに丁寧に確認しながら進めていました。
 授業では、新型コロナウィルスの正しい理解について触れるとともに、医療従事者を目指している学生たちに向けて、コロナ禍におけるその存在意義や意識について語りかけ、最後は医用工学部における学びに向かう姿勢について確認して講義を締めくくられました。この授業の内容や工夫点などについて吉田先生にお聞きしました。

先生へのインタビュー

取材班:本授業の目的と主な内容を教えてください。

吉田先生:細菌感染における生体の防御の仕組みについて理解する授業で、前回までに学習した、“外敵”を認識して、それに相応しい免疫反応が引き起こされるまでの細胞および生体分子の制御機構の大まかな流れを確認します。そして、そのうちの“抗体”が関与する“液性免疫”について、関与する細胞の増殖・活性化および生体分子の産生制御機構を理解していきます。

取材班:この授業での学生の学びについて教えてください。

吉田先生:ともすれば「暗記科目」と捉えられがちな分野ではあります。もちろん、知識として習得しなければ始まらないことは事実ですが、用語の逐一の記憶だけでは理解したことにはなりません。そこで、記憶するときには「ストーリー」として、他人に語れるようになることを目標にするよう指導しています。今回は、ここまでの「ストーリー」の一部を補完する形で、理解したことを表現するレポート課題を課しています。

取材班:授業での工夫点について教えてください。

吉田先生:授業はハイフレックス型で行っているので、学生はその時に自分に合った形式を自由に選択して受講できます。授業への参加度は、講義中のこちらからの問いへの発言、Zoomのチャットや桐蔭ユニパのQ&A、メールを用いた質問等で評価していきます。どの形式で受講しても同じように授業内確認テストを受験できるよう、テストも桐蔭ユニパからオンラインで行っています。

授業の様子


受講生の感想

細川 柚乃さん(臨床工学科 3年生)
 臨床免疫学では高校生物で学習したことを更に詳しく学ぶことができます。私たちの免疫システムがどのように機能しているのか、また、私たちが健康でいられるのにはどんな仕組みがあるのかを学んでいます。細菌とウィルスの違いについては、昨今の新型コロナウィルスにも繋がる部分があります。知識があるとないとでは見え方も考え方も変わるので、興味を持ちながら学習に取り組んでいます。先生に教えていただく毎回の授業や理解度チェックテストなどでは、また改めて自分で勉強することで知識が増えて身につくと思うので、これからも臨床免疫学の授業に興味を持って知識を広げられるように、日々励んでいきたいです。
 今はコロナ禍によって学校で対面授業を受けることは難しいので、各オンライン授業での課題やレポートと第二種ME技術実力検定取得に向けて自宅での取り組みとなっています。対面授業で先生から聞くことができる補足内容など、直接聞いて得られるものは以前よりは少なくなっていますが、オンライン授業で習ったことを課題を通してもう一度復習できる点は、私にとって非常に良いものとなっています。今学んでいることは検定取得や国家試験に必要になっています。分からないことは先生や友達に相談して教えてもらうことで知識も増え、そして合格に繋がると考えています。臨床工学技士として貢献できるように怠らず勉強に取り組みたいと思います。

田村 天志さん(臨床工学科 3年生)
 臨床工学技士を目指す上で、私たちの体内で行われている現象および自己免疫反応を理解することは大切であると考えています。現在受講させていただいている臨床免疫学では、細菌やウィルスに感染した状態における体内の化学反応を学んでいます。講義内容は決して容易ではありませんが、今もなお、世界を苦しめている新型コロナウィルスに直接関わる内容でもあるため、大変勉強になります。また、この科目を受講するにあたって、「はたらく細胞!!」という漫画・アニメが授業内容と上手く組み合わせやすく、楽しさを通して理解度がさらに向上するため、私自身はアニメも介して知識を深めています。
 しかし「マスクをする生活」、これらは昨年度の初期頃には考えもしない光景でした。新型コロナウィルスは私たちの生活を大きく変えてしまい、感染拡大、そして三度目の緊急事態宣言を迎えている今、「やっと大学に行けた」と思っていた日々が再び遠くなってしまいました。昨年度は第2種ME技術実力検定試験(以下ME試験)が中止となって非常に悔しい思いをし、大学の授業では実習以外はオンラインで行い、まだ慣れない中で課題にもたくさん取り組みました。今年度からはME試験の対策講義が設定されて、先生方も気合を入れて指導なさっていることを強く感じます。現在はそれもオンライン化などの措置がとられていて、対面授業と比較するとどうしても授業中のリアクションが取りづらいこともあり、聞く側になってしまう場面もあります。このような環境下での勉強は正直、大変で辛く感じることもありますが、このような時代の私たちしか感じ取ることの出来ない経験かもしれないので、今後も勉学に頑張るとともに、新型コロナウィルスの早急な収束と、日常化してしまった非日常に打ち勝つことを心から願っています。


教員プロフィール:吉田 薫

吉田 薫

医用工学部 生命医工学科 ・ 工学研究科 医用工学専攻 教授

 吉田 薫 YOSHIDA, Kaoru – 教員紹介



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