桐蔭横浜大学

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教育・授業実践

入学前キャリア教育プログラム「桐蔭プレアド」第5回講座(ハイブリッド型)“未来予想図”で語り合うグループワーク 学校から仕事社会のトランジションを意識させる
Vol.26 松井 晋作先生・溝口 侑先生(教育研究開発機構)

掲載日:

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 3月14日(月)入学前キャリア教育プログラム「桐蔭プレアド」の第5回講座が行われました。今回が最後となるハイフレックス講座に44名の対面受講生と132名のオンライン受講生が参加し、事前課題で作成したキャリアデザインシート「わたしの未来予想図」を基に、将来の“なりたい自分“の姿をグループで語り合うプログラムが展開されました。

 いつものように松井先生の呼びかけで出席確認、職員チューター(2名)の自己紹介、復習ポイントの確認、グループワーク(アイスブレイク・自己紹介)と進み、受講生による事前課題の発表とグループワークで、その内容を共有していきました。

 松井先生は発表者と対話を行う中で、その内容や思いを受けとめたうえで話題の範囲や内容をさらに豊かにしながら、受講生全員に伝わる情報として伝えていました。対面受講・オンライン受講ともに経験を重ねて意見が活発に交わされた第5回講座について、先生方にお聞きしながら紹介します。

 

先生へのインタビュー


  第5回講座の主な内容を教えてください。

松井先生:今回の内容は、第4回講座までの経緯を踏まえて、「今、自分が考えている将来の“なりたい自分”の姿を考えてみること」が主題でした。事前課題として取り組んだ資料「興味関心を持った職業について調べる」「10年後の未来予想図を書く」を基に、それぞれのテーマでグループワークを行い、そこでは他者の発表に対して質問することで、よりキャリアを意識する活動を行いました。相手の思いやその理由などを聞くことで、発信力・傾聴力などの伸長につながります。そして、未来予想図は書くことで終わりではなく、「具体的に実践できる目標を定める」「定めた目標を今から達成のために活動する」ことを意識して、「今、すでにやっていること」に未来の自分との距離を認識させる、2つのライフを意識した学びを展開しました。
 また、この日のグループワークでは、「自分の考えを自分の言葉でまとめ直して仲間と共有する」こともまた目標とすることで、プレゼンテーション力の向上を図りました。これらの学びの成果をまとめていき、講座最終回では全員がポスターセッションで発表します。その構想を練っておくことを含めて、次回までの課題を提示して終了しました。
 「10年後の“なりたい自分”を達成するために、大学4年間でやるべきことをしっかりと考えておくことが大切である」と伝えました。


  第5回講座に向けた事前課題のポイントと工夫点を教えてください。

松井先生:今回の課題は「未来の自分を考える」「職業について考える」の二つで、この課題をもって次回(第6回講座)の授業、および、これまでの授業で行ってきた成績の半分が決まるので、入学後の単位付与認定のために非常に大事な課題となることを伝えました。キャリアデザインシートでは「10年後の未来予想図」の作成でした。
 また、職業については二点ありました。一点目は「興味」「仕事価値観」の両方の検査を診断し、その結果を自分の言葉でまとめるもので、ポイントは「その結果から自分はどういうことに興味を持っていて、何を大切にしたい人間なのか」について考えてまとめることでした。二点目は、現在の自分が興味・関心を持った職業を一つ決めて調べ、簡単な説明をしたうえで、その職業についての個人的な経験や社会との関わり(自分の生活や仕事の社会的存在理由)を記述することでした。この課題については成績評価基準のルーブリックを提示し、その内容と目的、取り組み方のポイントについて説明することで、学校から仕事社会のトランジションを意識するように授業を行いました。大学では唯一の正解を答える問題だけではなく、課題を発見し、自分の考えや意見としてまとめる課題も多くあるため、それに取り組む全てのステップで大学からその先のキャリアを意識することの大切さを説明しました。


  学生チューターの皆さんについて教えてください。

松井先生:桐蔭プレアドにチューターとして参加してくれた学生は「モノクローム」という団体に所属しています。2021年度当初は「ピア・ラーニング部」として発足し、「一緒にみんなの桐蔭横浜大学を創ろう!」という教育研究開発機構の声かけの下に意欲溢れる学生が集まりました。主に、学生の学習支援、大学広報のサポート、オープンキャンパスのスタッフ、イベントの企画・運営補助等の活動をしていきます。学習支援には初年次教育およびプロジェクト系科目のサポートという役割があり、その一環として桐蔭プレアド(入学前キャリア教育プログラム)ではチューターとして力を発揮してくれました。
 入学した学生の皆さんが自己成長・自己実現を目指していくためのサポートはもちろんのこと、次年度以降のチューターを育てていきながら、学生同士が学び合う桐蔭横浜大学を創りだしていく活動でもあります。学びだけではなく、食事やフィールドワーク等で大学生活を楽しく過ごす時間も計画している「モノクローム」の顧問は、私が務めています。

授業の様子


受講生の感想

*( )内は入学予定の学科

[対面受講生]
K.T.さん(スポーツ健康政策学科)
 今回の講座では、もう友だちのような気楽な気持ちが増え、自分の主張や発表が段々としやすくなっていったことを感じた。講座の内容は自分が興味を持った職業や、それに就くためにしなければならない事で、自分のするべき事や大切にしなければならない事、目標などが明確になってきたことを感じた。

T.T.さん(法律学科)
 未来の理想的なビジョンをみんなと共有して一番に思ったのは、「学校教諭やインストラクター等、専門的な知識を他者に与える職業になりたいと考えている人が多いな」という事でした。自分は地方公務員が理想ではあるのですが、人と接してある種、専門的な話をするであろう職種だと思うので、ほかの人の意見は参考になりました。

[オンライン受講生]
T.N.さん(スポーツ教育学科)
 今回で一旦オンラインでの受講は最後でしたが、今まで通り全員の発表が終わったら質問をしたり分からなかったところを聞き直したりと努力しました。私の高校の特色で看護系が強く、周りの友達は大体医療系に進んでいたので、それしか今まで職業として見えてなかったのですが、今日、グループの人の話を聞いて、臨床工学技士やアスリートなど今まで考えもしなかった職業を目指している人がまだまだたくさんいることが分かりました。みんなと一緒に私も自分の夢に向かって大学で頑張りたいと思いました。

K.T.さん(スポーツ教育学科)
 今回はハイフレックス型での最終講義だったので、個人的にも慣れてきていると感じていました。それはみんなも同じだったと思います。かなり上から目線ですが、最初と比べると話をスムーズに進められるようになっていて、受講の成果があると感じました。自分の職業や興味のあるものについてみんなと話をすると、同じものが今回はひとつもなかったので新しい体験ができたと思います。職業について調べたことと、なりたい職業やこれからについて関連させながら話をしたので、みんなの考えていることを知ることができて面白かったです。

T.K.さん(スポーツテクノロジー学科)
 今回の講座はこれまでと違って課題内容が中心で、そこにはたくさんのことを書きました。10年後になっていたい姿や、そのために今やっていることなどをスプレッドシートに書いたり、文章だけで興味関心の職業とかについて書いたりしました。自分のことをたくさん書いてまとめたものをグループで発表しあったので、自分のことをみんなに詳しく知らせることができたし、他の人の価値観などもよく知ることができました。

H.A.さん(スポーツ健康政策学科)
 今日の授業では、意識高くなりたい職業に向かって準備を始めている人がいて感心した。興味のある職業について調べるのは面白く、そこからどんなことができるのか、そうなるにはどんなことをどんな意識でやることが最善なのかなど、色々と考えを巡らせて課題に取り組むことができたので、ある意味楽しかった。自分の未来については思考を止めることなく考え続けていきたい。

I.M.さん(生命医工学科)
 今回は、少しですが発表の際に自分が言いたいことを緊張しすぎずに言えました。その際に、聞き手の人がリアクションを取ってくれていたので、とても言いやすかったです。私も、次に聞き手になる時はリアクションをとっていきたいと思いました。

N.M.さん(生命医工学科)
 第5回講座を終えて、今までの4回の講座の中で一番発言するのが難しく感じました。今までに比べて、オンライン受講には慣れたし他の人と話すのにも慣れてきたのに、今回は将来について自分の考えをまとめて発言することが難しかったです。「もっとわかりやすくまとめられた」と、今考えると思いました。でも、他の人の発表を聞いて、話のまとめ方や将来について大切なことなど、いろいろな考えを学ぶことができました。

K.R.さん(臨床工学科)
 今回の講座では、自己の未来について考えました。この講座で、私は10年後どのように生き、何になりたいのかがわかり、また、その未来を実現させるためには何をすれば可能になるのかを、はっきりと決める事ができたと思いました。次回は今までの集大成であるため、自分の考えを自分の言葉で伝えていきたいと考えています。

Y.A.さん(臨床工学科)
 今回は最後のオンライン授業だったので、最初よりも会話がスムーズに進み、意見の出し合いや質問のレベルが上がっていると思いました。コミュニケーションが苦手な人でも自分の意見を相手に伝えて興味を持ってもらうことで、勇気を出して伝えてみることの大切さを感じることができ、それに伴ってグループワークのレベルが上がり、それぞれが達成感などを感じることのできる良い機会であると思いました。次の授業では対面授業になるので、何よりも大学の学びをより感じられる場となることをとても楽しみにしています。

A.K.さん(法律学科)
 今回は、未来に向けて10年後の自分を描く一歩を踏み出す力が磨かれました。前回で学んだ興味のある仕事「大使館スタッフ」を見つけ、私は、また新たなチャレンジが始まる予感が高まりました。お互いに自分の夢について語り合い、お互いの夢をシェアし合いながら、よりコミュニケーションが深まりました。最後に、「ただ、なりたいというのではなく、自分は必ずなれる。」と先生からアドバイスを頂き、私は10年後、29歳になるまでに今やるべきことをすべきだと考えています。


学生チューターの声
齋藤 小椿さん(スポーツ教育学科 2年)
 私が入学した2年前には、入学前に行うプレアドは行われていませんでした。そのため、チューターとしてですが初めて参加させていただき、入学前に受講できる皆さんがとても羨ましいと感じました。プレアドでは、今後の大学生活やキャリアについての知識を学べます。さらに、入学前に同学年の仲間とコミュニケーションを取る機会があることは、今後の大学生活にとって大きなメリットだと思います。   
 私は、4回目と5回目の授業に参加させていただきました。4回目の授業では、受講生の皆さんが自分の意見を正確に伝える姿や、グループワークへの積極的な参加が多く見られ、とても驚かされました。5回目に参加させていただいた際には、未来について考える授業内容でした。様々な職業について深く学び、将来のために今からできることは何かを考える場面があり、大学生活の具体的な過ごし方が少しずつ見えてくるのではないかと感じました。
 プレアドでは、グループ編成を何度も変えて毎回自己紹介をします。自己紹介をすることは、自らを理解する視点となるため、今後自己PRをする場面でとても役立つと感じました。また、発信者になることで、伝え方や相手の捉え方を考えるきっかけにもなると思いました。
 今回、チューターとしてプレアドに参加させていただけたこと嬉しく思います。受講生の皆さんの大学生活が充実したものになることを願っております。

宮﨑 凜さん(法律学科 1年)
 入学前キャリア教育プログラム「桐蔭プレアド」でチューターとして新入生のサポートをするという貴重な体験をさせていただきました。
 桐蔭プレアドの受講生は事前学習で課題に取り組み、授業では他の受講生と意見交換や発表を行い、自己理解を深めていく内容となっていました。その中で、学生同士で意見交換をする時や、各自で調べ学習を行っている時にサポートを行いました。受講生の中には自ら進んで活発的に学習に参加できる学生もいれば、なかなか意見交換に参加できない学生がいるなど、学生の間でかなり進行に格差が生じてしまっていました。そういった格差を是正する為にグループ活動で意見交換に介入し、会話に発破をかけるなどの支援を行いました。発破をかける事で、グループ内の雰囲気や話し合いを活発にすることができました。それでも話が続かない時は方向性を提供したり、例題を提供するなどして話し合いが続くようにしたりしました。今までチューターをやる機会はほとんどなく、とても新鮮で貴重な体験でした。学生によって悩んでいる部分が違うので、適切なサポートをするのが難しく、かなり頭を悩ませました。
 また、オンラインと対面のハイフレックス方式を採用した講義形式であったため、オンライン特有の意思疎通の難しさがあり、対面と比較してサポートが難しいものでした。しかし、今回の貴重な体験を通じてグループで行動する際に活発に様々な意見を抽出し、多角的に議論し、より良いアイディアの創造や課題解決に大いに役に立つ経験であったと思いました。今回の桐蔭プレアドを通じて得た経験を実際に活かしていきたいと思いました。

佐藤 豪さん(法律学科 1年)
 私は学生チューターとして、第1回から全ての回で入学前教育「桐蔭プレアド」に参加しました。オンラインのチューターとして参加した第1回目のプログラムでは、ほとんどの参加者は緊張していたのが印象的でした。自己紹介などもぎこちなく、雑談などの会話も弾まなかったのが印象に残っています。このプログラムでは毎回課題が出され、それを基に自分の意見を出し合いますが、最初は皆さんの会話のラリーが続かなかったです。しかし、回を重ねるごとに自分の意見をはっきりと述べられるように進歩していく様子に、チューターから見ても成長を感じることができました。
 そして、今までに起きた出来事(過去)、大学入学後や就職(未来)についてなどを大学入学前に学ぶことができ、尚且つ、他の参加者からの質問も受けるので、さまざまな角度から客観的に自分を見つめ直すことができると思います。また、学部に関係なく参加できるので、入学後には関わる機会が少ない他学部の学生とも交流することができます。そのため、異なる経験の持ち主が集まるので、さまざまな経験を共有することができるのも良い点だと思います。

大長 凜さん(法律学科 1年)
 今回私は、入学前教育「桐蔭プレアド」に学生チューターとして参加させていただきました。この桐蔭プレアドでは、昨今の情勢を鑑み、オンライン型・対面型の両方の授業形態を導入したハイフレックス型の授業で、自身のキャリアについて考えるという学びをしています。これだけでは何をしているのか分からない人がほとんどだと思いますが、桐蔭プレアドではグループワークなどによって、自身の過去を振り返り、得意・不得意なことを理解し、客観的に自分を見つめなおし、将来のキャリアデザインを考えていくという学びをしています。
 私は第1回目から全ての回にチューターとして参加させていただきましたが、参加学生の成長が目まぐるしいほどでした。大げさな表現かもしれませんが、まさにそうでした。第1回目では、グループワークになっても話が進んでいない、もしくは話すことが終わってしまうと黙り込んでいる、そのような状況でした。しかし、第5回目になると、グループワークでも自分から他に話を振るなど、もうすでに友達になっている参加学生まで見られました。正直に言って、「第4回・5回目辺りからは、私たち学生チューターは必要ないのでは」と感じるほどでした。
 私自身も、昨年度の入学前にこの学びを受けていました。そして今年度、学生チューターとして参加させていただいて思ったことがありました。高校卒業から大学入学までにこのプログラムを受けられることは、とても大きいことだと思いました。このタイミングで自身のキャリアについて学ぶことによって、大学での学びが大きく変わると実感しました。今回学生チューターとして参加できて嬉しく感じています。


教員プロフィール:松井 晋作

松井 晋作

教育研究開発機構 専任講師

 松井 晋作 MATSUI, Shinsaku – 教員紹介



教員プロフィール:溝口 侑

溝口 侑

教育研究開発機構 特任専任講師

 溝口 侑 MIZOGUCHI, Yu – 教員紹介



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