桐蔭横浜大学

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教育・授業実践

入学前キャリア教育プログラム(第4回・オンライン)「未来の自分を考える ワーク③」に受講生131名が参加 「自分の10年後について職業だけではなく生き方を考える」をベースに「人生の中で何を成し遂げたいのか」を軸として意見を共有
Vol.11 松井 晋作先生・澤本 敦先生(教育研究開発機構)

掲載日:

3月6日(土)2021年度入学前キャリア教育プログラム(第4回)が実施され、131名の受講生が2時間のZoomオンライン講座に参加しました。今回は「未来の自分を考える」というテーマでプログラムが展開され、受講生は事前に動画(Googleドライブ)で確認した課題内容にそって自分の資料を準備して臨んでいました。
これまでの講座と同様に、松井晋作先生が前回までの内容の振り返り(資料提示)をされ、続いてブレイクアウトルームでの進行をより良くしていくためのレクチャーとして「Googleの効果的なチームの定義」を例にあげて確認されていました。その後の各ルームでの対話では、そのノウハウを活かせるようになっている受講生も見られたようです。今回はこのプログラムの様子について紹介します。

先生へのインタビュー

【第4回プログラムの様子(振り返り・アイスブレイク・事前説明・未来の自分を考える ワーク③)】

まず、第1回~第3回プログラムの内容について確認が行われました。「Who am I」「アイデンティティについて」「Slackについて」「過去の自分を振り返ってみる(成功体験・失敗体験)」「バンデューラ(自己効力感)」「ファシリテーションについて」「メモの取り方」「先輩から学ぶ(自分が感じた良いと思うこと、違うこと」「ロールモデルについて」があげられていく中で、受講生は過去3回のプログラム内容の振り返りを進めていました。


続いて、本時のテーマに入る前の松井先生によるレクチャーです。ブレイクアウトルームでの対話がうまくいくグループと、そうではないグループとの差には「チーム」としての活動が影響している点を話され、「Googleの効果的なチームの定義」について次のように説明されていました。

①学びを個人でなくチームで行う理由⇒チームは真の成果を生み出す最小の単位であり、画期的なアイディアが生み出され評価される場である。
②ワークグループとチームの違い⇒ワークグループは相互依存性が最小限であるが、チームは相互に強く依存する。
③効果的なチームとは⇒「心理的安全性」「相互信頼」「構造と明確さ」「仕事の意味」「インパクト」が因子となって影響する。
④チームの効果に影響を与えない変数もあるが、チームの取り組みを共有するためには
⇒「共通認識を持つこと」「対話の場を持つこと」「チームの強化と改善にリーダーを巻き込むこと」がステップとなる。


以上の確認を終えてからアイスブレイク(数名グループ)に入りました。「名前・出身地・学校活動を除いてチームとして動いた経験」という質問に対して一人必ず1分間は話すことと、全員がファシリテーターになって先ほどの点に注意しながら進行するようにという指示・説明にそって2回行われ、終了後には松井先生が4名の受講生から話を聞きながら参加者全員で共有する時間を設けました。そこでは、「地域の清掃ボランティアで高齢者の方々と花を植えた話」「地域の複数の学校から集まった小学生にミニバスケットを指導した経験」「台風被害を受けた地域で復興活動をした話」「プロテニスの試合でのボールボーイの経験」「街クラブでの大人との関わり・交流についての話」などが発表されました。(発表者:写真参照)


この後は本時の内容「未来の自分を考える ワーク」に入ります。(写真資料参照)
受講生は事前課題としてSlackのチャンネルに提示された動画(Googleドライブ)と資料を基に、「自分の10年後について職業だけではなく、生き方を考える。」というテーマで各自の意見を持って臨んでおり、その観点は次の5点でした。

①どんな人生にしたいのか。
②どんな仕事をしていたいのか。
③何を大切にして生きていきたいのか。
④人生の中で成し遂げたいことは何か。
⑤あなたの人生の目的は何か。


これらの確認・説明後はブレイクアウトルーム(35部屋:各3~4名程度)に分かれ、各自が作成した資料を基に「自身の職業だけでなく、10年後の将来のビジョン」について共有する時間(10分間×3回)となりました。とくに、4点目の「人生の中で成し遂げたいことは何か」を軸に考えさせながら、過去のプログラムと同様に受講生全員がファシリテーターを順番に行う形式と、発表者に対して前の発表者が質問をするという流れを導入し、その間はチューターが各部屋を巡回して適宜フォローを行っていました。


そして、全員がブレイクアウトルームから戻った後は、受講生同士の対話の中で出てきた意見と自分の意見について、順に3名を指名して聞かせてもらいながら参加者全員で共有する時間としました。松井先生はその内容を深く掘り下げるために、今回は一人当たり10分近い時間(前回までは約5分)をかけて話を聞くようにされていました。(発表者:写真参照)
この時に発表された意見を大きく3つに分類しました。

【A】
・後悔のない人生にしたい。信頼される仕事に就きたい。
・目指したい職業があるので、それに就きたい。人を支えられる仕事をしたい。
・人に関わる中で自分も成長したい。
・真心を大切にしたい。“当たり前”をできるようにしたい。何事にも挑戦したい。
・夢を追いかけられるようにしたい。やりたいことを見つけて追いかけたい。
・コミュニケーションを沢山の人と取っていきたい。
(他者との関わりの中で信頼できる関係性の構築を目指し、且つ、自分の目指す道を突き進んでいきたいと思っている生徒も多いことが窺われる。)

【B】
・人の役に立ちたいという思いが強い人が多い。
・目指したい職業が決まっており、それに向けて勉強したい。
・生活保護を広く広報して、社会や経済を良くしていきたい。
・貧困の方や病気・障害がある方々をサポートしたい。
(自分の目指すべき道に向かって、現状で実践的に活動している生徒もおり、学習意欲だけではなく、実践者として学びに向かう姿勢を持っていると思われる。)

【C】
・楽しい人生にしたい。自分の好きなことを大切にしたい。
・人との繋がりも、仕事だけでなく趣味も大切にしたい。
・感謝を伝えたい。人をサポートする仕事をしたい。
・恩師との出会いをきっかけに、自分の価値観を意識するようになった。
(利己的ではなく、利他的な意識を持つ生徒が多く、メタ認知の高い生徒も多いと思われる。)


そろそろ終わりの時間が近づいてきたところで、松井先生からこの日のまとめとして本時の内容(未来展望)について次のような説明がありました。
「青年期における未来展望」「自己効力感(復習)」「キャリア教育と大学で身につけたい力(基礎的・汎用的能力)」「キャリア発達に関わる諸能力(4領域8能力)」(写真資料参照)
大学生にとって、時間的展望の中でも未来展望を獲得することが重要である点、自己効力感と相互規定的な関係がある点を押さえるとともに、特に肯定的な未来展望を持って目標を掲げながらも現実的に行動する必要性があることを確認されていました。さらに、心理学の見地だけではなく、キャリア発達という側面からも職業観と人生観を考える必要性が述べられ、今回のプログラムが「キャリア発達に関わる諸能力(4領域8能力)」にもつながっているというお話で締めくくられました。
このフェーズでは今までのプログラムと同様に、本時のプログラムを大学の学びの水準に上げることを意識した上で、学術的に本時の活動の意義を受講生に理解させていました。今回もわかりやすくレクチャーされていたので、「人生を通して自分の生き方を考え続けていく」というイメージにもつながったことと思います。


最後に次回のプログラム(3月20日:最終回)の予告がありましたが、ここで、残念ながらオンライン講座で実施することが伝えられました。当初、最終回は受講生にキャンパスに集まってもらい、学内見学を兼ねながら対面形式で全5回プログラムを締めくくる予定でしたが、緊急事態宣言の解除延期の決定を受けての変更となりました。このプログラムを進めている中で、受講生からは「キャンパス内に入れることを楽しみにしている」という声も届いていたそうですが、今は健康・安全を最優先の判断とのことです。
今回もチューターの方々にご協力をいただきました。ありがとうございました。


【受講生アンケート結果から】
このプログラム参加受講生を対象に、第3回終了後に「桐蔭横浜大学で早く学びたいかどうか」というアンケートを取りました。この質問文からは肯定的な回答が多いであろうと予想していましたが、「とてもそう思う」「少しそう思う」「どちらかといえばそう思う」で100%となりました。このことから、入学前教育プログラムを受講する生徒においては本学への学びの期待度が非常に高まっていることが示されているので、入学後のさらなる成長に期待しています。

Q「桐蔭横浜大学で早く学びたいと思いますか。率直な気持ちで、あてはまるものを1つ選んで教えてください。」

03

授業の様子


教員プロフィール:澤本 敦

教育研究開発機構 客員教授


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