桐蔭横浜大学

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教育・授業実践

入学前キャリア教育プログラム(第2回)を実施(受講生192名参加) Zoomオンライン講座(過去の自分を考える)で2時間の学びを体験
Vol.9 松井 晋作先生・澤本 敦先生(教育研究開発機構)

掲載日:

2月6日(土)、2021年度入学予定者を対象に開講した入学前キャリア教育プログラム・第2回が実施され、192名の受講生がZoomでオンライン講座に参加して「過去の自分を考える」というテーマで2時間の学びを経験しました。今回はその様子を紹介します。

先生へのインタビュー

【第2回プログラムの様子(アイスブレイク・過去の自分を考える)】

この日も松井晋作先生が中心となって進められましたが、第2回が初参加という受講生のためにプログラムの説明および第1回の内容確認からスタートし、さらにZoom内で受講生同士のフォローがしやすいように配慮がされていました。

まず、松井先生から前回の内容をなぞる意味でチャットへの書き込みが誘導され、受講生のアイスブレイクとして4~5人の部屋(グループ)に分かれての自己紹介が行われました。“入学予定学部・氏名・出身地・前回からの2週間で印象に残った出来事”というポイントで30秒程度ずつの情報共有を行い、今回のプログラム内容に入っていきました。
「過去の自分を考える」という内容のワークでしたが、その事前準備として、受講生が入ることができるSlackのチャンネルで事前課題が示され、さらにGoogleドライブの動画で説明が提示されていました。これは大学での学び方(反転授業)として大切であるという説明がありました。

内容は大きく分けて次の2点です。
① 今の自分と将来の自分を考えるために、過去の自分のキャリアを振り返ること。
② 高校までの成功・失敗体験を振り返ること。

とくに②では、「中学・高校時代における成功体験と、そのために努力したことや成功した秘訣・ポイントの書き出し」「中学・高校時代における失敗体験と、その失敗から学んだことやその理由・原因の改善点の書き出し」が指示されており、“全てが今後の自分につながるように”という目的が明確でした。

ここからは各自がこの課題資料を持ってブレイクアウトルーム(1部屋10名程度)に分かれ、まずは30分間の情報共有の時間に入ります。第2回講座からはチューターによるファシリテートではなく、受講生が司会者となって進行させていく形になりますが、松井先生とチューター(1名)によるロール・プレイングが示されたので、各部屋ともにスムーズに進行できていたようです。その時の注意点としては、“ただ相手の答えを聞き流すのではなく質問をしながら話を聞き出す”というポイント、聞く時には“相槌を打つ”“話を遮らない”“共感を示す(否定しない)”などのアドバイスがあり、今後のグループワーク実践への繋がりを感じました。

さらに、その中では“各自の発表に対してメモを取る“ことを意識させるとともに、メモの目的とノートの書き方のアドバイスも伝えられました。今後のグループワークに向けて、“司会者・タイムキーパー・書記・全体への報告者等の役割分担を決める”という目標も示されたので、受講生は第3回講座以降に繋げていく意識を感じ取ったことと思います。この活動後は受講生から立候補を募り、“印象に残った成功体験・失敗体験”“自身の成功体験・失敗体験”についての発表がありました。

続いて、3~5人の小グループの部屋に分かれて自分と他者の情報共有を行う機会が2回ありました。ここでは“次の人が発表した人に質問をする”というアドバイスがあり、受講生たちはその流れを汲んでグループワークを進めていきました。終了後には数名に内容の共有発表をしてもらいましたが、突然の指名にも気後れすることのない落ち着いた発表ぶりに頼もしさを感じました。

話題の中心は成功体験・失敗体験ともに部活動に関わるものが多かったようですが、他にも学校行事(文化祭でのチームワーク・ボランティア活動)や地域での活動、勉強の不足・部活動との両立(いずれも失敗体験)等も語られました。

このように共有する時間を設けることで、その内容が受講生のみなさんに伝わって受け止められ、さらに今後の大学生活に活かされることに繋がると感じました。できている人が良いモデルになることはとても望ましいことであり、もし、自分が会話に十分に参加できなかったと感じたとしても心配せずに「今後の機会に活かしたい!」と感じてもらえることが大切です。また、互いに成功体験や失敗体験を共有することによって、人それぞれに価値観や判断基準があることや、その途中経過を見つめてそこから学ぶことの大切さに気づいた人も多かったと思います。


その後、松井先生から本日のプログラムのまとめとして“自己効力感”についての説明がありました。“自己効力感”とは「自分ならできる」と自分の力を信じる「確信」度合いのことであり、心理学者アルバート・バンデューラの話と関連づけながら、過去の成功体験と失敗体験がそこに影響する要因につながっているという内容でした。(写真資料参照)

【自己効力感に影響する要因】
「直接的達成経験」:成功体験を積み重ねていくこと
   ⇒一つずつスモールステップでうまく高めていく
「代理的経験」:他人の成功体験を見たり知ったりして自己効力感が高まること
   ⇒上手く活動しているところを表現する
「言語的説得」(社会的説得):他人に「君はできる」と励まされること
   ⇒上手くできたらみんなで頷く・褒める
「生理的情動的歓喜」:心身を健康な状態に保つこと
   ⇒好きな音楽を聴いたりリラックスした状態で取り組んだりする

以上は、今回のプログラムを大学の水準に上げることを意識した上で学術的に活動の意義を理解させるものでしたが、心理学に触れながらの松井先生によるわかりやすい説明を聞いて、大学での勉強に関心を持った受講生も少なくないと思います。“社会に出てから真に活かされる力”を身につけさせることを本学での学びの目標としています。


最後に、次回プログラム(2月20日)の説明と事前課題『桐蔭の“学ぶ”について考えるワーク②(先輩から学ぼう)』の提示が行われて第2回プログラムが終了しました。
今回もチューターの方々にご協力をいただきました。ありがとうございました。



【受講生アンケート集計報告】

なお、このプログラムに参加した受講生を対象に、次のようなアンケートを実施しました。2月10日までに回収・集計した結果を以下に掲載します。
アンケートテーマ:「本プログラムに参加した主な動機について当てはまるもの全てに回答してください」

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この結果によると、受講生が参加した動機の順位として、「大学での友人ができると思ったから」「自分の成長につながると思ったから」「桐蔭横浜大学がどんなところかを知りたいと思ったから」が上位にあがっており、本プログラムの目的である「大学での学びの体験」と「仲間との交流」に一致する結果となりました。このことから、本学の入学前教育プログラムに期待する受講生が多かったことが分かるとともに、「自分の成長につながると思ったから」が61.8%という数字であったことは、半数以上の受講生が自ら積極的に学ぼうとする意識を持っていることが把握できました。これは、「学校の先生に勧められたから」「保護者に勧められたから」という選択肢を選んだ受講生が少ないことからも明らかと言えます。
一方で、「参加しないとあとで困るかもしれないと思ったから(34.4%)」や「参加しなくてはいけないと思っていたから(23.7%)」に加えて「プログラムの内容が面白そうだと思ったから(29.8%)」というような結果から考察すると、プログラム自体に期待をしたのではなく仕方なく参加した受講生も含まれていると考えられます。

現在は第2回までが終了しましたが、ここまでの内容を学んだ受講生たちが本学においてさらに自分を成長させるように意識を高めながら、桐蔭での“学び”について意欲的に考えて取り組んでくれることを期待しています。

授業の様子


教員プロフィール:澤本 敦

教育研究開発機構 客員教授



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