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【チャレンジ力・思いやり・エージェンシー】 3年生 宿泊活動(野島青少年研修センター)

3年生は、9月21日の水曜日から横浜市金沢区の野島青少年センターにおいて一泊二日の宿泊活動を実施しました。当初は7月の予定でしたが、新型コロナの感染拡大のため延期となり、今回も台風の影響が危ぶまれましたが、両日とも天候に恵まれ無事決行することができました。

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今年度は、新型コロナの影響で中止を余儀なくされていた校外学習が3年ぶりに行えるようになりました。3年生にとっては小学校生活初の宿泊学習となり、更に小学校内で一番早い日程の宿泊ということもあって、子どもたちのみならず教員も準備段階から期待と不安の混ざった心境で、当日を迎えることとなりました。新型コロナの感染状況も直前には落ち着き、初日の朝は元気な子どもたちの笑顔と共に出発することができました。

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一日目は、まず金沢自然公園に立ち寄りました。公園へと続く山道のような上り坂を歩きながら「まだ着かないのー?」とバテ気味だった子どもも、いよいよ到着して巨大な滑り台を目の当たりにした瞬間、疲れも吹っ飛んでしまったかのように目を輝かせ、午前中は滑り台や遊具でたっぷり遊び、自然の中でお弁当を食べることができました。遊んでいる子どもたちを見ていると、本来子どもというものは遊びを通して育つということがよくわかります。また、自然の中では、学校では見られない子どもたちの逞しさや大らかさを目にすることができました。

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午後、野島青少年研修センターでの入所式を終え、班長会議での連絡事項が各部屋のメンバーに伝えられました。このようにルールに基づいて協力しながら部屋の生活を営むという取り組みは、宿泊活動ならではの体験です。センターでの最初の行事は、「ちりめんモンスターを探せ」という「ちりめんジャコ」に混ざっている色々な生き物(カニやエビ、タコやタツノオトシゴなど)を探すアクティビティです。子どもたちは、虫眼鏡とピンセットを手にし、用意されていた図鑑シートと睨めっこしながら必死に生き物を探していました。この活動を通して、普段は見逃しがちな生き物の細部の特徴を発見することができたようです。何よりもゲーム感覚で楽しみながら取り組めたのが良かったです。最後に、選り分けた生き物の中からお気に入りの生き物を特殊な溶液で固めてキーホルダーのお土産にしました。

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食堂で夕食を済ませた後は入浴です。班ごとに時間が決められた入浴なので、慌ただしい中ではありますが、ここでも子どもたちは時間を守ることの大切さを身に付けたのではないかと思います。その後、センター内のホールで「キャンドルファイヤー」を体験しました。暗闇に灯るロウソクの炎を見ながら神秘的な雰囲気をひと時味わってから、子どもたちが前もって用意していた「○×クイズ」を楽しみました。

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子どもたちは一日よく体や頭を動かしたので相当疲れているはずですが、就寝となるとなかなか落ち着かないのは宿泊のお決まりです。ましてや初めてのことなので、いつまでも友達とお話ししていたり、寝付けなくて水を飲みに廊下に出てみたり、そうかと思えば、すやすや眠っている子もいたりして各人各様でした。

 

二日目の朝は、起床時刻よりも早めに起き出す子がたくさんいましたが、無理もないことでしょう。寝ている友達を起こさないように配慮している姿も見られました。この施設は、ホテルと違い自分達のできることは自分達で行うというのがルールなので、朝食まで寝具を畳んだり掃除をしたりして過ごしました。掃除機を上手にかけられる子どももいて、そんな友達に影響を受けた子もいたことでしょう。

 

退所式を終えて、観光バスで金沢動物園へ向かいました。ちょうどお昼頃にわか雨が降り、お弁当はバス内で食べることになりましたが、程なく止んだので動物園では傘をささずに見学できました。園内は班で自由に行動し、子どもたちは地図を頼りに色々な動物を見て回っていました。教員はポイントに立って見守る形でしたが、子どもたちの元気な姿を見ることができました。地図の見方、時間の意識、友達と協力する姿勢が、自然と身についていったのではないかと思います。帰りのバスの中の子どもたちは、名残を惜しむように友達と楽しくおしゃべりしている子もいましたが、ほとんどはいつの間にかぐっすり眠り込んでいました。大過なく二日間を過ごせたことが何にも増してよかったと思います。

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この宿泊活動で、子どもたちは「自己管理」と「協働」への第一歩を学んだと思います。親元を離れた環境で、仲間と楽しく心地よい生活を送るためには、自分の体調や持ち物をしっかり管理し、ルールを守って仲間と協力すべきであるということに気付いたことでしょう。今回は、一歩とも言えない半歩くらいの歩みかもしれませんが、更に学年が上がるごとに様々な経験が積み重なり、ゆくゆくは個人の自律の精神が豊かな共同体を形成するという意識につながればと願っています。そういう意味でも、3年生が宿泊活動の基礎となる部分を経験できたことは、大変意義のあることだったと思っています。

 

 

【思考力・チャレンジ力・思いやり】5年生 遠足

6月22日、5年生は袖ケ浦海岸の市五郎丸さんにお世話になり、地引網体験を行いました。事前に総合学習で「地引網とは?」というところから調べ学習を始め、水産業について事前学習を行ってきました。水産業についての調べ学習を進めると、様々な漁の方法があることがわかり、自分たちも地引網を体験することができることへのワクワク感を膨らませていました。一方で、水産業を取り巻く現状についても調べていきました。「諸外国の水揚量は上昇傾向にあるのに、日本の水揚量は1990年ごろから下降気味なのはなぜだろう?」ということをテーマに、探究学習を行いました。すると、様々な要因があることに気づくことができました。

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この学習を経たことで、漁業を取り巻く環境の実態や、「漁師」という仕事について疑問も抱くようになりました。そこで遠足当日には、市五郎丸さんにお願いしてインタビューの時間も取ってもらえることになりました。

このように、総合や国語の時間を使って遠足に向けての準備を着々と整えていきました。

そして迎えた当日。梅雨空が続き、毎日天気予報とにらめっこしていた子どもたちの願いが届いたのか、雨予報が曇りに変わり、地引網の体験が無事できることになりました。お天気は良いものの、海の中の潮の流れは速いということで舟を出せるのか心配されました。しかし、市五郎丸の方々が急遽短い網に変更して舟を出してくださいました。激しく波に揺られながら海に繰り出していった舟を見守ること10分。いよいよみんなで網を引く時が来ました。漁師の方々の声に従って、赤チームと白チームに分かれて網を引き始めます。

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「わっしょい!わっしょい!」

元気な声が響き渡り、子どもたちはとっても楽しそうに網を引いていきます。しばらくすると海の中から網の端っこが見え始め、すぐにパンパンに膨らんだ網が海から引き揚げられました。網を開くと……たくさんの魚が元気よく飛び跳ねて出てきました。子どもたちの頑張りもあり、この日は大漁で、コノシロ(コハダの成長魚)だけでも約400匹獲ることができました。網から出てきた魚たちを手掴みで持った子どもたちは、自分たちが獲ったことを実感し、充実感でいっぱいの表情でした。生きた魚の命を「いただいているんだ」ということを体感することができました。

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その後インタビュータイムを設け、準備してきた質問を市五郎丸の方に答えていただきました。どの質問にも丁寧にお答えいただき、子どもたちの驚きや納得のリアクションが絶えない時間となりました。

 

子どもたちの感想を紹介します。

 

初めての地引き網でしたが、思っていたよりも楽しかったです。網は、最初は軽かったけれど、引っ張っていくうちにだんだんと重くなってきました。また、網が海水で濡れていて軍手がビチョビチョになりました。最後は魚がたくさん捕れて、みんなで協力することができて楽しかったです。〔K・S〕

 

地引き網の日はとても良い天気になりました。海が荒れているにもかかわらず漁師さんたちが無理をして舟を出してくれたことと魚をいっぱい捕ることができたことが嬉しかったです。地引き網では、もっといろいろな種類の魚を取ることができると思っていたので、コノシロしか捕れなかったことが少し寂しかったです。〔I・T〕

 

最初の方は楽でしたがだんだんと網が重くなってきて魚が大量に入っていることが実感できて嬉しかったです。綱引きみたいに網をひくことができたのも楽しかったです。捕れた魚はほとんどコノシロでしたが、漁師さんの代表の大谷さんの話では、ブリやカンパチも捕ることができたり、レアものだとエイやハンマーヘッドシャークも網にかかったりすると聞いたので、捕りたかったなと思いました。〔K・Y〕

 

6月22日は待ちに待った遠足でした。初めての地引き網体験でとても楽しかったです。やっている時はまるで海の中の海藻を引いているようで海に入っているような気分になることができました。潮の流れが速く、波も高かったのですが漁師さんは舟を出してくれました。自分たちのために舟をだしてくれた漁師さんたちにとても感謝しています。地引き網が終わった後は市五郎丸の皆さんにインタビューをしました。たくさんの質問に答えてくれて、たくさんのことを学ぶことができました。漁師さんたちは私たちがお弁当を食べている間もずっと作業をしていて、私たちが見てないところでたくさんのことをしてくれていたことに気がつきました。それは地引き網のことだけでなく、学校で働いている人も同様だなと思い、感謝の気持ちがとてもわきました。今回の遠足はたくさんの人に感謝の気持ちを伝えたくなった遠足でした。〔Y・T〕

 

地引網での漁では、まず綱引きのように引くのではなく、ゆっくり丁寧に引いていくことにおどろきました。たしかに、素早くやってしまうと、魚が逃げてしまうな、と思いました。船はだいたい3、4人のれる大きさでした。この体験は、学びがたくさんあったので、この体験ができて良かったと思います。〔K・O〕

 

すごく網が重かったということは魚が大量に釣れたということです!波が高かったけど漁師さんたちが船を出してくれたのですごく感謝しています。〔K・E〕

 

 

【アクティブラーニング型授業・チャレンジ力】1分間スピーチ・トークタイム

講義型の授業では、得た知識を自分のために活用することが多いです。

たとえば、ノートをとることが少し苦手な子が「自分のノートは自分では読めるから、これで良い。」という場面。たしかに、知識がその子の中で完結するものであれば、後で振り返った時、自分が思い出すことができるのならば、それも理解できますね。

 

学習で得た知識を仲間へ伝える思いが育まれたとき、そこで得た知識は、自分だけではなく、他の誰かと共有したい知識へと進化します。

今聞いて、思いついた内容、不思議に思った内容を、誰かに伝えたい。

そんな気持ちが、成長の大きな一歩です。

新しい知識に触れるだけでも、充実するような場面で、さらに、この面白さ、新たな疑問を仲間に伝えたい!この気持ちがあふれる授業が成立しているとき、子どもたちの発言は仲間をも巻き込む要素を持ったものへとレベルアップします。

そして、その仲間の発言を受け、自分に無かった意見や、さらに新たな疑問といった「刺激」がクラス全体に広がります。

 

このようなアクティブラーニング型授業を成立させるためには、いくつかのトレーニングも必要です。

ただ話し合わせるのは時間がもったいないですね。

みんなに発表しているのに、仲間が聞いてくれない環境なら、形だけの発表となってしまいますね。

 

そこで、4年生では、朝のHRの時間に、「1分間スピーチ」と「トークタイム」という取り組みを常時活動として行っております。

それは上記の生きたアクティブラーニング型授業を目指す上で、基礎トレーニングとなる要素も含まれた活動の一つとなります。

 

◆一分間スピーチ

ロイロノートで提出したプレゼンテーション資料を使いながら1分間「自分が好きなこと・最近面白いと感じていること」についてスピーチを行っています。

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【ポイント】
・伝えたい内容を1分間という時間を意識し、まとめて、スピーチすること。
・どのような伝え方が、より多くの仲間に伝わるかをみんなで学ぶ空間を作ること。
・スピーチ後、一人一人、発表者に対してお手紙を書くこと。
・スピーチを聞く姿勢はどのようなものが良いかを考えること。
◆トークタイム
AとBの2人組のペアを作り、その相手に対して1分間話続ける活動をトークタイムと呼んでいます。これはグループワークなどをする際に、いつもとは違う仲間とも話し合いができるための基礎トレーニングにもなります。
お題は例えば「土日にあった楽しかったこと」とします。まずはトークのための資料を作成します。そしてAの子が1分間話をします。続いて、Bの子が1分間話をします。
実際にやってみると、一分間話し続けるということは意外と難しいです。

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【ポイント】

・1分間話し続けること。

・時間内に資料を作ること。

・聞くときの姿勢を意識すること。

 

この2つの取り組みを続けていくと、何気ない日常の現象からも、「あっ… これトークタイムで伝えようかな」とか「この経験、みんなに伝えたい!」という気持ちが生まれます。

日常は楽しませてもらうものではなく、自分で楽しいものを見つけることができれば、世界が素敵に映りますね。

そのような「眼」を獲得してほしいと願っております。

 

4年学年主任 塩原 一成