桐蔭横浜大学

桐蔭横浜大学Toin University
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教育・授業実践

コロナ禍でも臨床検査に必要な知識と技術を学べる実習
Vol.16 大辻 希樹先生・蓮沼 裕也先生・濤川 唯先生(医用工学部)

掲載日:

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 「生命医工学セミナーⅠ/免疫・輸血学実習」は医用工学部 生命医工学科 臨床検査学専攻の学生が3年次に履修する専門の実習科目で、臨床検査技師国家試験を受験する上での必修科目として学んでいます。取材したこの日は“輸血学実習~ABO式血液型~”というテーマで、実際に病院で行う臨床検査(未知サンプルの血液型判定)を想定した実習を行いました。学生は、授業の予習として事前に配信した動画教材で学んだ上で実習当日を迎えます。これによって、学生は免疫検査学の原理や手技等を授業前に何度も見て学ぶことができ、必要な知識をインプットした上で実習に臨むことができます。

 実習の冒頭では、蓮沼先生が動画(学生に事前配信済)を用いて血液型を判定する実習の手順や留意点等の説明を行い、学生は配布された実習書と照らし合わせながら確認していました。そして、学生は実習に入る際には感染症予防対策として、マスクに加えてゴーグル着装が徹底されていました。これは、新型コロナウィルス感染症対策に限らず、実際の臨床現場で検査技師を様々な感染症から守るためにとられている方策とのことです。

 授業全体の流れは、授業担当教員が実習内容を説明した後、検査実習パート(手技と判定)を行い、その検査結果をもとに学生同士でディスカッションを行うというものでした。学生は学生間のディスカッションにとどまるだけでなく、大辻先生、蓮沼先生、濤川先生、助手の方々にも積極的に質問を行うなど、さらに学びを深めていました。

 この授業の内容や学生の学びについて先生方にお聞きしました。

 

先生へのインタビュー


――本授業の目標と主な内容を教えてください。

濤川先生:「生命医工学セミナーⅠ」(臨床検査学専攻)では、免疫検査学の原理と手技について修得することを目標としています。この実習で学生は、感染症検査、自己免疫疾患、腫瘍関連抗原および輸血検査について知識・技術を高めています。病院など、臨床の現場で行われている検査の知識と技術を身につけてもらうために、分野ごとに専門の教員が指導にあたっています。


――この授業での学生の学びについて教えてください。

蓮沼先生:臨床検査技師は現場に出ると、決められた手技を忠実に行って正しい結果を出すことが求められます。この実習で行っている輸血検査は、操作や結果判定を間違えると患者の命に直結する重要な検査です。そのため、正しい手技をしっかり習得してもらうよう、学生の手技も注意深く確認しながら指導をしています。これは、きめ細やかな少人数教育の利点であると感じています。学生には、命に関わる重要な検査であるという意識づけと、正しい技術を学んでもらえていると思います。


――授業で取り組まれている工夫について教えてください。

大辻先生:実際に現場に出ると、この分野の検査の多くは自動化されていて、ブラックボックス化してしまいます。そこで、免疫検査学の原理を深く学ぶために、敢えて古典的な方法を用いて実験を行う実習プログラムを組んでいます。これは卒前教育でしかできないものだと考えています。また、実験結果を基にディスカッションすることを大いに推奨しており、実験手技や結果の考察について多角的に考えられる機会を設けています。

授業の様子


受講生の感想

[以下、生命医工学科 3年生の感想]

小澤拓歩さん
 生命医工学セミナーⅠでは、医療機関で実際に行われている検査方法などを学ぶことができます。実験は事前に配布される実習書に従って先生の説明や指示を受けながら行い、その内容も病院などで使われている検査方法です。実際の医療現場と同じ器具や試薬を使用するので、検査の原理や手順、目的などが理解しやすいです。また、実験は4人班で協力しながら行うので、わからないことがあった場合には相談や話し合いができます。自分とは違う視点から検査方法を理解している学生もいるので、その意見を聞くことで自分の理解をより深めることもできます。先生からは手順などをまとめた説明動画が事前に配信されるので、それを見て実験の方法を確認しながら学習することが可能です。このように、学生が理解しやすいように様々な工夫がされている実験だと思います。そして、この科目を履修することを通して、自分から学びに行き、原理や目的を理解していくという姿勢が大切なのだと実感しました。とても大切な科目だと思います。

長友 一真さん
 本講義では、実習前に先生から配信される事前学習動画を視聴して、より知識を身につけた状態で実験に臨むことができるので、楽しみながら真剣に取り組むことができています。
 ABO式血液型などで判定していくにあたって第一に考えなければならないのは、ヒューマンエラーを無くすということです。医療現場では患者さんに輸血を行うまでに多くの過程があり、それぞれに検体の取り違えなどの危険性があります。もし、そのようなことが起きてしまうと、患者さんの命に関わる重大な問題となってしまうことが考えられるので、実習中には現場のような緊張感を持ち、二人一組となって確認を怠らないことを意識するようにしています。病院や検査センターなどでは迅速に、かつ丁寧に作業を行わなければならないと思うので、しっかりマスターできるように頑張りたいと思います。
 
能條 帆加さん
 今回の輸血実習ではABO式血液型を行いました。実習の前には事前学習として、操作方法や原理などの説明が5分~30分くらいの動画として配信されます。何も理解していない状態で実習に参加するのではなく、逆にわからないところを実習中に自分で手を動かして行うので理解に繋げやすいと思います。ただ紙に書いてあるものだけを見ていてもイメージが湧きにくいですが、動画があることでイメージも持ちやすく、自分が何をしているのかがわかるとすごく楽しいです。
 2年生の頃の授業では、その先の学習への繋がりをイメージすることが難しかったけれども、3年生になった今では、「あ、これって今までにやってきやつだ。」というように少しずつ繋がりを感じることができています。将来は、言われたことだけをするのではなく、先を考えられるような検査技師になりたいと思っています。そのために、今学んでいることを基礎にし、それを応用に繋げられる考え方をするように心がけています。
 この学科で専門科目を学んでいくと、「これはどうしてこうなるのか」「これは必要なのか」というところまで考えるのが楽しくなっていきます。自分が理解して説明できるところまでいくと、もっと深く考えてみようと思うようになります。私は他の人より深く考えてしまうことが多くありますが、これからもその考えを大切にして取り組んでいきたいと思っています。


教員プロフィール:大辻 希樹

大辻 希樹

医用工学部 生命医工学科 准教授

 大辻 希樹 OHTSUJI, Mareki – 教員紹介



教員プロフィール:蓮沼 裕也

蓮沼 裕也

医用工学部 生命医工学科 専任講師

 蓮沼 裕也 HASUNUMA, Yuya – 教員紹介



教員プロフィール:濤川 唯

濤川 唯

医用工学部 生命医工学科 助教

 濤川 唯 NAMIKAWA, Yui – 教員紹介



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