ペロブスカイト太陽電池材料の皮膚への影響を評価
― ヒト皮膚細胞と3次元培養表皮モデルを用いた安全性研究 ―
本学大学院工学研究科の惟村公郁さん、齋藤直さん、池上和志教授、宮坂力特任教授、吉田薫教授らの研究グループは、次世代太陽電池に用いられるヨウ化鉛系ペロブスカイト材料について、皮膚への影響評価を実施しました。本研究成果は、英国王立化学会の学術誌『Materials Advances』に掲載されました。
本研究のポイント
- 代表的なペロブスカイト材料(MAPbI₃)および原料・分解関連物質の皮膚毒性を、ヒト皮膚細胞と3次元培養表皮モデルで比較評価
- MAPbI₃およびヨウ化鉛(PbI₂)による細胞生存率の低下、および粉末による3次元培養表皮モデルでの明瞭な組織障害を確認
- フィルター処理後のろ液(溶解成分・微細粒子)にも細胞への影響が認められ、取り扱い時の注意の必要性を提示
研究の背景と期待される効果
本研究では、代表的なペロブスカイト材料であるメチルアンモニウムヨウ化鉛(MAPbI₃)と、その原料・分解関連物質について比較検証を行いました。実験の結果、MAPbI₃粉末が3次元培養表皮モデルに組織障害を生じさせることや、粒子除去後のろ液成分にも影響が認められることが明らかになりました。
この成果は、ペロブスカイト太陽電池の製造・研究開発現場における保護具の使用基準や適切な材料管理など、安全な実用化に向けた指針づくり(ガイドライン策定)に大きく貢献することが期待されます。
論文情報
- 論文名
- Skin toxicity of lead iodide perovskites evaluated using human skin cell and tissue models
- 著者
- Masafumi Koremura, Nao Saito, Masashi Ikegami, Tsutomu Miyasaka, Kaoru Yoshida
- 掲載誌
- Materials Advances
- DOI
- 10.1039/D6MA00946H