Promotion & Collaboration 研究推進・産官学連携
桐蔭横浜大学では、3学部1学環の専門性を生かした実践的研究を推進しています。現代社会が求める研究成果を社会還元することで得られる対価を、研究の更なる進展に充てることにより、社会還元と研究の相乗的・加速的発展を目指します。
ペロブスカイト太陽電池とは
「ペロブスカイト」と呼ばれる結晶構造を持つ材料を用いた次世代の太陽電池です。従来のシリコン型に比べ、「薄い・軽い・曲がる」という革新的な特徴を持ち、ビルの壁面や電気自動車のルーフなど、これまで設置が困難だった場所での発電を可能にします。
薄い・軽い・曲がる
発電層の厚さはわずか数ミクロン。シリコン型の100分の1以下の薄さを実現し、重量による制限を大幅に軽減。フィルム状の基板に塗布できるため、曲面への設置が可能。ビルの壁面やテントなど、活用の幅が広がります。
室内光でも発電
弱い光でも効率よく電気に変えられるため、室内照明によるIoTデバイスの電源としても期待されています。
印刷で作製できる
インクを塗って乾かすことで作製できるため、様々な色の太陽電池や好きなデザインの太陽電池を作ることが可能。建物のデザインに合わせて選ぶこともできます。
原料の多くが国内で調達可能
主原料の1つであるヨウ素は、日本が生産量世界2位であり、埋蔵量は世界1位だと言われています。エネルギー自給率10%の日本において、ペロブスカイト太陽電池は国産のエネルギー源になりえます。
注目される背景
地球温暖化の影響
地球温暖化は、二酸化炭素等の温室効果ガスが空気中に増えることで、地球の周りに熱が溜まり、気温が上昇する現象です。
温暖化の原因
生活の中で石炭・石油・天然ガスといった化石燃料を燃焼させることで、温室効果ガスを排出しています。
深刻な影響
極端な猛暑や異常気象が頻発し、農作物や水資源に深刻な影響が出ています。
解決への期待
自然の力で電気を作る方法が不可欠です。ペロブスカイト太陽電池は、温暖化を食い止める切り札として注目されています。
未来のくらしが劇的に変化
ペロブスカイト太陽電池の特長は、従来のシリコン太陽電池にはない「設置する場所の自由度が高いこと」です。
これにより、生活に大きな変化をもたらすかもしれません。
都市空間を発電所に!?
曇りや日陰でも発電ができるペロブスカイト太陽電池は、直射日光が当たらないビルの壁や屋根等にも張ることができるため、都市空間を最大限に活用することができます。
リモコンやゲーム機等が電池切れ知らず!?
家の中の光でも発電できるので、リモコンやゲーム機のリモコン等もペロブスカイト太陽電池で充電することで、電池切れの心配がなくなるかもしれません。
JAXAも注目
木星探査や小惑星探査を行う人口遠征には、軽くて放射線に強く、照度が低くても発電できる太陽電池が必要です。そこでJAXAもペロブスカイト太陽電池に注目しており、2014年には、JAXAと共同研究を始めています。
研究者紹介
宮坂 力 Tsutomu Miyasaka
略歴
1981年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。富士写真フイルム株式会社足柄研究所を経て、2001年より本学教授。2009年にペロブスカイト太陽電池を発明。2017年クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞(ノーベル賞候補)、2023年朝日賞、2025年日本学士院賞を受賞。
池上 和志 Masashi Ikegami
略歴
筑波大学大学院化学研究科化学専攻修了。2006年より本学勤務。色素増感太陽電池実験キットの実用化と、学生実験での採用。宮坂特任教授と共に、ペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けた製造技術・評価法に関する研究とその実践に従事。