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桐蔭生の皆さんへ~ピンチをチャンスに!

新しい週が始まりました。桐蔭生の皆さん、お元気ですか?

本来、学校で始業式を行う予定だった4/9(木)以降、平日の毎日、各学年からオンラインで学習指示が配信されていることと思います。

この間の皆さんの取り組みを見てみると、大半の人はしっかりできていると思います。一方で、ごく少数ではありますが、必ずしもそうとは言えない人もいます。

この大変な時期をどう乗り越えるか━現在よく言われることですが、そもそも「大変な」とはどういう点で「大変」なのでしょう。

新型ウイルス禍の中、感染しないように最大限の注意を払うこと、自らが感染者である可能性を意識しつつ他人に感染させないように気をつけることはいうまでもありません。では、これを「今までの生活が一変してしまった」という観点から見るとどういうことになるでしょうか。

自分でコントロールできる時間がたっぷりある、ということに尽きると思います。皆さんの場合、ひとえに学校、教室という空間的制約から解放されたところからくるものです。外出もままならないという移動の制約はあるものの、時間の使い方という点では大変「自由な」状況といえるのです。

私たちが平等に持っている最大の資源は時間だと言われています。物理的な意味で、誰にでも平等に流れているものだからです(心理的にはまた別の見方ができますが、今回はふれません)。その資源を有効に利用できるか、それとも無駄に浪費してしまうかは私たち自身にかかっています。

ピンチをチャンスに━これも現在よく聞くフレーズです。皆さんがこの新型ウイルス禍というピンチをチャンスに変えられるとしたら、それは時間という資源を有効に使えるかどうかにかかっています。学校、教室という空間的制約のない今だからこそ、よりいっそう主体的に取り組めるはずです。皆さんの意志が試される、そして皆さんの主体性が培われるのがこの時期ではないかと思うのです。

新型ウイルス禍が終息した時、皆さんがどのように成長しているか、楽しみにしています。

 

中学受験生へのメッセージ動画

先日は在校生へのメッセージ動画を作成し、現在学園の公式サイトでも見られるようになっています。4/14(火)は、来年度に向けて頑張っている中学受験生の皆さんに向けて、メッセージ動画を撮影しました。

今回もシンフォニーホールでの撮影です。

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大変な状況の中で勉強を続けている中学受験生の皆さんにとって、少しでも励みになればとの思いで作成しました。

受験生の皆さん、このような中だからこそ学びを「楽しむ」姿勢が大切です。どうか学ぶことを通じて、新しいことを知り、わからなかったことがわかるようになる楽しみを味わってください。

メッセージ動画は後日、学園の公式サイトにアップいたします。

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桐蔭生の皆さんへ~メッセージ動画を作成しました

桐蔭学園の在校生の皆さん、進級おめでとうございます。

お知らせした通り、新型コロナウイルス感染防止のため、5/2(土)まで自宅学習期間を延長し、その間の登校は一切取りやめることとしました。学校再開は5/7(木)を予定しています。

さまざまな情報や学習指示については、平日(月~金、祝日は除く)の毎日、学年からオンラインで配信していきますので、必ずチェックするようにしてください。この時期の取り組みは、学校が再開された時にスムーズにスタートできるかを大きく左右します。しっかり取り組んでください。

私(岡田)から、自宅学習中の桐蔭生の皆さんに向けてメッセージ動画を作成しました。

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今回は桐蔭学園シンフォニーホールのスタッフが、最高の技術をもって作成してくれました。

緊急事態宣言が出され、町に活気が失われつつある中ですが、少しでも前向きになってもらえたら嬉しいことです。

学園の公式サイトにアップしていますので、ぜひご覧ください。

https://toin.ac.jp/timeline/gakuen/21141/

 

終了式の日に…(桐蔭生の皆さんへ)

今朝、とあるラジオ番組を聴くともなく聴いていたところ、Creedence Clearwater Revival(以下、CCR) というバンドの「Someday never comes」という曲が流れていました。これは1972年にリリースされた曲ですので、当時小学校に入学したばかりの私(岡田)が同時代的に知っていたわけではありません。高学年になって洋楽(ロック)に目覚め、中学に入学してしばらく経ったころCCRというバンドを知り、カントリーロック調のこの曲が大変気に入ったという、いわば「後追い」でした。

当時はあまり意識していなかったのですが、この曲は歌詞が魅力的であることに改めて気づきました。

First thing I remember was askin’ papa,

“Why?”,

For there were many things I didn’t know.

And Daddy always smiled;took me by the hand,

Sayin’,”Someday you’ll understand.”

知らないことがたくさんあった自分が、父親に「どうして?」と尋ねると、「いつかお前もわかるようになるさ」と答えてくれた、という(おそらく)少年時代の記憶で始まるこの曲は、サビの部分で

You better learn it fast;you better learn it young,

‘Cause, “Someday” Never Comes.

との印象的なフレーズが何度も繰り返されます。「若いうちに学んだ方が良い。なぜなら『いつか』なんて絶対にやってこないから」といったところでしょうか。

ふり返れば、少年時代から「いつかは…」と思いながら、結局解決せずにここまで生きてきたことのなんと多いことか。数多くの「いつかなんとかしよう」を抱えて生きている存在、それが私たちなのかもしれません。久しぶりにこの曲に触れ、妙に心に沁みた朝でした。

世界的に先行き不透明な状況が続いています。自由に動き回ることもままならず、何とも形容し難い閉塞感も漂っています。

しかし、必ず出口は見えてきます。

その時、今抱えている「いつかなんとかしよう」を少しでも減らすように行動しませんか。

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本日(3/24 火)は、本来であれば終了式が行われる予定でした。急遽、自宅学習の措置となって3週間あまり。桐蔭生の皆さんが最後に登校した2/29(土)にはまだまだ冬の装いであった学園の桜の木も、今は五分咲きといったところです。

人間世界の閉塞的状況を尻目に、自然は悠々と季節を謳歌しているかのようです。

皆さんと再開できる日を楽しみにしています。

 

自宅学習中の桐蔭生の皆さんへ

3/2(月)から急遽自宅学習期間に入り、10日ほど経ちました。皆さん、どのように過ごしていますか。この間、学校からはClassiやロイロノート、あるいは一斉メールなどを通じ、自主学習のための教材や実施することができなかった学年末考査などを定期的に配信しています。

しかし…

生徒の皆さんがいない学校というのは本当に寂しいものです。やはり学校の主役は生徒たちなのだなあ、と改めて痛感する日々を過ごしています。このような思いに陥ったのは、今から9年前の「あの時」以来。

何とも形容しがたい激しい揺れがようやくおさまった次の瞬間から、私たちが今までに経験したことのない事態が次々に発生しました。首都圏の鉄道がストップし、最寄り駅から徒歩で学校まで戻ってくる生徒たち。その夜は教職員とともに学校で一夜を明かすことに。桐蔭は停電にならなかったのが救いでした。翌朝、何とか交通機関が復旧したことを確認し、解散。その後は無期限の休校措置となったのです。

東北地方を中心とした甚大な津波被害、原子力発電所の事故、計画停電、物資の不足…。いつまでこのような状態が続くのか、まさに「先が見えない不安」に苛まれました。

「先が見えない不安」

━━この一点において、現在の状況は当時とよく似ています。

このような「不安」を解消しうるものは一体何でしょうか。それは科学の力にほかなりません。誤解してほしくないのですが、私は決して科学が万能であるといっているのではありません。東日本大震災では、科学の力を買いかぶってきた私たちの姿を露呈することにもなりました。しかし、皮肉なことに、震災からの復興を果たすために、そして新型ウイルス禍から抜け出すために頼りにすべきもまた科学の力なのです。

震災当時、私は高校2年男子部の学年主任をしていました。徐々に普通の生活に戻りつつあった夏過ぎのこと。ある生徒と他愛もない話をする中で、ふと、といった感じで彼はこう言いました。

「先生、進路決めました。防災の研究をします」

聞けば、震災時「人のために何かしたい」と思いつつも、何ひとつできなかったことが残念で、その時の思いを実現するのが自分の夢になったとのこと。

皆さんが、現在の状況下で「人のために何かしたい」と思ったところで、それは不可能です。「人のために」なるに見合った知識、経験、判断力が備わっていないからです。しかし、それは10代の皆さんとしては当然のことなのです。

大切なことは、現在の状況をしっかりと記憶しておくこと。刻々と変化する事態を現在進行形で把握し、心に刻んでおくことです。そして、今、この瞬間の自分の「思い」を忘れないこと。あの時、自分はどう思っていたのかを胸に焼き付けておくことが大切なのです。

次に震災が起きた時、そして次に新型ウイルス禍が起きた時、私たちが進むべき道を冷静に見極め、指し示すことができるのは、まさに今、この瞬間の「経験」であり、「思い」にほかなりません。

私にとって、震災当時の忘れられない光景とは…

無期限の休校措置が終わり、学年の生徒たちが登校した初日に行った学年集会。犠牲になられた方々に1分間の黙祷を捧げた後、

「皆さん、今どんな気持ちですか?」

と問いかけた時の生徒たちの表情です。先の見えない不安と動揺の中、皆と再会することができた安堵感を滲ませた表情でした。震災前には「当たり前」と信じて疑わなかった平穏な日常が、実は「有り難い」ものであったことを知り、それがようやく戻りつつあることに少しだけ愁眉を開いた表情でした。

皆さんと再会できる日、どんな表情を見せてくれるでしょうか。再会を楽しみにしています。

 

卒業生保護者の皆さまへ

すでにお伝えしました通り、今年度の卒業式は国内での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、保護者の皆さまの参列はご遠慮いただくことといたしました。大変残念ではありますが、生徒と保護者の皆さまの安全・健康を第一に考えた措置とご理解ください。

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お子様にとって一生に一度の卒業式。この晴れの日の喜びを保護者の皆さまとともに分かち合うことができなくなってしまい、私たち教員も本当に残念な思いでいっぱいです。

そこで、少しでもこの晴れの日の喜びを共有できればとの思いから、当日はシンフォニーホールでの卒業式の模様をライブ配信することといたします。URLは別途お知らせいたします。

ご存知のように、同ホールからのライブ配信は「第九の会」をはじめとして数々の実績があります。今回の卒業式に向け、ホールスタッフ一堂、最大限の準備をいたしました。当日は万全の態勢で配信いたします。

もちろん、私たち教員も全力でサポートいたします。感染を防ぐため、式の短縮化を図る形での実施となりますが、保護者の皆さまの思いを背負いつつ、心を込めて臨む覚悟でおります。

お子様のこれからの人生に幸あらんことを心よりお祈り申し上げます。

ご卒業おめでとうございます。

【以下、全て昨年度の卒業式の模様です】

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