桐蔭横浜大学

桐蔭横浜大学Toin University
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教育・授業実践

入学前キャリア教育プログラム「桐蔭プレアド」第2回講座(ハイブリッド型)いまの自分を未来につなげる学び 自己の再確認を仲間との対話で共有
Vol.23 松井 晋作先生・溝口 侑先生(教育研究開発機構)

掲載日:

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 2月5日(土)に入学前キャリア教育プログラム「桐蔭プレアド」第2回講座(対面受講44名・オンライン受講140名)が行われました。今回もまん延防止等重点措置期間中でしたが、早めに講義室に集まった受講生同士の会話が弾むなど、初回にはなかった和やかな雰囲気が感じられ、今回が初参加となるチューター(教職員・学生)の紹介が行われました。開始時刻が近づくとオンライン受講生が続々とZoomに入室し、講座はアイスブレイク(自己紹介)と前回の復習から始まりました。受講生は事前にオンデマンド動画を見て取り組んだ課題(キャリアデザインシート)をGoogleフォームで提出します。対面・オンラインともに各4名のグループに分かれ、自分が事前学習で取り組んだキャリアデザインシートを基に互いに課題内容を共有していきながら、十分なコミュニケーションを取っている様子が見られました。また、授業前には松井先生が改めてプログラムの流れを確認し、「反転学習」での学習の進め方を説明しました。さらに、学びを深めるために、講義を聞くときやグループワークでの「メモの取り方」についての説明がありました。

 「いまの自分ができること(得意なこと)、できないこと(苦手なこと)」に焦点を当てた第2回講座の様子などについて、先生方にお聞きしながら紹介します。

先生へのインタビュー


――第2回講座の主な内容を教えてください。
松井先生:初めにアイスブレイクとしての自己紹介を行い、前回の内容の復習に続いて今回の授業内容の説明を行いました。その際、人の話を聞くときに大切なポイントとなる“メモの取り方”と、事前にオンデマンド動画を見て課題を行う“反転授業”という学び方について説明しました。今回は自身のキャリアデザインシートを基に現在の自分(得意なこと・苦手なこと)を再確認して、「自分の得意を伸ばして苦手を克服していこう。そのためにはどうしたらよいだろうか。」という意識につなげる流れです。「なぜ、もっと得意になりたいのか?」「なぜ、苦手を克服したいのか?」と考え、さらに「どうやったらもっと得意になれるのか?」「どうやったら苦手を克服できるのか?」という観点に進みます。  このような事前課題の内容を対話によって共有することで、自分の経験と他者の経験の違いや同じ部分を知り、その中で今後の自分に参考になる点を見つけたり、一緒に活動したい仲間ができたりします。このように、他者の得意なことや苦手なことを聞く機会は、受講生にとってこれまでに経験したことのない貴重な時間になったことと思います。  複数回のグループワークを通して、良いコミュニケーションの取り方や発表の仕方に触れ、自己効力感の高め方とポートフォリオについても説明しました。最後に、授業のまとめと次回までの課題を提示して終了しました。


――桐蔭プレアドの特長や工夫されていることを教えてください。
松井先生:特長・工夫点の一つとして、受講生の学びへのサポート体制を整えていることがあげられます。講義時間外のサポートとして、本学教職員によるメールおよび電話連絡を行っており、初回講座以降にはSlackを併用した支援体制もあります。Slackでは本学学生チューターの対応もあるので、アドバイスや交流会(Zoom)の企画などを積極的に行っています。また、教職員によるメール・電話連絡は、プログラム申込みの受け付け時点からスタートしています。事前の問い合わせや確認などに対応しながら受講希望者・保護者との連携をとり、桐蔭プレアドの主旨を理解してもらえるようにしています。さらに、受講申込みをした生徒が在籍している高校にもプログラムの案内・説明を行い、本学教育の周知理解をお願いして連携をとるように心がけています。プログラム最終回(対面講座)には受講生全員が自身の学びの成果を発表するので、高校の先生方にもキャンパス内にてご覧いただくことを予定しています。


――本プログラム(桐蔭プレアド)受講生の学びについて教えてください。
松井先生:桐蔭プレアドの到達目標は次の三点で、これらを達成できるように学びます。 「大学での学びについて理解することができる」「自らを振り返り、自身の状況や考えを表現することができる」「大学で学ぶ自分をイメージしながら、積極的に学びに取り組むことができる」  プログラムを受講することによって、入学前に感じている新しい学びや生活への不安や心配が解決できるだけでなく、大学生活や将来への期待感や目標が明確になっていきます。学部・学科を問わず仲間を作ることができるプログラム構成と環境に加え、教職員や本学学生チューターのサポートは受講生にとって心強いと思います。  そして、「桐蔭プレアド」は入学後の必修履修科目の置き換えとなっているので、受講生へのサポート体制を充実させてプログラムが進められます。各講座で与えられる課題にはオンデマンド動画を見て取り組むので、反転学習という大学での学びを経験することになります。  本プログラムでの最大のテーマは「ライフキャリア(自身の人生を振り返ること)」です。大学生になる前(小学校・中学校・高校時代)にどんな過ごし方をしてきたのかを自身で振り返り、仲間との対話を通して互いに共有することによって他者を理解することを経験します。「自分ができること」と「やるべきこと」を考えながら、社会のことを知って「やりたいこと」を探していき、「大学でどう成長したいか」をしっかりと意識します。  そして、本プログラムで積極的に行う仲間との協働活動を通して話の聞き方、発表の仕方、意見のまとめ方などを学びながらプレゼンテーション力を高めていき、社会に出る時の準備につなげます。

授業の様子


受講生の感想

*( )内は入学予定の学科 [対面受講生] S.I.さん(スポーツ教育学科)  第二回目のプレアドでは、第一回目の時に仲良くなった人とまた会えたりしたので、かなり気が軽くなって前回よりも楽しく参加できました。でも、そんな中で一つ、自分の中で課題が見つかりました。それは、自分の意見をわかりやすくまとめて簡潔に伝えることができない点です。なので、次回のプレアドでは言いたいことが言えて、その上、短く相手にもわかりやすく伝わるように心がけていきたいと思いました。 K.M.さん(スポーツテクノロジー学科)  第一回目の講座でのグループ活動より緊張がなく、中学校の友達とばったりグループで同じになったおかげか、言葉がスムーズに話せるようになった。スポーツをやっていた人が多く、ほとんどの人が得意なことに「コミュニケーションをとること」と言っていた。また、苦手なことは「集中力がなく勉強が続かない」などで、得意なこと苦手なことが共通していた。コミュニケーションをとることが苦手な自分は、得意な人にどうして得意なのかを重点的に質問したので、克服するためのアドバイスとなってとても面白かった。 M.S.さん(スポーツ健康政策学科)  今回は、自分の出来る事・出来ない事について話し合いました。その中でまず、人の意見をペンで色分けをしてメモを取ることが大切だと思いました。そして、自己効力感が高まれば「挑戦してみようと」いう気持ちや、「自分なら必ず出来る」という気持ちが高まると思いました。 K.H.さん(生命医工学科)  前回の授業とはみんなの雰囲気が少し違い、話しやすい空間になっていました。なので、自分の意見を率直に言えたり、相手に質問したりと、コミュニケーションを多く取り合うことが前回より容易に出来ました。自分と他の方との得意なこと苦手なことは全然違ったので、その人を理解出来たし、自分のことにも知れた気がします。 [オンライン受講生] K.K.さん(スポーツ教育学科)  前回同様に自分と違う考え、同じ考えの人の話を聞けたので、「こういう考え方もあるのか」と、また一つ学ぶが出来ました。また、資料をただ、そのまま読むのではなく、自分の言葉にして人に説明することの難しさを再確認出来ました。メモの重要性にも今回の授業で気づけたので、次回から積極的にメモを取ろうと思います。 K.T.さん(スポーツテクノロジー学科)  二回目ということもあり、一回目の時と比べてスムーズに話し合いができたと思う。得意なこと、苦手なことが皆それぞれ異なっていたので興味関心を持った。そして、自分の長所短所を述べることで、より一層、自分自身のことを知れると感じた。また、メモを取る事によって頭に残りやすくなり、深く学べたと思った。 M.R.さん(スポーツ健康政策学科)  大学の授業では、共に学ぶ人が様々な方面から集まっていることもあり、育った環境などの異なる人と意見交換ができたのは、今までにも無い機会だったし、今後も増えてくることだと思ったのでとてもよかった。今後はそういった人達からの意見をたくさん聞き、幅広い知識や考えを持てるようになっていきたい。 T.M.さん(生命医工学科)  私は人前での発表に苦手意識があるので、同じグループの人の「皆、緊張するのは当たり前だと思って挑戦してみる。」という言葉が印象的でした。また、授業を通して、人によって得意不得意は様々だということを改めて実感し、皆がそれぞれの得意なことを活かして協力し合えたら素晴らしいのではないかと思いました。 Y.A.さん(臨床工学科)  今日の授業では前回よりも内容を突き詰めてグループワークをしたので、グループ内でもたくさんの話や考え方などが飛び交い、二回目ということもあって、みんなが慣れた雰囲気で話し合いができたと思います。次回も更に、グループワークのレベルを上げられたらと考えています。 S.D.さん(法律学科)  今回の授業では、自分の得意・苦手なことを照らし合わせながら、多くの人の話を聞きました。得意なことが異なったり、苦手なことが一緒だったりする人もいたので、自分との共通点を発見できて親近感が湧きました。また、苦手なことの克服の仕方を多くの人からアドバイスして貰ったので、これから実践していきたいと考えています。


教員プロフィール:松井 晋作

松井 晋作

教育研究開発機構 専任講師

 松井 晋作 MATSUI, Shinsaku – 教員紹介



教員プロフィール:溝口 侑

溝口 侑

教育研究開発機構 特任専任講師

 溝口 侑 MIZOGUCHI, Yu – 教員紹介



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