桐蔭横浜大学

桐蔭横浜大学Toin University
of Yokohama.

教育・授業実践

大人数でも少人数授業の効果。コロナ禍だからこそのキャリア教育
Vol.4 武田佳子先生(教育研究開発機構)

掲載日:

武田先生の授業は,2年から4年まで77名が受講するキャリア教育科目です。実社会との連携を基盤に,仕事や生きがい・生き方などへの意識を高めるためのキャリア教育が授業のテーマです。オンライン授業でも,グループワークを繰り返しながら学生同士のコミュニケーションを促進しているところが大きな特徴です。
授業に見学に伺ったときは,ちょうどオンラインアプリのZoomにある「ブレイクアウトルーム機能」を用いて,オンラインであってもグループ活動を展開している最中でした。ブレイクアウトルーム機能は,教員側の設定によりオンライン上に個別の部屋をいくつかつくり,そこに学生たちが少人数に分かれて同時双方的に議論することを実現するものです。武田先生はこの小人数のグループワークと,全体への講義をうまく組み合わせて授業をデザインされています。

先生へのインタビュー

取材班:本授業の目的を教えてください。
武田先生:本講義では,自学イベント「おもしろ理科教室」の協賛企業を探す課題を通じて,マーケティングの3CやSWOT分析のフレームワーク,人に伝わるプレゼンテーションスキルなど,理論と実践を学んでいます。また,グループワークのプロセスの中でリーダーシップやチームビルディングを身につけることを狙いとしています。上級生にとっては,中小企業を含めさまざまな企業があることを知ることや企業分析の手法を学ぶことは就職活動に直結するものと考えています。

取材班:授業の工夫点を教えてください。
武田先生:大規模人数のオンライン上でのグループワークは,当初,学生からは不安の声もありましたが,Zoomでのグループワーク(ブレイクアウト機能の使用)にも慣れ,講義7回目より固定グループでのブレイクアウトを開始。グループのメンバーに関しては,グループが崩壊しないように課題の提出状況や事前アンケートでとったリーダーシップ自己効力感の得点も加味して構成しました。
今回の講義では,各グループのプレゼンテーションをパワーポイントの録画機能で作ってもらいました。ですが,対面授業の場合,人数が多いとゆっくりみられなかった他のグループのプレゼンテーション動画をクラウド上にUPすることで何度も見ることができ,他者から効果的なフィードバックをもらうこともできます。オンラインのメリットではないかと考えています。事前アンケートでは,授業への期待,到達目標のなかで自分が一番身につけたい目標を記載してもらい,主体的に学びに向かえるように工夫しました。中間でもアンケートで,課題の量やレベルがどうかをヒアリングし,授業の改善に役立てるようにしました。就職に直結する講座として受講してくれているようなので,プレゼン動画を見て,表情など細かくフィードバックする予定です。オンラインだからできることに挑戦したいと思っています。

取材班:オンライン授業での試行錯誤をしたところはどこですか?
武田先生:講師の私も初めての挑戦なので,うまくいかないことも多々ありますが,学生とともに試行錯誤しています。ZoomもSlackも大企業では業務で使用されている一般的なツールになっていますので早い段階で活用できるのはスムーズに職場に馴染めるのではと思っています。オンライン授業では,指導者のリテラシーが学生の学びに大きく影響することを実感しています。しっかり使いこなし,深い学びにつながるように研鑽していきたいと思っています。

授業の様子


受講生の感想

手島涼さん(4年生)
オンライン授業になり,先生と生徒個人のやりとりが増えた事で,普段の授業よりコミュニケーションをとることができたと思います。グループワークは最初は不安でしたが,しっかりお互いの顔を見て話し合う事ができ,スムーズに進める事ができました。それに質問や発言などもしやすい雰囲気でとても参加しやすい授業だと思いました。

大貫未来陸さん(2年生)
初めてのオンライン授業を受けて,自宅で一人で集中して学習できる点がいいと思いました。また大人数の授業にもかかわらず,アプリなどを使い小グループを作り,話し合ったり,課題を制作することで一人一人の意見が尊重され理解もしやすくなっているのでより授業に取り組みやすくなっています。わからない点もグループごとにピックアップしてアドバイスを頂けるのでスムーズに理解することができました。


教員プロフィール:武田佳子

 

教育研究開発機構 准教授

武田 佳子 TAKEDA, Yoshiko – 教員紹介


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