この季節はどうしても桜の話題(もしくは桜に絡めた話題)が多くなってしまいますね。
古来、花(桜)を扱った和歌はそれこそ無数にあり、開花を待ち望む気持ちや散りゆく花を惜しむ気持ちを表したもの、あるいは自身の心を花になぞらえて表現したものなど、いかに日本人の心象と深くかかわってきたかがわかります。
先日の大雨&強風では盛大に花吹雪が舞い、一気に散ってしまうのではないかと心配しましたが、桐蔭学園の桜は何とか持ちこたえ、最後の見ごろを迎えています。
【校長室から見える桜】
桜の名所とよばれる場所は数多くありますが、私(岡田)が一番好きなのは桐蔭学園の桜です。それは、1年間ほぼ毎日その姿を見ているからなのだと思っています。
満開時はもちろん、初夏の葉桜から盛夏には青々とした葉が茂り、秋には葉が色づいて冬にはすべて散ってしまう……。このような変化を見てきているからこそ、満開の様子がひときわ輝いて見えるのでしょう。満開時のみを愛でる桜の名所とは一線を画す所以です。
これは生徒たちが成長する姿とも重なります。クラブ活動や委員会活動といった課外活動、あるいは大学受験などで成果をおさめた生徒たちは、みな一様に輝いています。しかし私たち教員は、決してその輝いている瞬間だけを見ているのではありません。そこにいたるまでの彼らの努力の過程をつぶさに見てきています。だからこそ彼らの輝きが一層眩しく感じられるのです。
教員という仕事の最大のやりがいはここにあります。